2010-02-28
科学史上最悪のスキャンダル
|こちらはMixiの日記に12/5に載せたものです。
−− 科学史上最悪のスキャンダル −−
先月、イギリスのある著名な科学者の千通を越すe-mailや研究データ・プログラムが何者かによってリークされ、欧米のメディアを駆け巡っています。リークされた情報が発端となり地球温暖化を巡る世界規模の不正が暴かれ、イギリスとアメリカの議会も重い腰を上げ調査に乗り出しました。誰が名付けたのか、事件は“Climategate”と呼ばれています。
リークされたメールは、地球温暖化研究の世界的権威Philip Jones教授のもの、彼はイギリスのEast Anglia大学・気象研究所(CRU)所長です。問題となっているメールは欧米の新聞などで読むことができますが、要点を挙げると、
・CRUが行っている世界各地の気温観測の結果を多数の科学者で不正操作し、温暖化を演出していた。
・40人以上の著名な科学者で学会誌の査読班を作って主要ジャーナルを乗っ取り、温暖化を否定する論文を却下していた。
・イギリス気象庁やBBCを味方に付け、IPCCすらコントロールしていた。
Foxニュースでは“温暖化に否定的な研究者の博士号を取り消すよう大学に圧力をかけていた”とも報じていましたが、やりたい放題だったようです。Climategateで最も深刻なのが、データ不正。CRUの観測結果は国連IPCCで地球温暖化を示す最も重要なデータとして採用されていますが、Jones教授のメールによると、
“MikeがNatureに載せた論文で使ったトリックを使い、私は1961年以降の平均気温の温度低下を隠した。”
MikeとはPennsylvania州立大学のMichel Mann教授、Al Gore元副大統領の盟友でIPCCの超大物、20世紀の急激な温暖化を論文に発表し世界中の注目を浴びた男です。メディアの追及に対し、渦中のMann教授は、
“トリックとはうまい方法という意味で、不正を行ったわけではない”
と弁明していますが、調査しようにもCRUの原データは消去されてしまった模様。データの消去自体、情報公開法への重大な違反ですが、幸か不幸かClimategateで流出したプログラムから彼らがどんな“トリック”を使ったのか知ることが出来ます。
yrloc=[1400,findgen(19)*5.+1904]
valadj=[0.,0.,0.,0.,0.,-0.1,-0.25,-0.3,0.,-0.1,0.3,0.8,1.2,1.7,2.5,2.6,2.6,2.6,2.6,2.6]*0.75
これは20世紀の気温をグラフ化する際、CRUの副所長(Keith Briffa教授)が使ったスクリプトの核心部分。1行目で1904〜94年を5年ずつに区切り、各区間の気温(実測値)に2行目の数字を加算しています。即ち1904〜24年は加算なし、1929〜49年は(温暖期なので)温度を引いて低く見せ、その後は徐々に気温を底上げし1979年以降は1.95度(2.6×0.75)も下駄を履かせてます。20世紀に気温が急激に上昇したのは二酸化炭素のせいではなく、イギリスの片田舎の密室で行われた歪曲のため。この部分を取り除くと、過去100年間で地球は寧ろ寒冷化していたそうで。
不正は他にも次々と見つかっています。現在よりずっと気温の高かった中世温暖期を“なかったこと”にしていたり、大昔の気温を見積もる際に暑かった年を統計から外したり・・・
IPCCではCRUの“急激な温暖化”ばかり注目されていますが、氷床コアや木の年輪、衛星を使った測定では有意な温暖化は観測されておらず、特に二酸化炭素による温室効果の一番の証拠となる“10 km上空の温度上昇”は気球観測によって明確に否定されています。アメリカ航空宇宙局(NASA)の気温観測は地球温暖化を支持していますが、後述するようにNASAもデータ不正が発覚しており信用に値しません(NASAは単純なミスだと主張)。
実際のところClimategateは氷山の一角に過ぎず、世界中で“魔女狩り”が始まっています。例えば次のグラフは、ニュージーランドの気温変化。
グラフ(上)はニュージーランド水圏大気研究所が発表していたもので、20世紀に急激に温暖化していますが、別の科学者がデータを再調査したところCRUと同種の不正が見つかり、実際の気温変化はグラフ(下)だったというわけ。
そして下のグラフは、Global Historical Climatology Network(GHCN)が公開している世界各地の気温データのうち、オーストラリアの気温観測ステーションの一つ。GHCNの気温データはIPCCでも公式採用されていますが、オーストラリアの科学者が消されずに残っていた現地の観測ステーションの生データを調べたところ、GHCNで公表されている“100年間で1.2℃の温暖化(赤線)”どころか、本当は0.7℃も寒冷化(青線)していたことが分かり。
