4月の鹿島市長選に立候補せず、今期限りの引退を表明した桑原允彦市長は5日の市議会で、一般質問への最後の答弁をした。5期20年を振り返り、九州新幹線西九州(長崎)ルート反対運動については「問題を通じ、自分たちの町のことを市民が憂い、考え、議論したことは非常に良かった」と穏やかな表情で語った。
国や県に抵抗を続けたことには「(JR長崎線を)守るべきだと議会で示され、私の考えとも一致していたのでまい進してきた。悔いはない。後世が評価してくれる」と述べた。新幹線計画の前提となるフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の実用化が不透明として「今から最後の勝負がある」と期待をのぞかせた。
=2010/03/06付 西日本新聞朝刊=