09年の書籍市場は1兆1560億円。成長する「ライトノベル」ORICON BiZ1月29日(金) 11時52分配信 / エンターテインメント - エンタメ総合
2009年度の書籍全体(コミック、一部雑誌扱い書籍含む)の総売上は13億1064万部、1兆1560億円となった。 その内、BOOK(総合書)の総売上部数は5億9277万部、売上金額は7493億円で全体の64.8%を占める。 文庫の総売上部数が2億1544万部、売上額は1362億円で全体の11.8%。コミックの総売上部数5億243万部、売上額2705億円で全体の23.4%なった。文庫、コミックではテレビドラマ化、劇場用アニメなどの原作本が好調なセールスをみせ、映像化を契機に売上規模を拡大させる作品が目立った。 【図表】2009年度 書籍市場規模 ■コミック『ONE PIECE』独走!シリーズ年間売上1472.1万部 コミック部門では単巻での売上に加えシリーズ単位の売上でも『ONE PIECE』(集英社)が独走。年間を通しても例年以上にシリーズ全巻の売上が良好だったことからシリーズ全巻合計で1472.1万部と唯一1000万部台を記録している。さらに年末の映画公開の一大ムーブメントによってさらに勢いづいている。こうしたメディアミックスで売上を拡大される作品が多いなか中村光『聖☆おにいさん』(講談社)のコミック単独でのブレイクが際立っている。現在まで4巻が発行され、09年での売上合計は261.4万部である。 ■売上シェア8.5% 今後の成長ジャンル「ライトノベル」 アニメなど映像作品の原作として注目を集めているライトノベルの売上が好調だ。09年の文庫ライトノベルの売上規模推定は1890.4万部、115億円で、文庫部門の推定総売上に対して部数で8.8%、売上額では8.5%となる。ライトノベルは映像化、コミック化などのメディアミックス展開しセールスを伸ばしている。今後の成長ジャンルとして注目される。 ■売上3部門のバランス良く講談社が年間シェアトップ 出版社単位の売上実績は、書籍・コミック・文庫総合では講談社が968.3億円を売り上げ、8.4%のシェアでトップ。集英社は売上部数ではトップのシェアとなるが、書籍・コミック・文庫のバランスの取れた講談社に対して集英社の売上の中心が安価なコミックであることから金額ベースでは2位という結果になっている。 部門別では、書籍は講談社をトップに、学習研究社、小学館と続く。講談社売上は東野圭吾や西尾維新の文芸書ベストセラーを中心に実用書・教養書まで幅広い作品が実績を支えている。また、学習研究社は教養・実用・児童書等の幅広い商品ラインナップが強みとなっている。 コミック部門では「週刊少年ジャンプ」作品を擁した集英社が売上688.1億円と11.0%という高いシェアでトップ。『ONE PIECE』や『NARUTO-ナルト-』『NANA-ナナ-』など単巻売上100万部クラスの作品の多さが強みとなった。また『聖☆おにいさん』や『FAIRY TAIL』のブレイクによって講談社が2位となった。 文庫部門では、道尾秀介『向日葵の咲かない夏』のヒットをはじめ、伊坂幸太郎作品の売上も好調だった新潮社が157.1億円でトップとなった。新潮社のシェアは1.4%で、続く角川グループパブリッシングと講談社はともに1.1%、文藝春秋は0.8%と各社拮抗状態である。そうしたなかライトノベルを中心に展開するアスキー・メディアワークスが5位に入る健闘をみせている。 【調査概要】 対象期間:2008年12月29日〜2009年12月27日 書籍を販売している全国の書店およびWEB通販などの売上データを基に、算出したものです。調査協力店は全国書店1717店舗(旭屋書店、アニメイト、Amazon.co.jp、紀伊國屋書店、くまざわ書店、コミックとらのあな、三省堂書店、三洋堂書店、セブンネットショッピング、TSUTAYA、戸田書店、明屋書店、フタバ図書、丸善、漫画全巻ドットコム、未来屋書店、八重洲ブックセンター本店、有隣堂、楽天ブックス、リブロ、WonderGOO ほか) 【関連】 09年度 年間マーケット概況 映像ソフト編 09年の映像ソフト市場2737億円。前年比106.4% (10年1月22日) 09年度 年間マーケット概況 音楽ソフト編 09年の音楽ソフト市場3523億円。前年比91.0% (10年1月15日) 2月1日付週間マーケット概況 音楽ソフト編 先週に引き続き、今週もオーディオの不振を音楽DVDが補完に (10年1月28日) 2月1日付週間マーケット概況 音楽・映像編 THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのDVDボックスが売上額トップに (10年1月27日) 1月25日付週間マーケット概況 映像ソフト編 「音楽」、「映画」が好調で、前年比は123.5%に (10年1月22日)
|
|