何者かがデータに細工したようです。
GHCNは南極の平均気温を算出する際にも顕著な温暖化を示す一つの観測ステーションのデータだけを採用し、温暖化を否定する他のステーションのデータは破棄していたそうで。
疑惑はアメリカにも飛び火し、Obama政権の科学技術顧問John HoldrenはCRUの不正への関与が疑われていますし 、天下のNASAも気温データの操作が指摘され訴訟に発展しそうです。NASAは過去のアメリカの気温を不当に低く改竄したり 、昨年、『観測史上、最も暑い10月だった』と発表した際は、10月の気温データに9月のものを混ぜていたことが発覚しています。
またアメリカ海洋大気圏局(NOAA)は全米各地に気温観測ステーションを設置していますが、市民が調査を行ったところ、大平原や荒野に設置されているはずのステーションがいつの間にかアスファルトの駐車場やエアコンの排熱口の近くに移動されており(下の写真)、全米のステーションのなんと89%が不適切な場所に置かれていたそうで。
アメリカが急激に温暖化したのは、観測ステーションを熱源の近くに移動させたから!?
NASAもNOAAも、原データの公開を一切拒否しています。もはや個人レベルの捏造ではなく、研究機関・業界がグルになって不正を働いているとしか思えません。出るわ出るわで、IPCCは“国際ペテン師学会”と名前を変えるべきかも。
同僚の一人は、
“Intergovernmental Panel of Cons and Criminals にすれば、IPCCのままで済む”
と、きっついアメリカンジョーク。温暖化の恐怖を散々煽ってきた学会とリベラル派の政治家はClimategateの火消しに躍起になっていますが、今回は揉み消すには話が大きくなりすぎたかもしれません。Copenhagenの会議は始まったものの、京都議定書やIPCCが最大の拠り所としたCRUの観測結果はもはや極めて疑わしく、世界のあちこちで不正が見つかっている状況で、二酸化炭素削減を話し合う意味はあるのでしょうか?
East Anglia大学はCRUの温暖化観測で注目され20億円以上の研究費を獲得していますし、NASAに至っては温暖化研究で年間1千億円もの予算が下りています。Climategateは、良心の呵責に耐え切れなくなった内部の科学者がリークしたのではないかと噂されていますが、人生を棒に振ると知っていて、彼(彼女?)はどんな思いで告発に踏み切ったのでしょう・・・
イギリス・アメリカの議会は調査を開始しましたが、今度こそ真実を明らかにしてもらいたいものです。
−− 地球温暖化とは何だったのか −−
大気中の二酸化炭素濃度と地球温暖化の間に相関があることは古くから知られており、Al Goreの映画でも強調されていましたが、実際はどうなのでしょう?
次の図は昨年の日本物理学会誌(vol.62)に掲載されたグラフで、寒冷期が終わり地球が温暖化した1970年代以降の二酸化炭素濃度と世界平均気温の変化を比較しています。
確かに相関はありますが、よく見てみると気温変化(赤)が二酸化炭素の濃度変化(黒)に1年くらい先行していることが分かります。従って、二酸化炭素が地球の温暖化を引き起こしたのではなく、因果関係はその逆で、
『地球の気候変動が大気中二酸化炭素の濃度変化を引き起こしている。』
日本物理学会誌の記事にも書かれていましたが、海水中には大量の二酸化炭素が溶解しており、気温の上昇に伴って海水中の二酸化炭素が大気中に放出されたと理解すべきでしょう。ソーダを温めると炭酸が抜けるのと同じ原理です。
そもそも人間起源の二酸化炭素排出量は、自然界全体の僅か2〜3%にしか過ぎません。二酸化炭素が増えると濃度に比例して森林・海洋への吸収も増加するため、
『産業革命以降、人類が排出した二酸化炭素が大気中に蓄積されて…』
というIPCCの主張は間違い。正しくは“炭素循環”で考える必要があり、濃度に関わらず毎年30%の二酸化炭素が自然界に吸収されるため、1年前に排出された二酸化炭素は49%(0.7×0.7)、10年前に排出された二酸化炭素に至っては現在では2%(0.7×0.7×0.7…)しか大気中に残っていません。従って人間が排出を続けても大気中の二酸化炭素の総量は無限に増え続けるわけではなく、年間排出量の高々2年分に収束します(等比級数の和)。
それでは、地球の気候変動を引き起こしているのは何なのでしょう?
