大分銀行は8日、小倉義人頭取(66)が会長となり、姫野昌治(しょうじ)専務(57)が頭取、小金丸重成常務(58)が専務、鈴木崇之取締役監査部長(58)が常務に、それぞれ昇格する人事を発表した。高橋靖周会長(75)は相談役に就く。約5年ぶりのトップ交代で、3代続けて生え抜きの頭取が誕生する。代表権があるのは小倉氏、姫野氏、小金丸氏の3人。4月1日付で新体制をスタートさせる。
大分銀行の頭取は、過去に木下常雄氏、小尾知愛氏、安藤昭三氏と日本銀行の出身者が3代続き、以降は1998年に高橋氏、2005年に小倉氏と、内部から起用されていた。姫野氏は大分市出身。慶応義塾大学経済学部を卒業し、75年に入行。勢家、杵築両支店長、経営監査、審査両部長などを経て、05年に取締役本店営業部長、06年に常務となり、08年から現職。
急激な景気悪化に伴う取引先の業況悪化や予防的な貸倒引当金の増加などにより、前期は銀行単体で232億円の赤字となった。今期は40億円の黒字の見通しで、「継続的に利益が計上できる経営体質が構築できた」と判断。また公募増資などで206億円を調達し、経営基盤を強化。業務改善命令を受けるなど課題となっていた「内部管理態勢の確立にもめどがついた」として、経営陣の若返りを決断した。
姫野氏は融資の可否を決める審査部門に明るく、情報の分析力や決断力に優れているとされ、小倉氏を支えながら経営手腕を磨いてきた。今期は役員の改選期(1期2年)ではなく、小倉氏の続投とみられていたが、「変化の激しい時代を乗り切るには、50歳代の若いリーダーがふさわしい。6月の株主総会後より、4月からの期初の方がタイミングが良い」(小倉氏)と交代時期を早めた。
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