【社説】日本は「韓国に学べ」というが

 日本経済新聞は4日付紙面に「世界に躍進する韓国企業に学ぼう」と題する社説を掲載し、「韓国勢の強さを謙虚に受け止め、学ぶべきものは学ぶ必要があるのではないか」と指摘した。同紙は韓国企業の強みとして、大胆かつ迅速な経営判断、高付加価値製品を集中して投入する販売戦略、先進国をはじめアジア・アフリカを含む新興・開発途上国市場の攻略を挙げた。経済誌・日経ビジネスも最近、「日本製品を真似することから始まった韓国の製造業が、今や価格競争力と品質の面で日本を凌駕(りょうが)する力を備えた」と称賛した。

 1945年の解放以降、韓国は経済政策、産業技術、企業経営に至るまで経済運営に関するほぼすべてを日本から学んだ。半導体、造船、鉄鋼など現在の韓国を支える主力産業は、ほぼ大半が日本による技術指導と支援からスタートした。「日本に学び、日本に追い付き、日本を超えよう」というのが、韓国の長年の念願であり夢だった。

 しかし、現在は日本が「韓国に学ぼう」というほどまでに状況が変化した。DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)、半導体、テレビ、携帯電話、造船などの分野で韓国が日本をリードし、自動車、鉄鋼、化学などの分野でも両国の格差は縮まった。自動車産業で世界最高の技術力を誇るトヨタが現代自動車を分解し、品質とデザイン、便宜性などを精密に分析するほどだ。過去20年間で日本の国内総生産(GDP)は韓国の11倍から5.3倍に、一人当たり国民所得の格差は3.9倍が2.1倍に格差が縮小した。昨年の韓国の貿易黒字は410億ドルで日本を初めて上回った。

 韓国経済のこうした成果に対し、国民と企業は自負心を持ってよい。だが、ごう慢になってはならない。日本が「韓国に学ぼう」というのは、韓国の追撃に警戒心を抱いているためであって、実際に韓国が日本を追い抜いたと認めたわけではないからだ。韓国は昨年、日本を上回る貿易黒字を計上したが、対日貿易では270億ドルの赤字を出した。これは、輸出品に使用する重要な部品、素材の大半を日本から調達しているためだ。例えば、急成長している電気自動車用バッテリー市場で、韓国企業は頭角を現しているが、バッテリーに使う陽極材、陰極材、電解質、分離膜などの素材は依然として日本に追い付けずにいる。このため、米国市場や中国市場で稼いだ資金を日本との貿易で費やすといった状況になっているのだ。真に日本を追い越すためには、今後さらに日本に学ぶところが大きい。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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