答えは、空を見上げると見つかります。
上の図はOregon大学のグループの論文、過去100年間の日射量と北極の気温変化をプロットしたものですが、非常に良く一致しています。
『地球の気候変動の主因は太陽活動である』
その結論を、私も支持します。
地球温暖化とは、一部の科学者が研究費を取るため“二酸化炭素で地球が温暖化している”と言い出し、環境団体や原発推進派が乗っかり、マスコミが恐怖を煽り、政治家が宣伝に利用して既成事実化された。それに環境技術で先行するヨーロッパ各国、権力を強化したい国連、そして排出量取引で大金を手にする途上国が飛び付いた。一番損したのは日本で、“排出枠”とやらを購入するのにチェコやウクライナに数百億円もプレゼントしてますし、京都議定書を遵守するため今後5年間の排出量取引で最大1.7兆円もの富が日本から流出する。ストーリーは筋書き通りに進みましたが、この10年間、地球は寒冷化してしまった・・・
アメリカでは“Oregon Petition”に3万人を越す科学者が署名していますし、私も同僚たちと共にサインしました。
“王様は裸だ!”
そろそろ叫ぶ時ではないでしょうか。
※地球の気候変動の原因には諸説あり、宇宙線による雲生成などが有力な説として注目されています。ただ、少なくとも太陽活動(黒点数)と地球の気温との相関は断定できると思います。
- 23 http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=2000251&tid=co5e29ch2bdldbja4k4xa47a4f0l8c0a1aa&sid=2000251&mid=47343
- 22 http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/
- 14 http://d.hatena.ne.jp/Hukkun/
- 14 http://ime.nu/d.hatena.ne.jp/nytola/20100228/1267399494
- 14 http://zakmustang.blog26.fc2.com/blog-entry-3695.html
- 12 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=227468
- 8 http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/nytol.html
- 8 http://ow.ly/1dWnW
- 7 http://d.hatena.ne.jp/nk2nk2/
- 7 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1137393681
私もCO2による人為的温暖化説には疑問を持っています。大変興味深い話題をありがとうございます。
ところでnytolaさんはPeterson & Voseの下記論文は読まれたことがおありでしょうか?これを読むとどうやらリアルタイムで入ってくるステーションは3000箇所くらいで残りは数年から数十年経ってからデータに組み込まれているようです。私も英語は不得意でかつ統計学は全く駄目なため理解できない部分も多いので恐縮ですが・・・・。NOAAやNASAがデータをピックアップしているのではなくて速報として入ってくるデータが都市部に集中している印象です。(インフラの整備を考えると納得ですが)まあもし仮にそうだとしも、そんなデータで今年の○月は史上何番目に暖かかったなどという発表には意味がないように思えます。nytolaさんのご意見を伺えれば幸いです。
参考論文
http://www.ncdc.noaa.gov/oa/climate/research/Peterson-Vose-1997.pdf
さて以前から質問したかったことがあり急遽アカウントを作りましたので(笑)お返事いただけると嬉しいです。
1:大気中CO2濃度と世界気温偏差のグラフについて。
人為起源のCO2排出が大気中CO2濃度上昇の主因ではないということですが、確かに人間由来のCO2排出は自然界全体の僅か3%に過ぎない言われています。ただBlog中のグラフ(もしくはキーリングの有名なグラフ)から分かるのは、短期間のCO2濃度の変動が海水による吸収・放出であるということで、CO2温暖化説で言われている長期(例えば100年)での濃度上昇が必ずしも海水からの放出とは言えないと思いますがどうでしょうか?
2:CO2温暖化の理論について。
Blogの内容とは直接関係しませんが、程度はともかくCO2が温暖化の原因であることは多くのシミュレーションが支持していました。一方、最近の地球はCO2濃度が上昇しているのに寒冷化が進んでおります。シミュレーションはデタラメだったのでしょうか?
