部落解放同盟に遠慮して報道統制を行なっているのであれば、大手マスコミの見識を疑わざるを得ない。
生徒の父親に“人権を侵害する文書”を送付したとして、脅迫と偽計業務妨害の疑いで福岡県久留米市立南筑高校の教諭が逮捕された事件は、大手マスコミのバイアスがかかった報道だけでは内容が判りにくい。以下はその一例。
産経新聞2月21日19時37分配信記事↓
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教諭が生徒宅に「差別はがき」 福岡
(http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100221/crm1002211938007-n1.htm )
生徒の父親に対して人権に関する差別的な内容を記したはがきを郵送したなどとして、福岡県警久留米署は21日、脅迫と偽計業務妨害の疑いで、久留米市立南筑高校教諭、吉田威容疑者(37)=同市国分町=を逮捕した。同市教委によると、生徒の喫煙問題で教諭と父親の間でトラブルがあったという。
逮捕容疑は、昨年9~10月、「死んでしまえ」などと書いたはがきや手紙計6通を父親あてに郵送して脅迫。父親から相談を受けた市教委は対策会議を約20回開くなど通常の業務を妨害されたとして、昨年9月下旬、同署に被害届を出した。郵便物はいずれも匿名だったが、学校関係者しか持っていない高校の制服カタログを使ってはがきを作っており、差出人が判明した。
市教委によると、吉田容疑者は生徒指導主事だったという。(以上引用)
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時事通信2月21日11時42分配信記事↓
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生徒の父に差別文書=高校教諭を逮捕-福岡県警
(http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date2&k=2010022100068 )
生徒の父親に人権を侵害する文書を送り脅迫したなどとして、福岡県警久留米署は21日、脅迫と偽計業務妨害の疑いで、同県久留米市立高校教諭吉田威容疑者(37)=同市国分町=を逮捕した。
同署によると、吉田容疑者は昨年9月7日から10月3日の間、生徒の父親(38)にはがきや封書で6回にわたり、人権に関する差別的な内容の文書を郵送して脅迫。久留米市に約20回の対策会議を開かせるなどし、通常の業務を妨害した疑い。容疑を認めているという。
久留米市教委によると、文書には「消えうせてほしい」「早く死ね」などと書かれていた。吉田容疑者は生徒の生活指導問題をめぐり、父親とトラブルになっていたという。(以上引用)
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他の大手マスコミも大体同じ記事内容である。漠然と「人権に関する差別的な内容」云々の表記でお茶を濁しており、その実態を正確に報道しようとする意欲が欠落している感を受ける。
しかしこの事件の詳細と犯行に関わる事情は、地元福岡の西日本新聞記事2つから多少窺い知ることが出来る。
西日本新聞2月21日6時44分配信記事↓
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生徒宅に差別文書6通 部落中傷「消え失せろ」 久留米の高校教諭 脅迫容疑などで逮捕
(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/153822 )
福岡県久留米市の高校の男性教諭が、同校男子生徒の父親あてに被差別部落を中傷し、「消え失(う)せてほしい」などと書いた内容のはがきや封書計6通を送り付けていた疑いが強まり、久留米署は21日未明、脅迫などの疑いで、同市国分町、高校教諭吉田威(たけし)容疑者(37)を逮捕、吉田容疑者が勤務する高校を家宅捜索した。捜査関係者によると、執拗(しつよう)な脅迫を受けた父親は体調を崩すなどしており、同署は「極めて悪質な差別事件」とみて強制捜査に踏み切った。
逮捕容疑は昨年9月上旬から10月上旬までの間、計6通の差別文書を生徒宅に送付して生徒の父親を脅し、同9月以降、久留米市教委に対策会議を開かせて本来の業務を妨害した疑い。捜査関係者によると、吉田容疑者は逮捕容疑を認めているという。
父親から相談を受けた部落解放同盟が市教委と同署に被害を申告。市教委はすでに対策会議を計17回開き、対応を検討している。
複数の関係者によると、送り付けられた文書には「いい加減(かげん)しょうてん(昇天)しなさい」などとワープロを使って書かれており、この高校に届いた封筒やはがきなどを再利用して郵送していたという。
学校関係者によると、吉田容疑者はこの高校に1995年に着任。昨年夏ごろ、この生徒の生活指導をめぐって、生徒の父親とトラブルになっていたという。家宅捜索された高校の校長は20日夜、「今は話すことはない。今後、教育委員会を通して対応する」と話した。
被差別部落を中傷する差別文書事件では、同県立花町(現八女市)の嘱託職員が2007年以降、被害者を装って差別的な内容のはがきを自分や町長あてに送り付け、町に対策会議を開かせたとする偽計業務妨害の罪で、昨年10月に一審で有罪判決が言い渡され、確定している。
市教委などは「立花町の事件が報道されていた時期と重なり、影響を受けてまねをした可能性もある」とみている。
■同和教育行政の形骸化
組坂繁之・部落解放同盟中央執行委員長の話 部落差別に限らず、あらゆる差別の根絶に向かうべき教育の現場での事件で、まさに驚きだ。本当に悲しいことで、断じて許せない。人権教育啓発推進法施行から今年で10年になるが、学校現場で法の趣旨が十分に浸透していない証拠で、同和教育行政の形骸(けいがい)化が表れている。(以上引用)
