STORY 開発秘話

エビデンス開発秘話(2) 「SIN EVOへのチャレンジ」
 世界最先端の次世代アーキテクチャ + EVOで培った芸術性
  これがエビデンスの真実


◆ まったく新しいチューニングノウハウが決め手だった

Q:三層構造独自のチューニング手法がわかれば、「表現力」や「芸術性」の再現は、まったく問題なく実現できたのですか?

A:世界でもトップクラスのアーティストの方々と一緒に仕事をさせていただきたEVOシリーズの頃には、すでに二層構造を使った基本的なチューニングノウハウはたまっていました。

三層構造の技術的な問題点がクリアー出来た後は、三層構造特有のパワフルな特性にチューニングノウハウを合わせる事が今回の最大の難関でした。

先ほども言いましたが三層構造は非常にパワフルな特性を持ち、新たな可能性に満ちた先進技術です。素材も技術も画期的なら、値段も非常に高価なものです。従来のチューニング概念にとらわれて、せっかくのパワフルな特性を生かし切れないようでは新たに開発する意味がありません。

技術的な問題がクリアー出来た後は、ひたすら表現力の改善に努めました。

「低域が早くて高域が遅い」とか、その逆もあってはいけません。中、低、高のバランスも、どの部分も主役でバラバラにならないようにしました。どこかが足りなくても出っ張ってもいけないのです。

「細かい繊細さ」や「空気感」が出ていながら、「力感」、「張り出し」も出ていることが大切なのです。

その為には、三層構造独自のチューニングノウハウの構築が決め手だったのです。


◆ チューニングノウハウの構築ノウハウはすでに確立されていた

Q:三層構造独自のチューニングノウハウの構築と一言で言っても、かなり困難なことだと思うのですが。

A:確かに困難ではありました。しかし、これまでの経験から「ノウハウの構築方法」もある程度出来ていたのも確かです。

例えばSHT(小径円筒構造)を使ったケーブルが出来た時も、同じ状況でした、

あの当時も、ケーブルの性能、例えば「ひずみ」「周波数特性」は変わらないと考えていました。ケーブルの素材やスペックだけでは差別化出来なくなったのです。そこで多くのメーカーは、「表現力」「芸術的」「ダイナミズム」「音の強弱」「情報量」「レンジ」「色彩」と言われるもので「差」を出そうと模索していました。

当然、それらの特徴を出すためには、表面積の確保が重要となります。しかし、表面積を増やすとマイナス面も出てきます。これをバランスさせることに成功したのがSHT構造でした。

しかし、考えてみるとSHT構造とは一つの「技術的な土台」にすぎなかったのです。SHT構造を使って、どうれだけ「芸術性」を出せるかがユーザーにとっては重要だったのです。

それまでも、「芸術性」は追い続けてきたのですが、SHT構造というアーキテクチャと、その上で実現される「芸術性」をはっきりと別けて考え、「芸術性」を極限まで追求するために一流のアーティストの方々に協力いただいて出来たのがEVOシリーズでした。

これらの経験の中で、「アーキテクチャの進化」と「芸術性を追求したチューニングノウハウ」という2つを組み合わせた「ノウハウの構築方法」も自然と出来上がっていたのも事実です。


Q:「ノウハウの構築方法」としては具体的にどんなものですか?

A:例えば、当社の場合、まずAC(電源ケーブル)を作る事が多いです。これも理由があります。

ACを最初に作る一番大きな理由は、より技術的な要素が大きいからです。その為、他に応用がしやすく、ACが出来ればSP(スピーカーケーブル)やLINE(ラインケーブル)を作る基礎技術が確立できることになります。

次にACの場合、「差」の確認がやりやすい事です。

さらにACの場合、法的な規制があります。安全性に求められる高度な技術ラインをまず最初にクリアしてしまうのも、技術力の確認として重要だと考えております。

そこから先の細かいノウハウに関しては、話すと長くなるので今回はこのへんで割愛させていただきます。


◆ エビデンスはSIN EVOを遙かに超えなければいけない

Q:チューニングの最終確認としては、誰かに聞かせて意見等を求めていますか?

A:EVOの時は試作品が出来た段階で多くの人に聞いていただきました。今回は画期的なものだったので、途中段階ではほとんど誰にも聞かせていません。密かに進行されていました。

完成品に関しては、本当にわかる人にだけ聞いて頂きました。「本当にわかる人」と言うと偉そうに聞こえるかもしれませんが、本当に特定の方だけです。

理由は、「SIN EVOとの差がどれだけ感じられるか?」が知りたかったからです。

普通のケーブルと比較すると、誰でもが「その差」を感じられると思います。でも、それはエビデンスでなくても、SIN EVOでも同じです。しかし、エビデンスはSIN EVOの何倍もの素材と技術を使って開発されたものです。「一流のアーティストが情熱の限りをつくして作成したSIN EVO と、新たなアーキテクチャに挑戦したエビデンスの差」がどのくらい感じられるかが問題だったのです。

その為、日常的にSIN EVOを使っていて、「その差」がわかる限られた方だけに試してもらったのです。

反応は、予想以上でした。

「表現力があまりにもよくなった。」「色彩が鮮やか」「バンドが広い」「暗い色から明るい色まですべてを鮮やかに表現出来た。」「透明感がすごい」「ノイズがさらに少なくなった感じだ。」と言われまいした。

予想より2~3割良かった印象があり、ホットしたのを覚えています。

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