赤字が続くバス事業の収支改善のため路線見直しを進めている西日本鉄道(福岡市)は4日、今年秋以降に全線または一部区間の廃止を予定している39路線を発表した。同社は今後、対象路線の関係自治体(福岡、佐賀両県の32市町)と具体的な協議に入る。
西鉄は今春のダイヤ改正で、15路線の廃止(一部廃止を含む)を公表済み。今回発表分が実施されれば、路線バス全217路線のうち、2割強に当たる計52路線(重複を除く)が全線または一部区間の廃止となる。同社はこのほか50路線で減便を決めている。
今秋以降に全線廃止を予定するのは、北九州市の都心部を走る「小倉都心周遊」など5路線。「飯塚(特急)小倉」など34路線は、一部区間の廃止を検討している。
同社は3月末までに、福岡、佐賀両県のバス対策協議会に廃止を申し出て、関係自治体と協議。自治体が補助金で赤字を補てんするなどすれば、存続の可能性もある。
同社のバス事業は、赤字の路線バスを黒字の高速バスが支えてきたが、景気低迷や高速道路料金の休日割引「千円高速」の影響で利用者が激減。高速バスも2009年度は赤字転落の見通し。高速バス部門でも14路線で撤退・減便などを決め、一部を実施している。
◆バス廃止路線一覧
■廃止( )内は他路線にカバーされない実質廃止区間
【北九州地区】小倉都心周遊(大手町‐公団大手町)、(市立医療センター‐紫川鉄の橋‐小倉北区役所)
【福岡地区】賀茂‐藤崎(原往還‐賀茂駅)、(福岡歯科大学前‐次郎丸6丁目)
【筑豊地区】添田(後藤寺‐西添田駅‐添田駅)、(新橋‐大任役場口‐添田駅)、(新城‐庄)
【久留米地区】佐賀(特急)久留米(県庁前‐片田江)、(西島‐豆津)▽筑紫野(西鉄筑紫駅西口‐JR原田駅‐光が丘4丁目)
■一部区間廃止
【北九州地区】大里▽恒見‐小倉▽門司港ローカル▽門司‐戸畑・八幡▽河内‐中畑
【福岡地区】板付▽金武▽橋本▽生松台▽早良(城南)博多駅▽三軒屋▽那珂川幹線▽弥永‐天神▽多々良・八田▽日の里▽森林都市▽赤間(急行)福岡▽津屋崎・鐘崎▽空港循環▽二日市
【筑豊地区】飯塚(特急)小倉▽篠栗▽篠栗(都市高速)天神▽大川▽上山田▽田川(快速)小倉
【久留米地区】国分▽福島▽佐賀‐柳川▽草野▽江見▽米の山・黒崎団地▽上官▽吉野
=2010/03/05付 西日本新聞朝刊=