卒業論文を発表する桑田真澄氏=東京・早稲田大学早稲田キャンパス(撮影・村中拓久)
元巨人、元パイレーツで早大大学院スポーツ科学研究科修士1年制コースに在学中の桑田真澄氏(41)が6日、都内の早大・井深大ホールで同コースの「最優秀論文賞」を受賞した卒業論文の発表と表彰式に臨んだ。
野球界で輝かしい成績を残してきた桑田氏が、学問の世界でも栄誉を受けた。壇上で表彰状を手渡された桑田氏は、はにかんだ表情を見せた。
修士1年制の最優秀賞に選ばれた卒論のタイトルは『「野球道」の再定義による日本野球界のさらなる発展策に関する研究』。23年間のプロ生活の人脈を生かし現役プロ野球選手300人にアンケートを実施。体罰や指導者の資質などアマ野球の課題を明らかにした。
また野球の歴史を研究し、早大野球部初代監督の飛田穂洲氏が築いた武士道精神に基づく「野球道」を現代に見合う考え方に置き換えた。
「机に座ることが一番大変だった」と話すほど勉強漬けだった1年は、25日の卒業式で区切りを迎える。今後について「これで終わりじゃない。現場が好きだし、またユニホームを着たい気持ちは強い」。現場に復帰し、自らの研究を球界の発展に役立てる日は遠くないのかもしれない。
(2010年3月6日)