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西日本新聞2月22日13時41分配信記事↓
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差別文書郵送 校長「許し難い事件」 容疑者の高校 全校集会、生徒に説明
(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/154021 )
福岡県久留米市の高校の生徒宅に被差別部落を中傷する脅迫文書を送り付けたとして、脅迫などの疑いで、高校教諭吉田威(たけし)容疑者(37)=同市国分町=が逮捕された事件で、吉田容疑者の勤務先の高校は22日朝、全校集会を開き事件について説明した。午後には保護者への説明会も開く予定。
校長などによると、この日は期末試験が予定されていたが「事件による生徒たちの不安を考え、少しでも早く説明したい」と試験を中止し、急きょ生徒集会を開催した。
校長(59)は「今回の事件は部落差別を助長する事件であり、許し難い」とした上で、「人権を守る大切さを教え、生徒を守る立場の教諭が(差別文書を送った容疑で)逮捕され、みなさんに心配をかけて申し訳ない」と謝罪した。生徒たちは真剣な表情で静かに聞き入っていたという。
また、21日午後には約50人の全教職員を集めて今後の対応を協議。校長は「失墜した教育現場の信頼を回復していかなければならない」と呼びかけた。吉田容疑者が昨年夏ごろから、校長や同僚の教諭に対して、複数の教諭を中傷し辞めさせるよう求める脅迫文書を少なくとも6通送り付け、その行為を認めたことも説明したという。
差別文書事件をめぐっては、吉田容疑者と被害者(38)が昨年春ごろ、被害者の子どもの生徒指導をめぐり口論になったことが背景の一つとみられている。
事件を知らされた同僚の男性教諭は、取材に対して「逮捕容疑が事実として、差別文書で脅迫するという形でうっぷんを晴らすのは許されることではない」と語気を強めた。その上で「そこまで追い詰められていたのだとすれば、もっと周囲がケアしてあげるべきだった」と自らを責めるように語った。(以上引用)
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産経記事では「父親から相談を受けた市教委」となっているが、実際は西日本の「父親から相談を受けた部落解放同盟が市教委と同署に被害を申告」である。意図的に部落解放同盟の存在を隠蔽するが如き書き方には感心しない。
事件自体は、関東をはじめとする東日本の方には理解が難しいかも知れない。
しかし西方面の方ならば、西日本新聞の最初の記事中にある「執拗(しつよう)な脅迫を受けた父親は体調を崩すなどしており」という表現、そして二番目の記事の最後、「そこまで追い詰められていたのだとすれば、もっと周囲がケアしてあげるべきだった」という同僚教師の言葉から、容疑者対生徒の父親プラス解同の関係を思料することができる筈だ。
福岡の人間であれば、最初からプロ集団・解同を敵に回す奴はいない。しかし容疑者がこういう行動をとるに至った経緯を詳細に報じるのが、マスコミの仕事ではなかろうか。それとも、解同は法の埒外にあるアンタッチャブルな存在だから書かない…などと考えているのなら、解同に対しても失礼な話にならないか。
もう一つ、西日本新聞の最初の記事では、同時期の自作自演「立花町連続差別ハガキ事件」について触れている。そして最後に組坂中央執行委員長の談話を載せることで、何かを示唆しているようにも思える。これについては皆様ご賢察あれ。
昨年夏に私が書いた記事もご参考になる筈なので、以下に再掲する。
「~部落解放同盟の勢力が強い福岡県だが、特に福岡市は“解放区”とでも言うべき状態であるように感じる。選挙区で云うと福岡一区(福岡市東区、博多区)。
なにしろ部落解放同盟・福岡県連合会が博多区にあり、地元小選挙区選出の衆院議員は民主党の松本龍氏。松本氏は“部落解放の父”と称されている松本治一郎(衆議院議員、日中友好協会初代会長、部落解放同盟初代執行委員長)を祖父に、松本英一氏(参議院議員)を父に戴く名門世襲3世議員である。
しかも地元大手のゼネコン、松本組の代々オーナー(現在は顧問)で、2008年度の国会議員所得公開では、全国トップの8億4,366万円の所得という超セレブ。1サラリーマンの私から見れば、実に羨ましい限りである。
福岡の教育行政に部落解放同盟が介入しており、行政や教育委が何らかの形で了解していたりする事実は「なめ猫♪」さんのブログに詳しいが、いい後ろ盾があるのだろうか。
私が博多区千代(パピヨンプラザの向かい)に住んでいた頃、隣のビルが部落解放同盟・福岡県連合会だった。たまに目にしたのが、解同の「新規加入キャンペーン」というもの。いろいろと優遇措置があるようで、「いいなぁ…関係ない俺でも入れるのかなぁ」などと一瞬思ったりもしたものである。
そんな福岡一区なので、小選挙区制に移行したとき福岡市区の自民大物は皆ここを避けてしまったという話がある。~」
私自身はいわれのない差別が日本中から無くなることを願っている。そして何処とは言わないがもし、組織の維持と権益確保のために一定の差別を必要とする集団があるとすれば、それは悲しい話であると思う。
ちなみにこういった新聞記事が出ると思わず、民主党政権が国会に上程を画策している「人権侵害救済法案」(人権擁護法案)の援護射撃か? と考えてしまう時もあるのだが、気のせいだろうか。
by gurigurimomonga
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