三重の伝統工芸品(北勢地域)
桑名盆(かぶら盆) 桑名盆は、木地呂塗りで朱色に縁取りされ、当時は草花など多様な文様が描かれていた。また、盆の縁を変わり塗りの青漆イジイジ塗りで処理しているのも特徴の一つである。江戸時代後期、松平定信が文人画家の谷文晁に命じてかぶらの絵を描かせて将軍家へ献上したところから、特にかぶら盆と呼ばれ有名になった。 |
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桑名鋳物 慶長年間に時の領主の保護を受け、鉄砲等の武器を製造したのが発祥と言われている。薄手で鋳肌が美しく、また寸法が正確で、数々の工業製品に生かされている。 |
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桑名箪笥 桑名は、古くから県内外産の木材の集散地であったことから、材料が豊富で、城下町のため需要も多いという箪笥産地となる条件を備えた土地柄であった。現在、桑名箪笥の手作り一貫生産業者はわずかに一軒となっている。 |
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桑名刃物 室町時代より多くの名工を輩出し、江戸時代後期には刃物類の産地を形成した。特に菜切包丁は播州、越前ものより早くから造られ、切れ味の良い手打ち刃物として評価されてきた。 |
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桑名萬古焼 有節萬古の急須木型の注文を受けてその秘法を知ったくり物師佐藤久米造が1840年頃開窯。彼に技法を習った陶工も維新前後に輩出し、街道の土産物として栄えた。 |
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多度の弾き猿 明治中期より多度神社のお土産として売られ、悪または厄をはじき去るという掛け詞から縁起玩具として親しまれている。 |
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和太鼓 かつて鈴鹿山系北部には良質の欅が豊富に産し、員弁川の水運により木材が集まったことから、北勢地方は太鼓製造の一大産地となった。現在鈴鹿山系には、欅の大木がほとんどなくなっており、原木調達のために東北、北海道まで赴くことが必要となっている。 |
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地張り提灯 起源は明らかではないが、江戸時代中期頃から員弁地方一帯に普及したと言われている。現在では地張り提灯を作る工房も減少し、わずかに一軒がその技術を守り伝えている。 |
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日永うちわ 江戸時代より宿場のお土産として人気が高く、品質と美しさから京うちわと並び全国に名をはせたという。日永うちわは「丸柄」の物が多く、64本の骨を表と裏側交互に編む。手に優しくしなやかで扇ぎやすいのが大きな特徴。 |
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四日市の提灯 四日市市富田地区は一つの生活圏、商圏を形成していた地であり、生活に必要な物は全て揃っていた地である。祭礼に欠かせない提灯の製造もまた行われるようになったといわれる。明治5年には、この地で提灯の製造が現在とほぼ同じ形で行われていた。 |
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関の桶 関町は古来東国への要衝として、近世東海道の大宿場町として発展し、宿場の足洗い用の桶等の需要が多く、材木の入手が簡単であったことから桶作りが盛んとなった。原料の「さわら」は水に対して腐食しにくく、香りも少ない等の特徴がある。 |