米国で現地の高校生と交流し、初の街頭署名活動を行った「高校生一万人署名活動実行委員会」のメンバーが6日、長崎市の教育文化会館で帰国報告会を開いた。高校生たちは約70人の参加者に「原爆投下の正当化論が根強い米国でも人の心は動かせると実感した。米国での活動の大きな一歩になった」と語った。
長崎西高3年の成瀬杏実(あんみ)さん(18)と福岡県久留米市の久留米大付設高2年の福田綾子さん(17)や実行委OBの3人が2月6日から8日間の日程でカリフォルニア州を訪問。現地のダン高校で原爆展を開催し、同実行委が作成した被爆者証言DVDも上映した。映像を見て涙ぐむ米国人生徒もいたという。
ロサンゼルスでは核兵器廃絶を訴える街頭署名を行い、在米被爆者の証言収録も行った。
福田さんは「原爆を落とした米国で核の恐怖を伝えた。投下は正しくないと彼らの心に残ってくれていると信じたい」と語った。成瀬さんは「現地の高校生はきのこ雲の下の現実を知らない。被爆者の声を伝えることで核廃絶を考えるきっかけになれたと思う」と話した。
=2010/03/07付 西日本新聞朝刊=