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【社会】

イモビライザー瞬時に無効 窃盗団から解除装置押収

2010年3月6日 16時05分

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 自動車盗難防止のための電子キー「イモビライザー」の機能を瞬時に無効にできる「イモビカッター」と呼ばれる装置を、愛知県警が高級車窃盗団のメンバーとみられる男から押収していたことが分かった。高級車窃盗団の間で出回っている可能性が大きい。無効にするのに十数秒とかからず、簡単に高級車を盗んでしまう手口の出現に、自動車メーカーは盗難防止装置の再考を迫られることになりそうだ。

 イモビライザーは、キーに記憶された暗号を車両内のコンピューターが読み取り、正規のキーと一致しなければエンジンが掛からない仕組み。暗号のパターンは100万通り以上あるといわれ、「盗難防止の切り札」として各メーカーが標準装備を進めている。

 ところが、イモビカッターをハンドル付近にあるコネクターに差し込めば、暗号は瞬時にリセットされ、別の暗号を認識させたものでも合鍵を差し込めば、そのキーを正規と認識してエンジンが掛かる。窃盗団は、自動車を瞬時に盗むことができる。

 県警は先月上旬、公務執行妨害容疑で逮捕した男の自動車内から、イモビカッターを押収した。縦6センチ、横3センチ、厚さ1センチほどの板状で、手のひらに収まるサイズ。セルシオやクラウンなど高級車向けといい、男は高級車狙いの窃盗団のメンバーとみられる。

 県警捜査員によると、イモビカッターは本来、修理の際に自動車整備工などが使うための装置で、「海外で模造されるなどして出回り、売買されているようだ。窃盗団の手口として広がっているのではないか」と話す。県警は窃盗団の全容解明とともに、イモビカッターの入手経路などを調べる。

(中日新聞)

 

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