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連日日本のマスコミに取り上げられてきた中国の「反日」行動、鎮静化に努めてきた中国当局の「成果」があらわれてきているようだ。 在日華僑4世である私は、幼少より常に日中関係のいろいろな動きに影響を受けながら生きてきた。私の両親は「周りの日本人はあなたを通じて中国を感じ、理解する。したがってあなたは大使よりも重要な責任を負う事もある」と言っていた。もちろん幼いころにはその意味を理解していた訳ではないが、長じてからはしばしばその「責任」を痛感することがある。 先日来の中国の反日デモが「暴徒化」して、日系企業や日本食レストランに投石や破壊行為をしたことに、私も不快感を感じているし、被害にあった人々に同じ中国人として申し訳ないと思うと同時にそうした行動におよんだ不心得者に強い憤りを感じる。 昨年のサッカーアジアカップの騒動のときもそうであったが、今回も何人かの日本の「友人」が私に中国当局や中国のマスコミの対応についての見解を聞かれた。おおむねその論調としては「デモ隊をどうして規制しないのか。マスコミはなぜ報道しないのか」などです。私に詰め寄られてもどうしようもないのだが、根気よくその話は聞くことにしている。 しかし駐日の中国公館に日常的に嫌がらせや火炎瓶を投げたりという行為はしばしば行われているが、日本の警備当局もそれなりに努力しているし、報道されることもあまりない。社会主義国では、知らせないほうがよいことは知らせない。それが善いか悪いかはともかく、日本の報道の場合は、同じ場面のビデオを繰り返し流し、さも中国全土が混乱しているような印象を与えているような気がする。 かつての第1次湾岸戦争の油まみれの水鳥の映像とか天安門事件の装甲車に向かう人の映像であるとか。確かにそれも事実(水鳥は捏造であった)だが、その一方に隠れた多くの事実があることも見逃してはならないと思う。今回私も中国の知人数人に電話したが北京も上海もみな平穏で「反日」の動きをしている者は、ごくごく少数であるとのことである。 中国当局も5月4日に向けて「反日」デモを計画していた団体の幹部を「拘束」したと一部日本の報道機関が伝えているが、規制しようとしていることは事実であろう。 靖国問題もいろいろ議論されているが、多くの日本人自身あの神社の歴史を知らないことや、現在もどのような思想信条に基づいているのか、ぜひホームページをのぞいて見られることをおすすめする。 靖国神社HPはhttp://www.yasukuni.or.jp/ |