高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営する独立行政法人「日本原子力研究開発機構」(茨城県東海村)の業務を請け負う企業3社が1998〜2008年に、福井県の首長や国会議員計3人の関連政治団体などから計1085万円分のパーティー券を購入していたことが朝日新聞の調べで分かった。
この3社は、同機構OBを役員として迎えており、売上高の6〜8割を機構からの請負業務が占めている。同機構の1800億円の経常収益のうち約9割が国の交付金や補助金など。同機構は95年から停止中のもんじゅの今年度内の運転再開を目指し、2月に福井県と敦賀市に事前協議を求めた。再開には、県と同市の了承が必要だ。同機構は「(パーティー券購入は)把握していない。コメントする立場にない」としている。
3社は、「高速炉技術サービス」(FTEC、敦賀市)、「TAS」(同市)、「NESI」(東京都台東区)。FTECはもんじゅ、TASは転換炉「ふげん」(敦賀市、解体中)の保守管理や構内業務などを受注。NESIは機構からシステム関連の業務を受注している。政治資金収支報告書によると、3社がパーティー券代(セミナー参加費を含む)を支払っていたのは、西川一誠・同県知事、河瀬一治・敦賀市長、高木毅衆院議員(自民、福井3区)の各関連政治団体や、自民党支部など。
3社は03年、西川知事を支援する経済関係者らでつくる政治団体「西川一誠政経懇話会」(現在は新生福井をつくる会)のパーティー券計120万円を購入。同懇話会はこのパーティーの総収入約4800万円のうち3600万円を「西川一誠後援会連合会」に寄付した。09年の収支報告書では、旧同懇話会と西川知事の資金管理団体の所在地、事務担当者は一緒となっている。また、FTECとTASが河瀬市長の資金管理団体「グローバルビジョン」から00〜08年、パーティー券計282万円を購入。3社が、高木議員の政党支部と資金管理団体から98〜06年に計354万円を購入している。