◇…スポーツ報知の購読申し込みは、フリーダイヤル 0120-16-4341(イロ ヨミヨイ) まで…◇
◇…過去の記事は、ご使用のプロバイダのデータベース・サービスをご利用ください。…◇
文字サイズ100%
◆オープン戦 ソフトバンク5─7巨人(7日・福岡ヤフードーム)ありったけの力を伝えた。十分な感触とともに、ソフトバンクの李●浩(イ・ボムホ)がバットを放り投げた。「思い切って振るつもりでした」。途中出場で迎えた7回2死二塁だった。4球目。小林の143キロ、真ん中低めの直球をすくい上げた。
大きな放物線が、バックスクリーン左に突き刺さった。オープン戦31打席目で生まれた“来日1号”は130メートル弾。ベンチに戻ると、仲間から祝福を受け、最後には同い年で仲良しの川崎と抱き合った。「練習の量も多かったし、その成果だと思います」と、表情を崩しながら胸を張った。
V奪回のキーマンとして、韓国・ハンファから新加入。ところが日本野球に対応できずに、キャンプ中の紅白戦、練習試合6試合で打率2割1分4厘、0本塁打、2打点と散々。韓国通算160発とは思えない内容だった。しかも三塁を争う松田が好調と、悩める日々を過ごしていた。
そんな姿を見たチームメートや関係者から救いの手がさしのべられた中で、忘れられない言葉があった。「言葉、文化の違いもあるんだ。周りのことは気にせず、自分のペースを守ればいい」。王会長からだった。「尊敬しています」というあこがれの存在からの“言葉”が、失意の胸に大きく響いた。
この日、李のアーチを見届けた王会長は「この時期に出たのが一番。すごいホームランだったね」と目尻を下げた。主砲の松中が復帰。松田を含めた定位置争いは激化するが「適応していかなきゃ生きていけませんから」と語気を強めた。開幕まで2週間。助っ人砲に自信が戻った。
●は木へんに凡
(2010年3月8日10時43分 スポーツ報知)