【第116回】 2010年03月04日
呆れた言論封殺に、姑息な見出し変更
日本の新聞に未来などない!
筆者は、過去2回のフォーラムにおいて、「記者クラブ」をアジェンダ設定の中に入れるよう、繰り返し主張した。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000056236.pdf
その結果、今回のフォーラムの冒頭に配布されたアジェンダ文書には「記者クラブ」がきちんと盛り込まれたのだ。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000056226.pdf
ところがこの日、既得権益にしがみつく「抵抗勢力」はそれをアジェンダから外すよう繰り返し発言したのだ。
孫正義氏ツイッターから
広がった新聞協会批判の渦
筆者に発言の機会が回ってきた。まず、座長の進行方式に対して疑義を呈した。その上で、「言論封殺」を行なった日本新聞協会の横暴に対して、抗議の退席を行なったことを明かした。
もしかしてこのフォーラムは「国民の権利保障」を謳いながら、その実は「記者クラブの権利保障」を話し合おうとしているのではないか。
怒りの収まらない筆者は、その夜、欠席していたオブザーバーの孫正義ソフトバンク社長にツイッター上で会議の様子を報告した。
〈記者クラブ問題。アジェンダから外してほしい、という意見が各構成員から続出。しかも日本新聞協会のヒアリングでは、記者クラブに関する質問の事前差し止め。言論の自由を話し合うフォーラムなのにいきなりの言論封殺、と本日欠席の孫正義さんに軽やかにチクってみる〉
(http://twitter.com/uesugitakashi 上杉ツイッター)
仮にこれまでのこうした政府関連の会議であるならば、筆者の今回のような言動は、欠席した同志に伝えられることなく、すぐに抹消されたであろう。ところが、今回は違った。
ツイッターを代表とするメディアの登場によって、即時の連携が可能になり、さらに「抵抗勢力」の横暴を世に知らしめることもできるのだ。その強力なメディア、とくに15万以上のフォロワーを持つ孫氏のツイッターからの返信の影響は小さくなかった。
〈特定の記者以外に参加資格を与えない記者クラブの人々に「言論の自由」を語る資格無し。カルテルは、法律違反〉
(http://twitter.com/masason 孫ツイッター)
筆者のツイッターのTL(タイムライン)に日本新聞協会の言論封殺を批判する言葉が連なった。だが、現実政治はそれほど甘くない。記者クラブ側の陽に暗に繰り返される抵抗は続いた。
〈総務省に指示をして調査をしている記者クラブの開放状況。そろそろ調査結果が出てくると思います。枝野さんが内閣に入ってくれたので、様々な改革を実現する道筋を立てやすくなりました〉
(http://twitter.com/kharaguchi 原口ツイッター)
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著者プロフィール
- 上杉隆
(ジャーナリスト)
1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。「宰相不在 崩壊する政治とメディアを読み解く」「世襲議員のからくり」「ジャーナリズム崩壊」「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」など著書多数。最新刊は「民主党政権は日本をどう変えるのか」(飛鳥新社)。
この連載について
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