五輪招致、都議スタッフが身分詐称し情報収集

　２０１６年夏季五輪招致で、東京が使ったＰＲ映像の制作費を巡り、東京都議会民主党の栗下善行都議（２７）の事務所スタッフが、情報収集をする際に身分を偽っていたことがわかった。

　英国の映像制作会社に対するメールでの問い合わせに、日本国内に実在するスポーツ団体の関係者を名乗ったという。栗下都議はスタッフが身分を偽ったことを把握していながら、昨年１２月の都議会一般質問で、スタッフが得た情報をもとに発言していた。

　９日に記者会見した栗下都議らによると、この質問の準備のために、事務所スタッフが、ロンドンの映像制作会社に対し、ロンドンが１２年五輪の招致に成功した際のＰＲ映像の制作費を問い合わせるメールを送った。この際、同スタッフは、都議会議員の肩書で問い合わせても回答が得られないのではないか、と考え、身分を偽ったという。栗下都議は記者会見で、「もっと慎重であるべきだった。申し訳ない」と陳謝した。

　栗下都議は昨年７月の都議選で、千代田区選挙区から立候補。７選を狙う自民ベテランを破り、最年少で初当選を果たした。