どうかよろしくお願いします。
ご指摘のペーパーはJoseph D'AleoとAnthony Wattsのレポートでも参照されており一度斜め読みしたことありますが、もう一度ちゃんと読んでみました。ペーパーが書かれたのは1997年ですが、直近で気温観測ステーション数ががくんと減った理由が論文中のFig.2の説明に小さく書かれてあります。
“because some of GHCN's datasets are retroactive data compilations (データを得るのに時間がかかる)”
仰る通り、リアルタイムで入ってくるのは3つのデータソースだけらしいです(どれだか明記してありません)。
いずれにせよ2008年の段階でも90年頃に大幅に減ったデーターベースの観測ステーション数は全く復活していませんから、GHCNではデータを運ぶのに20年近くかかるようです。恐らく歩いてステーションまで取りに行っているのではないでしょうか?D'AleoとWattsのレポートによると、データを送り続けているステーションは『低緯度で標高が低く都市部』に偏っているとのこと(このレポートはあまりに衝撃的ですから、どなたか日本語に翻訳すべきだと思います)。
NASA・GISSのHPで調べると気象庁が提供している日本の田舎のステーションの大半も1990年以降に止まっていますが(何故か大都市のデータはちゃんと記録されています)、こちらは“Quality Control(品質管理)”で落とされた可能性が高いですね。日本のような未開の国で測定されたデータなんて信用できず・・・そんなわけないですよね。
別の方が指摘していたのですが、大島は90年に統計から外されていますが、93年に何故か復活しています。大島のグラフを見てみると90年以前に対して93年以後は1℃も気温が上昇していますが、何故このような特殊なケースを復活させたのかは謎です。データの連続性という意味で、それこそQuality Controlで落とすべきだと思うのですが。
かなり専門的になりますが、出来るだけ分かりやすく答えてみます。
1.
排出されたCO2が海洋や森林に吸収されるまでの時間を“滞留時間”と呼ぶのですが、滞留時間は5年だと言う研究者もいれば200年だと言う人もいます。
滞留時間が重要なのは、滞留時間が5〜15年であれば100年スパンで続いている現在のCO2の増加が人間由来であるとは考えにくく(寧ろ温暖化の結果と考えるべきでしょう)、逆に50〜200年であれば人間が排出したCO2が大気中に蓄積していると考えるのは自然です。昨年、真面目に計算すると5年だという論文をEssenhighが出していましたが、滞留時間は5〜15年という合意が出来つつあるように思います。(Essenhighによると、50〜200年という長い滞留時間は自然界起源のCO2を過小評価しているとのこと。)
CO2と気温の因果関係を調べるには滞留時間と同じ時間スケールで両者を比べる必要があり、(滞留時間5〜15年を信用して)先のグラフを見ると確かに気温変化の方がCO2濃度変化に先行していますから、海水温の上昇に伴ってCO2が大気中に放出されたと考えるのは自然です。もし滞留時間が200年であれば、もっと長い時間スケールで両者を比較する必要があり、話は変わってきます。
下の槌田・近藤氏の論文によると現在の気温では海水からのCO2放出が支配的ですが、0.6℃くらい寒冷化が進めば大気中のCO2濃度の上昇は止まるらしいです。もしそうなれば、CO2人間活動起源説は完全に否定されるでしょう。
http://env01.cool.ne.jp/global_warming/saiban/rep01.pdf
2.
