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添田町長の不信任案 議会が否決、本人は欠席

山本被告が欠席のまま、辞職勧告決議案を採決する議員ら(4日午前、福岡県添田町で)=大野亮二撮影

 福岡県添田町議会(定数13)の臨時会が4日開かれ、県町村会による贈収賄事件に絡み贈賄罪で起訴された同町長・山本文男被告(84)に対し、一部議員が不信任決議案を提出した。賛成少数で否決されたが、続いて提出された辞職勧告決議案は可決された。

 臨時会には全議員が出席したが、山本被告は欠席した。臨時会は予定の午前9時30分より、約10分遅れで開会した。

 冒頭、山本被告に批判的な議員5人が不信任決議案を提出。5人を代表し、久保田実生議員が「保釈後の全員協議会や記者会見で、山本被告から反省や謝罪の言葉は聞かれず、不遜(ふそん)な態度をとっていた。続投するのではなく、辞任して責任をとるべきだ」と理由を説明した。

 山本被告を支持する議員からは「事件で私腹を肥やしたわけではなく、町や高齢者のためを思ってやったことだ」「町の発展のために長年働いてきた大事な人材であり、続投してほしい」といった反対意見が出た。

 不信任案の可決には、出席議員の4分の3以上(10人以上)の同意が必要で、賛成は議長を含む7人にとどまり、否決された。

 続いて、松本雄二議員が辞職勧告決議案を提出。山本被告が「進退は町民の声に従う」と述べていたことに触れ、「選挙で民意を問わないのは、卑劣で姑息(こそく)としか思えない」と主張した。

 被告支持の議員は「町民の不安を取り除くまで、責務を全うする必要がある」「進退を決めるのは、裁判で真実が明らかになってからでもよいのではないか」と反論した。

 辞職勧告に法的拘束力はなく、過半数の同意で成立する。浦野信義議長を除く12人で採決した結果、賛否は6人ずつに分かれたが、浦野議長の裁決により可決した。

2010年3月4日  読売新聞)
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