工事の騒音で牛にストレス、施工会社に賠償命じる

環境紛争調停委が決定

 牛が受けたストレスを金に換算すると、一体いくらになるのだろうか。工事現場の騒音により、ストレスを受けた韓牛(韓国伝統の肉牛)の成長が止まり、肉質が落ちたという主張が認められ、牛1頭当たり平均11万4500ウォン(約8900円)を支払うよう命じる決定がこのほど下された。

 中央環境紛争調停委員会は4日、京畿道利川市で韓牛を飼育しているYさんが、「周辺の道路工事による騒音で、牛がストレスを受け、肉質が落ちるなどの被害が生じた」として、建設会社D社を相手取って起こしていた損害賠償請求に対し、「施工会社はYさんに対し、計4656万ウォン(約364万円)を支払うように」と命じる決定を下した。調停委員会によると、Yさんが飼育していた200-300頭の牛は、道路工事が行われていた2006年以降、異常な行動を見せ始めたという。騒音が発生するたびに牛が驚き、十分にえさを食べられず、ほかの農家が飼育する牛に比べ体が小さくなってしまったというわけだ。騒音の被害がなかった近くの農家で育てられた牛の肉は、80%以上が1等と判定されたのに対し、Yさんが飼育した牛で1等と判定されたのは、50-60%にすぎなかった。

 調停委員会は決定の理由について、「Yさんが飼育していた牛が騒音によりストレスを受け、血圧の上昇、食欲の減退、神経過敏といった健康被害を受けたという事実が認められる。施工会社は、育成牛(13カ月未満の牛)74頭の成長の遅延と、工事期間中にと畜された333頭の肉質の低下について、責任を免れることはできない」と述べた。

朴恩鎬(パク・ウンホ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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