さっき、はれほれさんのHPを見ましたが、この話は彼の方が詳しいのではないかと思います。
答えを先に言うと、『そもそも地球温暖化のモデルが間違っているから』ではないでしょうか。
温室効果とは暖められた地表から赤外線が放射され(黒体放射という現象です)、それが大気によって吸収されて起こります。地球で最も重要な温室効果ガスは水蒸気で赤外線の大部分を吸収しますが、波長8〜14μmの赤外線は吸収されません(大気の窓)。従ってこの波長域を吸収できるかどうかが温室効果ガスの指標となり、CO2は大気の窓に近い15μmに吸収端を持つため、温室効果ガスと言えます。
ところが衛星による観測や理論計算によると、CO2による15μmの吸収は現在のCO2濃度でほぼ飽和しており、これはCO2濃度が上がっても気温上昇はほとんど効かないことを意味しています。例えばCO2濃度を現在の30倍の1万ppmにしても赤外線吸収(=温室効果)は僅か5%ちょっとしか増えませんし、これではCO2による地球温暖化は起きません。
それに対して温暖化論者は“放射平衡モデル”を提唱しています。これは簡単に説明すると、
『CO2に吸収された15μmの赤外線はすぐに放出され、次のCO2によってまた吸収・放出され、何度も吸収・放出を繰り返すうちに赤外線は地表にぶつかり地球が温暖化する』
という考え方。このモデルではCO2の濃度が上がれば上がるほど温暖化に効いてきます(光学的距離が長くなるから、と説明されます)。
ただこのモデルには致命的な間違いがあり、それは、
『CO2に吸収された15μm赤外線は下層大気では再放出されない』
何故かと言いますと、大気中では赤外線を吸収したCO2はすぐに他の分子(N2、O2など)と衝突し、吸収したエネルギーを他の分子に(運動エネルギーとして)渡してしまうからです。15μm赤外線は単純にCO2に吸収され周りの空気を暖めるだけですから、CO2による吸収が飽和している以上、CO2濃度が増えても地球はほとんど温暖化しません。(真空や気圧の極端に低い環境であれば、赤外線は再放出されます。)
放射平衡モデルはシミュレーションしやすいため温室効果の計算に使われますが、物理的にはありえないモデルなわけです。
私は物理屋ですが、この辺の感覚が物理屋と環境屋の違いかな、という気がしています。
難解な説明ですみません、間違っていましたら、どなたか指摘して下さるとありがたいです。
リアルタイムデータだけの問題ではないということですね。気象庁に問
い合わせてNOAAやNASAに送っているステーションを確かめてみること。
これをやってみようと思います。もしデータを送っているにもかかわら
ず使用されていなければNOAA独自の「品質管理」が行われた可能性が高
いということですね。
>GHCNではデータを運ぶのに20年近くかかるようです。
>恐らく歩いてステーションまで取りに行っているのではないでしょうか?
確かに。笑えます。
私自身pajamasmediaのD’Algoの短文を読んだだけで、D'Aleo & Wattsの
レポートは知りませんでした。100ページを超えるレポートですが、
がんばって読んでみます。
jackbox5さんの最初の質問ですが、。
>短期間のCO2濃度の変動が海水による吸収・放出であるということで、
>CO2温暖化説で言われている長期(例えば100年)での濃度上昇が
>必ずしも海水からの放出とは言えない
槌田氏または近藤氏はどこかで「長期の変化は短期変化の積分である。」と
述べておられたような記憶があります。すみません、私自身数学ができない
でよく理解できていないのに横から失礼しました。
温室効果についてですが、確かにIPCCはじめ温暖化を支持する人は「再放射」
を主張していますが、nytolaさんのおっしゃるようにこれはほとんど起こりま
せん。しかし下層大気に関しては「局所熱力学平衡」という状況が成立してい
るそうです。ここのTheorySurgery氏のブログに詳しいです。
http://feliscatus.blog77.fc2.com/blog-entry-82.html#more
したがって「地表面の熱を吸収してそれを再放射する」ということは確率的に
低くほとんど起こりませんが、逆に頻繁に衝突が起こることによって励起、放
射が起こっているということのようです。こちらのブログにその辺のことが書
かれています。
http://d.hatena.ne.jp/t0m0_tomo/20091208/1260295673
このブログ主は懐疑派を小馬鹿にしていますが、実はIPCCなど温暖化論者はそ
