|
【フリーモント(カリフォルニア州)=寺西和男】全米自動車労働組合(UAW)のボブ・キング副委員長は5日、朝日新聞のインタビューに応じ、トヨタ自動車が米ゼネラル・モーターズ(GM)と合弁で運営していた生産子会社「NUMMI(ヌーミー)」(本社・フリーモント)を閉鎖する計画に反対する考えを明らかにした。7日に訪日し、トヨタの豊田章男社長に面会を求め、運営継続を訴えるという。
キング氏は、カリフォルニア州の議員や地元経済界代表らでつくる派遣団の一員として訪日する。
NUMMIは1984年、トヨタとGMが合弁で設立した。経営破綻(はたん)したGMが昨年6月に運営から撤退を発表。トヨタも今年4月1日で生産を打ち切り、閉鎖する方針を決めている。
キング氏は、閉鎖について「地域経済への打撃だけでなく、米経済が厳しい中での閉鎖は日米の信頼関係も傷つける」と話した。米国で批判が強まるトヨタのリコール問題にも触れ、「今の環境での閉鎖は(トヨタにとって)よくない。運営を続けるのがより賢い決断だ」と、閉鎖方針の撤回を求める考えを示した。
キング氏はフォード・モーター出身で、4人いるUAW副委員長の1人。6月に改選予定の次期委員長に指名されている。