■とある海の近くの住宅街
ココは外国?はたまた近くにある東京ディズニーランドのファンタージーランドか?そういえばこの街を走ってるバスもなんだか普通のバスじゃない。コンビニや銀行ですらいつも見慣れてるヤツじゃない。あれれ?一体自分はどこにいるんだ??
うん。確か日本のはず。しかも会社からもそんなに遠くに来てはいないハ・ズ・ナ・ン・ダ・ケ・ド・・・
そこに姫が登場。ん?でも姫じゃないぞ。よく観察すると町中の若者と知り合いらしい。という事はこの街のボスか?ボスはボスでもギャングのボスではなさそうだ(ホッ)。 |
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きちんと説明しましょう。 場所は、千葉県の幕張ベイタウン。
姫(?ボス??)は片瀬那奈。
町中の人と知り合いなのは、プロモーションビデオの撮影の為に招集されたエキストラだから。 でもプロモーションビデオをみてこの冒頭部分の様な感じを受けませんか?もしそんな印象ならこのプロモーションビデオは大成功!なのですがどうでしょう??? |
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このプロモーションビデオをみて何か気づいた事はありませんか?実はこの撮影、1シーンで行っているのです。つまり曲の始めから終わりまでカメラはずーっとREC状態。だから誰かが1ヶ所でも間違えるとNG。そして片瀬の動き、エキストラの動きは計算し尽くしているのです。
朝から始める予定だった撮影がセッティングに少し時間がかかり11時頃からスタート。 |
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まず最初は、カメラテストといってRECせずに動きの確認。「1サビではココにいる」だとか、「ココではこんな動きをして下さい」などと監督との打ち合わせ |
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特に片瀬は、ここで初めての打ち合わせとなる為監督と念入りな打ち合わせ。
実際にコースを歩きながら、時には、足を止めて片瀬の演技に細かい指示
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エキストラに演技を付けているのを見守る片瀬。
ポイント・ポイントでエキストラとの絡みや本人の演技を決めていきます。
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最後の車に乗りながら歌うというシーン。車に乗り込む瞬間も、停車している車が発進するときももちろんカメラは回りっぱなしの為、念入りなテストを繰り返しました |
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テストが終わり、じゃあ1度本番にいきましょう!という事になり、スタート位置へ。
この日は、前日などと比べて比較的暖かい日ではありましたが、片瀬はかなりの薄着。凄く寒そう…
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■ 片瀬がこんなに薄い衣装を着ているのには、ディレクターの【春らしい映像が欲しい】という注文から。PV撮影には季節感が大事だったりするのですが、【今の季節】とは無関係に(大体先読み)アーティストはそのディレクターが欲しい季節の格好をする羽目になるのですが…
さっきも書いたとおりこのPVは1シーンでの撮影。監督の「スタート!」から「カット!」と言う間は1曲分と同じ長さ。そして自然な感じを演出する為、沢山のエキストラを使い、街の雰囲気をそのままフィルムに焼き付けていきます。カメラに写っている物は全て用意され、計算され尽くした【物】のみ。レンズももちろん広角の物を使用し普段のPVではあり得ないほど広い部分が写り込むのです。
この場合、季節はずれの衣装を着ているのは何も片瀬本人だけではなく写る人は全員【春らしい格好】をするのですが、スタッフはもちろん【冬】の格好。
そう絶対にカメラに写ってはダメ!!!! なんですねぇ。少しでも厚着をしているスタッフが入ったらそこでNG!になってしまうので、スタッフ周りには緊張感が…
そして案の定1テイク目は、スタッフが写り込んでいた為NG。この関係のない物がカメラに写り込む事を「バレてる」とか「見切れてる」とか言うのですがこの撮影はいつになくスタッフ同士の「オイ!バレてるぞ!!」なんて鋭い声が飛び交っていました。エイベックスチームも撮影風景を取る為にギリギリまでカメラを回しているのですが、その後ダッシュで物陰に走り込んだり、隠れたりと大忙し。1テイク目こそは「見切れて」いた為NGが出ましたが、回数を重ねていくごとにカメラの動きもつかめてきました。って言っても誰が「見切れて」いたのかは内緒です(笑)多分エイベックスチームではないはず… |
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※共演者 |
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※撮影風景
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この日、何度かエキストラの動きをいじったり、片瀬本人の動きを調整したりして取ったテイク数は5。
特に片瀬と絡むエキストラに関しては何度か動きを変更したり、元に戻したりと大変でした。 |
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片瀬はというと自ら「(エキストラと)もっとコミュニケーション取ってこよう!なんせ私は町長だから(笑)」なんて言ってみんなと話していました。こういう気遣いさすがだと思いませんか?なかなか出来る事じゃないですよ。 |
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PVで使用しているのは、最後にとったテイクのもの。
朝から始めた撮影もこのテイクの前で4時前。陽が落ちては撮影は出来ないので、この時点で次が最後になるだろうと思われ、「では、もう1度撮りましょうか。みなさん宜しくお願いします!」という監督の声が掛かった時は、他のテイクとは違う緊張に包まれていました。
そして取れた映像がこのPV。屋外で撮るということは、人間ではどうする事も出来ない事というのがあります。風・雲・そして光。こういった自然界のモノが吉と出るか、凶と出るかは偶然に頼るしかないのです。そう「人事を尽くして天命を待つ」といった所なのですね。それが全てうまくいったのがこのテイクだったわけです。
どうですかこのPV?
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