『内外タイムス』 |
後任田中氏の名も 「噂の真相」またヒット 京都小2殺害事件、新潟女性監禁事件、埼玉樋川女子大生殺害事件、最近起こった事件だけでも、警察の重大な失態が相次いでいる。それは個々の県警の問題ではなく、日本の警察機構全体の腐敗の表れである、との指摘を裏付けるような疑惑がまた新たに発覚した。きょう10日発売の「噂の真相」(3月号)が報じているもので、先月辞任した関口祐弘・前警察庁長官ら警察幹部が札つきの事件屋からたびたび接待を受け、企業とつながっていたというもの。田中節夫現警察庁長官の名前も取りざたされており、警察の根幹にかかわる重大な腐敗疑惑だ。 同誌によると、1987年、家電製品のディスカウントチェーン「マンデー」が、松下電器が出荷停止の圧力をかけるなどのトラブルを抱えていたため、社長は「東大法学部卒の元警察庁高級官僚」との触れ込みで接近してきた事件屋「天野寛」なる人物を相談役として迎えた。ところが天野氏金を引っ張るばかりで、トラブル解決どころか新たなトラブルが発生。そこで社長が元警部に調査を依頼したところ、天野氏の経歴は全くのでたらめで、新たなトラブルが同氏の仕業であったことも判明。告訴しようとしたが、対応した警視庁幹部らは逆に告訴断念を要請、結局事件は不問にされた。不審に思った元警部が調べてみると、この幹部らが天野氏から高級料亭などで接待を受けていることか分かった。さらに当時警視庁警ら部長だった田宮英一・元警察学校長が告訴断念を指示していたという。 天野氏の警察人脈はこれにとどまらず、歴代新宿署長ら幹部を接待づけにしては捜査情報をもらっていたという。天野氏の所有していた名刺のコピーには仁平国雄・元警視総監、垣見隆・元警察庁刑事局長、広瀬権・元大阪府警本部長、大高時男・元内閣調査室、山田晋作・元中国管区警察局長ら大物キャリアのほか田中警察庁長官の名前も。 さて関口前長官だが、天野氏の仲介で住宅メーカー積水ハウスや「マンデー事件」で登場する松下電器の接待に預かっていたとい小う。同誌は87年に関口前長官が天野氏と積水ハウスの受けている現場の写真を掲載、「天野の商法に最も協力していたといわれる人物」と断じている。 天野氏は今も警察関連施設に堂々と出入りしているという。これが事実とすれば、天野氏と関口前長官ら警視庁幹部との癒着は、収賄や国家公務員法違反に当たる組織的犯罪だ。ゴルフクラブ会員権疑惑、三和銀行や企業舎弟との癒着疑惑にほおかぶりしたままの関口前長官だが、今回の疑惑について釈明を求めた同誌に対し、いまだ回答していないという。辞任会見で「不祥事対策に一定の見通しがついた」と言った関口前長官だが、自分の足下だけは見通しをつける気はないようだ。 |