火災があった住宅。4人が死亡した=5日午前11時58分、群馬県伊勢崎市、朝日新聞社ヘリから、水野義則撮影
火災が発生した藤生さん方=5日午前11時すぎ、群馬県伊勢崎市境保泉、新宅あゆみ撮影
5日午前9時10分ごろ、群馬県伊勢崎市境保泉、石材業藤生一郎さん(53)方の木造2階建て住宅が燃えているのに近くの住民が気づき、119番通報した。約2時間後に鎮火。境署によると、焼け跡の1階と2階からは、男性2人、女性1人の計3人の遺体が発見された。また、女性1人が意識不明の重体で病院に運ばれたが、間もなく死亡が確認された。
【動画】住宅火災、4人死亡 群馬・伊勢崎同署によると、藤生さん方は藤生さんと妻(53)、長男(26)、長女(24)の計4人が暮らしていた。同署は亡くなった4人が、藤生さん一家とみて身元の特定を進めている。藤生さん方では、約3年前にも火事があったという。
現場は、東武鉄道伊勢崎線沿いの住宅街。
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火災があった住宅の近くに住む主婦(63)は「バン」という音を聞いた。直後に隣の家の人から「火事だよー」と知らされて、驚いたという。
午前9時半に出かけようとして、出火に気づいたという近所の女性(69)は119番通報をした。「なかなか消防車が来なかった。火の勢いが強くて、消防車を待っている間も何も出来なかった。救助されたところは見ていない」と話した。
別の女性は「黒煙が激しく上がっていて、こげくさかった。近くまで行ったら炎も上がっていて、消防車も5台以上、集まっていた。救助作業はとてもできるような状態ではなかった」と語った。藤生さん宅で以前も火事があったことを知る男性は「せっかく内装をきれいにして、また住んでいたというのに……」と言葉を失っていた。
登記簿などによると、藤生さんは石材会社「カントウ」(伊勢崎市)の社長を務め、息子も家業を手伝っていたという。同社は1995年9月設立。石材の輸入販売や霊園「前橋メモリアル みどりの郷」の管理をしている。霊園の管理事務所にいた社員は正午前、「社長の自宅が火事だ、と社長の友人から聞いたばかり。社長との連絡が取れず、心配しているところ」と話した。