新規航空会社の雄、スカイマークが基幹要員の相次ぐ辞職に揺れている。JAL内紛と相まって、航空業界の大再編につながるのだろうか。
◇ スカイマークエアラインズで社員の離脱が目立つのは、安全運航の要ともいえる整備本部。昨年12月末に日本航空(JAL)出身の整備本部長が辞任したのに続き、技術部長を兼任する副本部長も辞任の意向を会社に伝えていることがわかった。さらに数人の幹部が後に続く動きをみせている。 離脱の動きは最近になって始まったことではない。昨年4月から約15人の整備士が同社を去り、パイロットでも10人以上、運航管理者など運航部門の地上職も10人以上が他社に移ったりした。1999年に始めたパイロット自社養成の1期生10人弱も、ほとんどが3月までに辞める見通しだ。 4月末に羽田-札幌(新千歳)線への参入を控えるスカイマークにとって、運航にかかわるスタッフの大量辞職は深刻なボディーブローになりかねない。もともと整備要員の数に十分な余裕がない。しかも、辞任の意向の副本部長が統括する技術部は整備方式を決めたり、機材の改善作業の指示を出したりと、重要な業務を担う。 国土交通省も一連の動きをつかみ、札幌就航認可への事前審査では「整備計画の内容や整備士の熟練度など、機能が充たされているかをみる」(航空機安全課)構えだ。 ITの旗手が社長に エイチ・アイ・エス創業者の澤田秀雄氏がスカイマークを立ち上げたのは96年。JAL、全日本空輸(ANA)、日本エアシステム(JAS)の寡占状態だった日本で35年ぶりの定期航空会社だった。後続の新規航空会社が経営難から大手の支援を仰ぐ中、唯一の「独立飛行」を保ってきた。 もっとも、規制だらけの業界では路線や便数の計画も自由に立てられず、大手との激しい価格競争で、03年には約35億円の債務超過に陥った。あと1期、債務超過が続けばマザーズ上場廃止となる瀬戸際、澤田氏が命運を託したのが、証券会社を介して知り合った現社長の西久保慎一氏(50)だった。 西久保氏は独学でコンピューターを学び、30歳で独立。通信カラオケや「10円メール」などのヒットを飛ばし、00年にインターネット接続事業に乗り出す。ナスダック上場を果たし、社名を「ゼロ」に変更した。ITベンチャーのはしりともいえる人物だ。 航空とIT。一見脈絡のない取り合わせだが、西久保氏は、 「ビジネスの基本は一緒。一線で働けるのがあと10年なら、未知の世界のほうが面白い」 と増資に応じ、04年1月に社長に就任した。「素人には無理。どうせすぐ手放す」(競合他社)との業界の見立てに反し、その年の秋には自ら育てた「ゼロ」を吸収合併して借入金を一掃。昨年6月の株主総会で澤田氏が退任してからは会長も兼務し、株式の5割弱を保有するオーナーになった。 昨年10月には羽田と関西空港、鹿児島、徳島を結ぶ3路線からの撤退を表明。代わりに福岡、神戸、札幌と羽田を結ぶ幹線に便を集中させ、運賃をさらに下げるという新たな計画を打ち出し、「第2の創業」をアピールしたばかり。 「人は流動するもの」 そのスカイマークでなぜ基幹要員の「大量脱出」が続くのか。昨年辞めた整備士の一人は言う。 「人は流動するものだ、という西久保さんのIT流経営にはついていけない。人はお金だけで動くわけではない」 西久保氏が就任後、真っ先に取り組んだことの一つが給与体系の改定だ。パイロットや整備士といった技能者は、創業期に数を確保するために報酬を相対で決めていた。JALやANAから来てもらうために、前の職場の給与水準に応じたため、同じ年齢、職種でも給与の額が違っていた。 これを実績に応じた社内の体系に統一したのだが、元社員は、 「十分な激変緩和をせずに手当類をばっさり切ったため、100万円単位で給与が下がった人もいた」 整備や運航の本部を羽田でなく浜松町の本社に置いたことも、「航空の現場を知らない」と技能者らの反発を買った。 社内の雰囲気も変わった。大手航空会社出身の元社員は言う。 「人を大事にしない経営というか。これまで働いた会社にはないピリピリした雰囲気があった」 社員への慶弔見舞金や社内の歓送迎会は廃止され、出張先で職場に土産品を買うのも御法度に。生産性が下がるからと、業務中の私語や間食も厳禁。オフィスのレイアウトは、社長や部長の机を背に全員が前を向く形に変更された。就業規則に違反すると名前が社内のイントラネットで公表される。 「社長から人前で関西弁で叱責され、あまりの剣幕に嫌気がさして辞めた人もいた」(別の社員) 辞職を申し出る社員に対し、西久保氏はよほどの事情がない限り慰留をしないという。 「高い給料につられて会社を移るのは仕方ない。足りなければ採用すればいいというのが彼の考え。でもこの業界はそう簡単に人の替えがきかないんです」 航空会社が自社養成でゼロから機長を育てるには7~10年、一等航空整備士は4~5年かかる。有資格者の確保は新規航空会社の悩みの種で、その解消のためにスカイマークも数年前に整備士の自社養成を始めたのだった。 消えない「売却説」 業界では、3月開港の新北九州空港と羽田を結ぶスターフライヤーや、佐川急便の貨物航空会社など、新規参入が目白押し。ANAとの提携を解消して日本郵船の子会社になった日本貨物航空は、15年までに500人を超す運航スタッフを確保する計画だ。成田や羽田の発着枠拡大をにらみ、各社はこぞって人員を増強している。パイロットや整備士にはかつてない「売り手市場」が到来しており、再就職先には事欠かない。 危機に直面した西久保流経営だが、航空アナリストの杉浦一機氏は、その手法に理解を示す。 「航空会社も一企業。合理的な人事給与体系を整えるという方向性は正しい」 杉浦氏は、国の規制に守られ、高運賃体系になった日本の航空業界の問題を指摘する。 「人材の流動が当たり前のIT業界出身だからこそ、高運賃の要因だった技能者の報酬にもメスを入れた。自由競争では当然の選択」 その杉浦氏にも注文はある。 「家族主義を徹底させて成功した米サウスウエスト航空のように、経営者と社員が同じ夢を見られる経営哲学も大切。西久保流は冷たさが目立つのかもしれません」 昨年末、西久保氏と語り合った。西久保氏は航空に関する書籍を読みあさり、操縦士免許をとる訓練を続けていた。 「しばらくはこの世界で全力投球しようという意欲を感じました」 ただ、投資家の顔も持つ西久保氏だけに「売却説」が消えないのも事実。まずは4月の札幌就航が一つのヤマになりそうだ。 (AERA編集部・後藤絵里) (AERA発マネー 2006年3月6日号) http://www.asahi.com/business/aera/TKY200603090215.html墜落 JAL機墜落事故 Skymark Airlines Co., Ltd H.I.S エイチアイエス HIS スカイマークエアラインズ株式会社 東京都港区浜松町1-30-5 浜松町スクエア12階 井手隆司 不破義夫 有森正和 安全運航への取り組みwww.skymark.co.jp 鹿児島 徳島 B767 新千歳 SKY 羽田 エア・ドゥ JAL ANA 西久保愼一 by deracine69 | 2006-03-06 00:00
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