れ以前のところで間違っていることに気づいていません。(笑)たとえば
「Greenhouse Gases ;Gases in the earth's atmosphere that absorb and
re-emit infrared radiation.」
この方はチャンドラセカールの教科書を紹介してくださっているのですが、
残念ながら私には猫に小判です。(質問者は私ではありませんが)いまだにどれ
くらいの気圧で「局所熱力学平衡」が成立しなくなるかということが、よくわ
かっていません。
人間活動によるCO2排出が自然界の僅か3%に過ぎませんし、そうであるならIPCCのように産業革命以降の人類の積算排出量から現在の大気中CO2濃度を求めるのはまったく意味がないと思います。CO2濃度が増加すると、CO2の吸収も増加しますから。
またCO2温暖化説の原理と間違いをこれほど分かりやすく説明してあるのは見たことがありません。
温暖化の理論でなぜ再放射が強調されるのかよく分かりました。CO2からの再放射なしでは吸収が飽和しているので大気中のCO2濃度が増加しても温暖化しないのですね。
ところがCO2は再放射しないと。間違った仮定でシミュレーションを行ってもうまくいくはずはないということ。
温暖化説はCO2で地球が温暖化するという結論が先で、それに合わせて理論のつじつまを合わせているように思います。現象を見ていないからどこかで破綻してしまうのでしょう。
IPCCやNOAAの捏造は罰せられないのでしょうか?科学的な議論ではなくて、これは犯罪だと思います。世界中がどのくらい費やしたのか考えたくないですね。
私も日本の観測ステーションのデータの多くが90年頃を境に更新されていないのは何故か、NOAAに問い合わせてみます。
> 逆に頻繁に衝突が起こることによって励起、放射が起こっているということのようです。
CO2の励起状態の寿命(=赤外線吸収から放射までの時間)が4ミリ秒と長いため(吸収断面積から計算しましたが、まあミリ秒のオーダーでしょう)、気圧が高いとその前に他の分子との衝突でエネルギーを失い赤外線放出はほとんどおきませんが(衝突頻度は1気圧で100ピコ秒のオーダー)、気圧の低い上空では再放射され下層大気を暖めるかも、という話ですね。
地表の熱が上昇気流によって上空(〜80km)まで運ばれ、CO2などの温室効果ガスを分子衝突で励起し、そこからの15μm放射が地球を暖めるという何とも強引なモデルが提唱されていますが、そのシミュレーション結果がIPCCの第4次評価報告書(2007)に採用されています。
http://scienceandpublicpolicy.org/images/stories/papers/monckton/whatgreenhouse/moncktongreenhousewarming.pdf
p.6にあるのがIPCCで採用されたシミュレーション結果、5つのモデル全てがCO2の温室効果で赤道上空8〜12kmの温度上昇を予測していますが、p.7のUK Met Office(Hadley Center)の気球観測ではそんなものは観測されませんでした。温暖化論者は、観測が間違っているんじゃないかと本末転倒なことを言ってますが、もちろんモデルが破綻しているのが原因なのは言うまでもありません(どこが間違っていたかは、いろいろ議論があります)。
> このブログ主は懐疑派を小馬鹿にしていますが…
そのBlog、読んで笑ってしまいました。“局所熱力学平衡”と“放射平衡”がゴチャ混ぜになってますね。きっと大学で熱力学の時間に寝ていたのでしょう。でも江守氏ですら、
“CO2同士の放射・吸収の回数が増えることで温室効果が増大する”
と間違いを平気で言っていますが、温暖化論者の物理・化学のバックグランドのなさにはびっくりします。
> 積算排出量から現在の大気中CO2濃度を求めるのはまったく意味がない…
全く意味がないわけでもないですが、積算排出量から単純に現在のCO2濃度を計算することはできない、とは言えると思います。何故ならCO2の滞留時間は高々5〜15年と見積もられており、CO2はどんどん入れ替わるため、話はそんなに簡単ではないですから。
> CO2で地球が温暖化するという結論が先で…
仰るとおりです。科学は結論を求めて研究を続けるのに、温暖化説では『CO2で地球が温暖化している』という結論がまず先にあり、シミュレーション屋は物理や化学の法則を多少ねじ曲げてでも、地球温暖化という最終結論が得られるべくモデルを強引に組んでいます。
> IPCCやNOAAの捏造は罰せられないのでしょうか?
