2007-12-29
■通俗的差別言説を吐露する、金光翔
「<佐藤優現象>批判」を発表し、少なからぬ注目を浴びる金氏のブログ「私にも話させて」には以下の記述がある。
日本の場合、現行憲法があるからある程度抑制されているものの、過去清算すらまともにされないような社会意識なのだから、改憲後は、欧米諸国よりもはるかに抑圧的・排外的な体制になることは明らかである。
また「<佐藤優現象>批判」における同趣旨の以下の記述はどうだろうか。
侵略と植民地支配の過去清算(在日朝鮮人の人権の擁護も、そこには含まれる)の不十分なままに成立する「普通の国」は、普通の「普通の国」よりはるかに抑圧的・差別的・侵略的にならざるを得ない。
一体全体どうして「明らか」なのであろう。別段、日本が立派に「過去清算」を成し遂げたとは思わないが、なぜそのことが「欧米諸国」あるいは「普通の「普通の国」」に比して、「はるかに抑圧的・排外的な体制」あるいは「はるかに抑圧的・差別的・侵略的」体制に繋がって行く根拠になるのであろうか。例えばイギリスは旧植民地諸国にどのような謝罪や賠償を行ったというのか。そもそも米国もカナダもオーストラリアもニュージーランドもイギリスの植民国家、侵略国家、連邦国家ではないのか。これらの国が白人(特にアングロ・サクソン人)主導で、英語を国語とし存続していること自体がイギリスは「侵略と植民地支配の過去清算」に対して日本以上に不誠実な「社会意識」しか持ち合わせていないことの証左であり、故にイギリスはより「抑圧的・排外的な体制」に繋がって行くと見做さなければならない。他に、例えばフランスは、ドイツは、オランダは、中国はどうなのだろうか。「過去清算」だけでも「まともにされ」たのか。韓国は済州島住民迫害やベトナム侵略という事案に関して「過去清算」をしたのか。現在進行形の全体主義国家北朝鮮は言うに及ばないだろう。
朝鮮人がかつての大日本帝国による朝鮮半島統治に憤慨し、糾弾することは尤もであるが、卑小な「欧米諸国」崇拝あるいは華夷秩序の世界観に基づいた、日本人に対する夜郎自大で無自覚な民族差別的言辞を吐いているのであり、まさしく俗情と結託した類型的駄弁である。差別を声高に糾弾する者の中に、無自覚な差別主義者が度々散見されるのは笑止であるが、金氏は自らこう書いている。
「平和」や「人権」を口にするリベラル系のマスコミ業界人が、私的な場で平然と差別発言を行う光景は、これまで何度も見てきたから、『週刊朝日』編集部が人種差別に親和的な心性を共有していても別に驚かない。
このことは、岩波書店員という「リベラル系のマスコミ業界人」たる金氏にもまた寸分違わず当て嵌まる。ゆえに金氏の「人種差別に親和的な心性」もありふれた凡庸な例証でしかなく、「別に驚かない」。
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