2010.2.24 05:00
プリンストン大学で歴史学と政府系機関の政策を研究しているジュリアン・ゼライザー教授も、米政府が国内メーカーの利益を優先させることはないとみている。同教授は「政府がGM株を買い上げたのは国内経済を支えるためであり、株主として恩恵を受けたかったわけではない。米国にもトヨタとかかわりのある人は多いのだから、政府としてもトヨタには健全でいてもらわなければ困るはずだ」と分析した。
◆「魔女狩りレベル」
しかし、トヨタを擁護する側の疑念は消えていない。現在トヨタが生産を停止している工場のあるケンタッキー州スコット郡の幹部ジョージ・ラスビー氏は、不具合を引き起こしたメーカーに対し、過去の政府はもっと控えめな対応をとっていたと主張。「突如としてトヨタへの風当たりが強まった。これ以上危険なものは他にないとでもいうように」と不信感を隠さない。インディアナ州のダニエルズ知事も「魔女狩りと言っていいレベル」と話す。
24日の米下院監督・政府改革委員会では、豊田章男社長が出席し、リコール問題について説明するのに続き3月2日には上院委員会での公聴会が行われる。米メーカーとの利害がリコールの調査に影響を及ぼす可能性についてトヨタの広報担当者は「目前の公聴会に集中している」と述べるにとどめた。(ブルームバーグ John Hughes、Theo Francis)