警官による飲酒運転ひき逃げ事件を受け、全国で初めて職員の飲酒問題に特化した対策を進めている福岡県警は8日、アルコール依存症や、節酒が必要な職員9人を「要支援職員」に指定した、と発表した。飲酒問題専従の「職員支援係」を新設し、組織を挙げてアルコール依存症の早期発見や治療の支援を行う。
要支援職員の内訳はアルコール依存症3人と、節酒が必要な職員6人。今年2月に指定した。「若いころから多量に飲酒していた」と話すケースが目立つという。依存症の職員のうち1人は既に復職、2人は入院を経て自宅療養中。
節酒が必要な6人は通常通り勤務しているが、上司が監督しにくい3交代制職場から配置転換したり、通勤手段を車から公共交通機関に替えさせたりした。上司が本人や家族と定期的に面談しながら、ビールであれば週に中瓶10本以内に量を減らす取り組みをしており、酒量が4分の1近くになった職員もいるという。
県警は、警務部に設置する職員支援係(5人体制)を軸に対策を講じる方針。少なくとも年2回、警部以下の全職員を調査し、依存症の疑いがある場合は医療機関へ受診させる。依存症などと診断されれば要支援職員に指定し、酒量を減らす取り組みを行う。
また、多量飲酒の傾向がある職員を対象に、医療機関に委託して節酒を目指すセミナーも開く。
=2010/03/09付 西日本新聞朝刊=