中国の国防予算伸び率、22年ぶりに1けた台

 中国の全国人民代表大会(全人代)の李肇星報道官は4日、北京で記者会見し、2010年度予算案の国防費が前年度実績比7.5%増の5321億1500万元(約6兆9400億円)なると発表した。中国の国防予算の伸びが1けた台に低下したのは1988年以来22年ぶりだ。

 中国が国防予算の伸びを抑制したのは、金融危機対策で政府財政が圧迫されている上、過去数年間に中国の国防費が急増したことに対し、米国、インド、日本など周辺国が抱いている疑念や警戒心を解消するのが狙いとみられる。

 李報道官は「今年の全人代に提出された国防予算案は、昨年より7.5%増えたにとどまった」と述べ、国防費が予算全体に占める比率は前年並みの6.3%だと説明した。

 中国の国防費は過去20年以上にわたり毎年10%以上のペースで増え、2007年は17.8%、08年は17.6%、09年は14.9%の高い伸びを示していた。

 李報道官は「国内総生産(GDP)に占める国防費の割合は、米国の4%超、ロシア、英国、フランスの2%超に対し、中国は1.4%にすぎない」と強調した上で、「中国は07年から毎年、国連に国防費の支出内訳を報告しており、軍事費の透明性を引き続き高めていく」と説明した。

 軍事専門家の倪楽雄・上海政法学院教授(政治学)はAP通信に対し、「今年の国防費の増加幅が縮小したのは、中国が他国に攻撃的な軍事大国との印象を与えることを望んでいないことを示すものだ。金融危機で財政支出の削減が必要な理由もある」と述べた。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る