昨年の政権交代には、少し気分が晴れました。ようやく、自民党政治の終焉。何かの枷から解き放たれたような気がしたのです。民主党中心の連立政権スタート時には、それなりに期待も膨らみました。
すぐに鳩山首相や小沢幹事長の「政治と金」を巡る問題が取沙汰され始めましたが、それでも、それと政策とを混同せずに新しい政治の行方を見守りたい、とも思ったものです。しかし…。
普天間米軍基地問題について、またもや名護市のキャンプ・シュワブ陸上案を推す声が政府部内で強まっているようです。国外か県外か、それが民主党の公約だったじゃありませんか。沖縄県民を愚弄するのもいい加減にするべきです。
原発推進政策に舵を切ったようです。原発企業のみならず、政府も一体となって、ベトナムなどの東南アジア諸国向けプラント輸出に走り出しそうな気配です。安全よりも経済ですか? 高濃度放射性廃棄物処理は一体どうするつもりなのでしょう。日本でさえ確立された処理技術がないというのに、それをアジア諸国にばら撒こうということですね。半減期数万年という恐ろしい放射性物質を。
政府は高校の授業料無料化を、朝鮮学校へだけは適用しない方向で検討中だそうです。それが拉致問題解決につながると、本気で思っているのでしょうか。在日コリアンの高校生にどんな責任があるのですか。政府が先頭に立って差別主義政策を取ることに、国連人権委員会からも疑問の声が上がっています。日本は他国の人権問題に口出しする資格を、自ら投げ捨てようとしています。
これらはみな、自民党の旧い政策そのものではありませんか。私たちが抱いた新しい政治への期待は、どこへ?
「マガジン9条」は、とうとう創刊6年目に突入しました。これからも、憲法問題を中心に、その時々ニュースや問題にアタックしていきたいと考えています。そのためのリニューアルの準備も現在着々進行中です。
さて、今週の「マガジン9条」は、
「この人に聞きたい」は、ミュージシャン・伊丹英子さんの第2回。昨年宜野湾で行われた「ピース・ミュージック・フェスタ! 09」について、今後の辺野古や基地問題について思うことなどをお聞きしました。
今週からお届けする「いま、山本周五郎が経営者だったら。」は、現在の貧困問題について、山本周五郎の作品をテキストに、カタログハウス相談役の斎藤駿氏が、自らの体験をもとに企業セーフティネットについて論じます。
「森永卓郎の戦争と平和講座」は、普天間基地の移設問題に関して。5月のタイムリミットに向けて「移設先」を模索する政府与党ですが、それよりも先に考えるべきことがある、と森永さんは指摘します。
「松本哉ののびのび大作戦」は、土曜日の高円寺で開催された、謎の「ロックンロールショー」レポート。高円寺って面白そう! と思っちゃうこと間違いなし。
「畠山理仁の永田町記者会見日記」は、日曜日の朝、携帯にかかってきた丁寧な電話は、なんと外務省報道課からだった!
「雨宮処凛がゆく!」は、「支援」とは何か。の巻。プレカリアート問題や貧困問題をはじめ、さまざまな「支援活動」に取り組んできた雨宮さんですが、「支援」という言葉にはどこか違和感も付きまとう?
「鈴木邦男の愛国問答」は、「政治家と政治評論家」。今では政治家の出演が当たり前、のあの討論番組、当初は「政治家お断り!」だったって、知ってました?
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「つぶやき」もはじめています。良かったら見てね。
それでは、今週も「マガジン9条」、じっくりとお読みください!