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【密約】非核三原則は見直さず 何のための調査だったのか (3/3ページ)
日本有事に米軍が救援にくる際、核搭載艦船や航空機の展開を除外するよう日本側が提起できるのかという問題もある。
その際日本が安保条約に基づく事前協議を持ちかけても、核兵器配備の有無を対外的に明らかにしない「NCND」政策を取る米国が応じる可能性は少ない。いまの状態を放置すると、新たな「密約」へとつながる危険すらはらんでいる。
東アジアの安全保障環境は、朝鮮半島に冷戦構造が残る上、北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の急速な軍拡で、密約が結ばれた昭和35年当時よりも厳しさを増している。
外務省や防衛省の当局者からは、米国の「核の傘」による抑止力を維持する観点から、「密約解明を機に有事に限定して核持ち込みを容認する『非核2・5原則』に改めるべきだ」との声も出ている。
今後の日本の安全保障政策の行方を見据えず、今回の調査が密約の存否だけを論じ、「旧政権の密約を暴くことだけが目的だった」としたら、あまりにむなしいと言わざるをえない。(赤地真志帆)