2010年3月9日 18時40分更新
全国のニュースでもお伝えしていますが、核兵器を積んだアメリカ艦船の寄港を容認することなど、日米の密約問題について、検証してきた有識者委員会の報告書が提出されました。
検証された密約のうち、最大の焦点となっていたのは、安保改定にあたって、核兵器を積んだアメリカの艦船が、事前協議なしに日本の港に寄港したり、領海を通過することなどを容認した密約です。「核兵器を持ち込ませず」などとした非核3原則との整合性が問題となりましたが、歴代の自民党政権は一貫して密約はなかったと否定してきました。
しかし有識者委員会の報告書は、冷戦という国際環境や日本国民の反核感情がある中で、日米双方にこの問題をあいまいなままにしておくという「暗黙の合意」があったとして、広い意味での密約が存在したと指摘しています。
有識者委員会が、日米双方に「暗黙の合意」があったとして広い意味での密約が存在したと指摘したことについて日本被団協・日本原水爆被害者団体協議会の代表委員で、広島県被団協の坪井直理事長は「日本は唯一の被爆国として被爆の問題を念頭に置いてきたはずなのに、事故がいつ起こるかもわからないような危ない行為を暗黙のうちに了解するなんてもってのほかだ」とした上で、「被爆者の願いである非核3原則の法制化を政府に求めると同時に、アメリカにも、日本の非核3原則は大事なものだという認識を持ってもらいたい」と話していました。
もう1つの広島県被団協の金子一士理事長は「これまで政府があったものを『ない』と偽造してきたことは本当に恥ずかしい。これを機に日本政府は非核3原則を法制化してほしい。そうすれば日本政府は国際社会から信用され、被爆者たちの悲願である核兵器の廃絶につながると思う」と話しています。