MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。
[PR]
  • メール
  • メッセ
  • 印刷

【未来予想図 選択的夫婦別姓】(上)ほころぶ家族の絆…お父さんだけ違う姓 (1/3ページ)

2010.3.2 21:32
このニュースのトピックス家族・少子高齢化

 田中京子は結婚を目前に控え、憂鬱(ゆううつ)だった。農家の一人娘として何不自由なく育ち、都内でOLになった京子は、同じ地方出身者の同僚、鈴木一郎と出会い、2年越しの交際を経て晴れて秋に結婚の運びとなった。京子は育ててくれた両親を安心させたいとばかりに、国会で成立したばかりの選択的夫婦別姓の利用を思いたち一郎もいったんは快諾した。ところが話が具体的になるにつれて2人は、生まれてくる子供の姓をどちらにするか、をめぐってもめるようになったのだ。

 「家名を残すには、子供の姓は田中にしたいと、私の両親が願っているの」

「僕の両親は、そもそも別姓に反対だったんだ。親子別姓はおかしいだろ。僕だけが鈴木で、君と子供たちはみな田中? 子供から、『どうしてお父さんだけ姓が違うの』といわれる僕の気持ちを考えてくれよ」

 将来生まれる子供の姓をどちらにするか。実は選択的夫婦別姓では結婚前に決めなければならない。子供の姓が鈴木なら結局、田中の家は絶えてしまう。親戚(しんせき)を交えた協議を何度も重ねたが両家は互いに譲らず、険悪で重苦しい空気が流れた。はじめは「貴方の選んだ人だから…」といっていた両親も今や「あんな人」呼ばわりだ。「こんなはずではなかった」。京子も祝福に包まれた結婚生活に正直、自信が持てずにいる。

 《選択的夫婦別姓法案の最大の問題点。それは、夫婦別姓が親子別姓だということだ。何人子供がいても子供の姓は皆どちらかひとつに統一される。いったん決めてしまえば、後で後悔しても同姓に戻すことは許されない》

PR

PR
PR
イザ!SANSPO.COMZAKZAKSankeiBizSANKEI EXPRESS
Copyright 2010 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。