「中絶を認めて」 女性・市民団体が宣言文発表

「子どもを育てられる社会環境の改善が優先」

 「女性に妊娠と中絶を許容すべき」「出産だけを強要するひどい世の中」

 韓国性暴力相談所をはじめ、20の女性・市民団体の会員約40人が5日、ソウルの清渓広場でプラカードを掲げ、「女性の妊娠・出産および身体についての決定権宣言文」を発表した。これらの団体は、宣言文を読み上げ、「妊娠と中絶、そして出産に関する決定権は女性にある。子どもを育てられる社会環境が整っていない状態で、出産だけを強要してはならない」と訴えた。

 マイクを手にした韓国性暴力相談所のイ・ユンサン所長は、「婚姻状態、年齢、階級、性のアイデンティティーに関係なく、すべての女性は避妊、妊娠、出産、中絶の権利を保障されるべきだ。社会・経済的理由による中絶を認めるべき」と主張した。

 女性団体はさらに、「プロライフの社会」が中絶手術を行う病院3カ所を告発したことで、実際に手術を行う病院が減少し、手術費用が高騰、海外への「中絶遠征」を考える女性もいるとの問題についても指摘した。

 「韓国女性の電話」人権政策局の関係者は、「中絶手術が廃絶される傾向にある中、約30万ウォン(約2万4000円)だった手術費用が現在、100万ウォン(約7万9000円)以上に急騰している。うちの相談所にも、『どこで中絶できるのか』という問い合わせが多く寄せられている」と語った。

 女性学者の呉韓淑姫(オハン・スクヒ)さんは、「気軽に中絶の道を選ぶ女性はいない。子どもを育てられる経済的・社会的な条件と認識の改善が優先されるべき」と語った。

 なお、この日の宣言文発表には、韓国性暴力相談所、韓国女性の電話、韓国女性民友会、地球地域行動ネットワークなどの団体が参加した。

金慶和(キム・ギョンファ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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