鵜の目・鷹の目:県警がパチンコ攻略法販売グループ摘発 /茨城
3月4日14時27分配信 毎日新聞
<うのめ・たかのめ>
◇「打てば収益」うそっパチ
◇高額登録料の被害相次ぐ 県消費生活センターに、毎年30件前後相談
「パチンコ攻略法を無料提供」「打てば収益が上がる」とうたったパチンコ・パチスロ雑誌やネットの広告を見て応募し、高額の会員登録料金を支払わされる被害が相次いでいる。攻略法は根拠のない偽情報で、無料どころかさまざまな名目で次々登録料を要求される。県消費生活センターには毎年30件前後の相談があり、県警は先月、攻略法を販売していた東京都内のグループを詐欺事件として摘発に踏み切った。偽攻略法に市民をからめ捕るその手口とは−−。【原田啓之】
■スタッフ募集
ひたちなか市の50代男性は昨年4月、コンビニでDVD付きのパチンコ攻略雑誌をめくり、「派遣スタッフ募集」という広告が目に留まった。勤務先の土木会社をリストラされ、仕事を探していたところだった。広告の番号に電話すると、相手の男から「攻略スタッフにならないか」と誘われた。
内容は男がパチンコ攻略法を指導し、利益を折半するというもの。「登録料は10万円かかるが8万円をオレが立て替える」という条件で2万円を振り込んだ。数時間後、ファクスでA4一枚の紙が送られてきた。「機密情報」と名付けられ、わずか数行のパチンコ台の操作方法が書いてあった。
情報を試す間もなく、今度は男の上司を名乗る別の男から電話で「経理が通らない。全額を払え」。全額払うと「紹介したコースが埋まってしまった。他のコースは空いているが、もう5万円かかる」。男性は一獲千金の夢をあきらめ、連絡を絶った。「詐欺だと思うが、裁判を起こすのも金がかかる」とうなだれる。
■名簿入手か
県警は先月18日、同様の攻略法を提供していた架空会社「Liberty(リバティー)」を運営する男5人を詐欺容疑で逮捕した。逮捕容疑は09年1〜3月、偽のパチンコ攻略法を提供し、水戸市の会社員ら3人から計300万円をだまし取ったとしているが、県警はリバティーがこれ以外にもパチスロの偽攻略法も含め手広く勧誘していたとの情報を得て捜査。08年10月から半年間だけで全国約500人から約5000万円を集めた可能性もあるとみている。
県警によると、リバティーは、08年10月ごろから架空会社を名乗り、会員のランクに合わせ登録料3000円〜400万円を客に振り込ませたという。
県警は東京都台東区の事務所などを家宅捜索し、顧客リストやマニュアルなどを押収。マニュアルには「客は攻略情報があると思っているばかもの」などと書いてあったという。さらに「リストに掲載されている人は以前に必ず1回は攻略会社に騙(だま)されている」という記述があり、捜査幹部は「他の攻略会社から客の名簿を入手して勧誘していた可能性もある」と指摘する。
■「欠陥情報」
県消費生活センターによると、リバティーの被害は氷山の一角。パチンコとパチスロの攻略法ビジネスの被害にあったという相談が09年に34件寄せられた。雑誌の広告を見て応募したケースが12件と最も多く、電話やダイレクトメールで勧誘されるケースもあるという。
リバティーが提供していた攻略法は「チャンスボタンを6回押す」「リーチがかかったらハンドルから手をはなす」と、台のボタンなどを操作する順番やタイミングを組み合わせた単純なもので、根拠のない内容だった。
対象機種の一つを製造するパチンコ台メーカー「三洋物産」(名古屋市)によると、近年主流のパチンコ台では、玉がセンサーの前を通過するとメーン基盤が「当たり」「はずれ」を演算で決定する。台の手元にあるボタンは別の基盤につながっており、ボタンを操作してもメーン基盤の演算に影響しない。同社は「攻略法で大当たりの確率は変わらない」と断言し、ホームページ上でも「欠陥情報による攻略法は存在しない」と注意を呼びかけている。
3月4日朝刊
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■スタッフ募集
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内容は男がパチンコ攻略法を指導し、利益を折半するというもの。「登録料は10万円かかるが8万円をオレが立て替える」という条件で2万円を振り込んだ。数時間後、ファクスでA4一枚の紙が送られてきた。「機密情報」と名付けられ、わずか数行のパチンコ台の操作方法が書いてあった。
情報を試す間もなく、今度は男の上司を名乗る別の男から電話で「経理が通らない。全額を払え」。全額払うと「紹介したコースが埋まってしまった。他のコースは空いているが、もう5万円かかる」。男性は一獲千金の夢をあきらめ、連絡を絶った。「詐欺だと思うが、裁判を起こすのも金がかかる」とうなだれる。
■名簿入手か
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県警によると、リバティーは、08年10月ごろから架空会社を名乗り、会員のランクに合わせ登録料3000円〜400万円を客に振り込ませたという。
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■「欠陥情報」
県消費生活センターによると、リバティーの被害は氷山の一角。パチンコとパチスロの攻略法ビジネスの被害にあったという相談が09年に34件寄せられた。雑誌の広告を見て応募したケースが12件と最も多く、電話やダイレクトメールで勧誘されるケースもあるという。
リバティーが提供していた攻略法は「チャンスボタンを6回押す」「リーチがかかったらハンドルから手をはなす」と、台のボタンなどを操作する順番やタイミングを組み合わせた単純なもので、根拠のない内容だった。
対象機種の一つを製造するパチンコ台メーカー「三洋物産」(名古屋市)によると、近年主流のパチンコ台では、玉がセンサーの前を通過するとメーン基盤が「当たり」「はずれ」を演算で決定する。台の手元にあるボタンは別の基盤につながっており、ボタンを操作してもメーン基盤の演算に影響しない。同社は「攻略法で大当たりの確率は変わらない」と断言し、ホームページ上でも「欠陥情報による攻略法は存在しない」と注意を呼びかけている。
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最終更新:3月4日17時1分
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