青森放送局

2010年3月9日 13時43分更新

六ヶ所村に高レベル放射性物質


国内の原子力発電所の使用済み核燃料をイギリスで再処理したあとに残った「高レベル放射性廃棄物」を積んだ輸送船が、9日午前、六ヶ所村に到着しました。

海外で再処理して発生した高レベル放射性廃棄物の日本への輸送は、フランスで処理した分はすでに終わっていますが、イギリス分の輸送は今回が初めてです。

国内の電力会社10社は、プルトニウムを取り出す再処理を行うため、9年前までは使用済み核燃料をフランスとイギリスに運んでいて、再処理したあとに残った高レベル放射性廃棄物については青森県六ヶ所村に運び、一時的に保管することになっています。

9日運ばれてきたのは、東京電力や関西電力など国内4社の原発の使用済み核燃料をイギリスで再処理したあとに残った高レベル放射性廃棄物およそ14トンで、午前8時半ごろ、六ヶ所村のむつ小川原港に到着しました。

フランスで処理された高レベル放射性廃棄物は、すでに3年前までに六ヶ所村の施設に運び込まれていますが、イギリス分の輸送は今回が初めてです。

現在、大型クレーンを輸送船の隣まで運ぶなど、廃棄物の陸揚げに向けた準備が行われていて、このあと午後、貯蔵施設に運び込まれます。

9日の輸送に合わせて、港のそばの国道沿いでは市民グループのメンバーが「青森を核のゴミ捨場にするな」と書いた横断幕を掲げて、抗議活動を行いました。

イギリスからの高レベル放射性廃棄物の輸送は今後10年ほどにわたって続きますが、フランスの分や日本で発生する廃棄物と同様に、最終処分地が決まっていないという課題が残されています。