私は法律の専門家ではないので。でも英米のメディア・議会の温暖化詐欺への追及は激しくなっていますし、IPCCの崩壊は近いのではないでしょうか。内部からもIPCC批判が公然と行われるようになりましたし、最近は地球温暖化の論文を慌てて取り下げた研究者もいて、随分と風向きが変わりました。
http://www.nature.com/ngeo/journal/v3/n3/full/ngeo780.html
ClimategateやIPCCの不正について産経が記事にしていましたし、日本でもCO2温暖化説への自由な反論が行なわれるようになると思います。
アル・ゴアさんの「不都合な真実」に書いていない最も不都合な真実とは、
”地球温暖化とはデマである”ということです。
という冗句を常用している、田舎者です。
排出権取引というものを、胡散臭い物だと思っているせいで上記の冗談を思いついたのです。
このブログがとても面白かったので、時々寄らさせていただきたいと思います。
よろしく。
でもそれ、ジョークじゃなくて本当ですよ。
Al Goreが地球温暖化の講演をすると大寒波や大雪となったため、アメリカでは“Gore効果”と呼ばれています。Gore効果は2006年に発見され、Al Goreが夏直前のオーストラリアで講演を行ったところ雪が降りました。なお2004年1月15日のNYが最初という説もあります。ここ2年間に観測されたGore効果を列挙すると、
2008
1/17 Baltimoreにて温暖化抗議デモ行進。Marylandは雪。
10/22 Harvard大学で講演。Bostonは過去125年で最悪の大寒波。
10/28 Londonでディベート。Londonの10月の降雪は1922年以来。
12/10 イタリアで講演。Rome、Naples、Palermo、Sicilyに寒波襲来。
2009
1/28 上院で証言。Washington DCは寒波
2/5 New York州Buffaloにて温暖化会議。気温-6℃。
3/2 首都Washingtonにて温暖化抗議デモ。Washington DCは大雪。
7/13 オーストラリアにて環境保護団体立ち上げ。Melbourneは零度。
10/9 Wisconsinにて会議。Al Gore到着と同時に記録的な最低気温。
11/4 著書『私たちの選択』発売。この冬、全米が異常な豪雪と大寒波。
11/22 オーストラリアにて温暖化の危機を訴えるデモ行進。寒波で一日で中止。
12/7 COP15へ出発。全米各地で記録的な大寒波、ありえない場所で積雪。
12/15 Copenhagen、北極の氷は5年で溶けると講演。14年振りのホワイトクリスマス。
12/20 New York到着。1888年以来というブリザード。“Let it Gore”と歌われる。
2010
2/8 NOAA気候変動の新機関を立ち上げ。首都Washingtonは記録的な大雪。
2/9 上院の地球温暖化公聴会が中止。ありえない大雪のため。
Gore効果はObama大統領やPelosi下院議長にも見られるという報告もなされています。
ただし、二酸化炭素が地球温暖化の原因でない、地球は寒冷化している、などはあくまで一つの考え方に過ぎず、出来るだけ多くの情報を探し自ら判断して下さるようお願いします。
インターネットが普及して良かったことは、誰でもその気になれば正しい情報にたどり着けるようになったこと。20年前であれば、メディアのほとんど報道していない状況でClimategateや地球温暖化のウソを市民が知る手段はなかったでしょう。
私が科学が好きなのは、紆余曲折を経たとしても、いつか真実が認められるからです。地球温暖化の科学が今後どう決着するか分かりませんが、Climategateのおかげで懐疑派が弾圧・排除されることはなくなりました。
純粋な科学には完全な自由が必要。
一科学者として、多くの議論を経て科学的合意へ向かうことを望みます。
「ある局面で気温が低下する事はある。
若干の寒冷な気象があろうともそれは、大きな気象変動に伴うゆらぎの様な物だ。
明らかに地球は温暖化しており、これは揺れ戻しみたいなものだ」
と言ったりしてね。
私は無教養な田夫でありますが、地球温暖化説には、
「君達、あんまり段取りが良過ぎるのじゃないですか?
科学ってそんなに簡単に仮説が検証できるほど安直で、
唯一の対処方法が確定されるほど万能なものなのですか?」
ということを質問したいと思っています。
私はローブラウな者ですから、科学はわかりません。
ですが、友人の子が難治性の血液疾患を患ったために
”骨髄バンクを作ってください運動”をした事があります。
その時知遇を得た医師たちの、病気の原因や機序や探る真摯な姿、
また治療法の確立に向けた努力に感銘を受けました。
この「地球温暖化説」をみると、
仮説があります。
証明されました。
対処方法はこれです。
というステップがあまりにも軽い。
何千・何万の症例がある病気でもあんなに苦闘している。
地球というものは人体よりも複雑だと思うのだけれども、
(たった一つの症例しかない)
地球の自明な治療法というものがあるものなのですか?
ということを問いたいと思います。
> 科学ってそんなに簡単に仮説が検証できるほど安直で、
> 唯一の対処方法が確定されるほど万能なものなのですか?
そこなんですよ。気候は複雑系で、簡単に理解できないです。
> その時知遇を得た医師たちの、病気の原因や機序や探る真摯な姿、
> また治療法の確立に向けた努力に感銘を受けました。
観測結果や反論を真摯に受け止め、間違いは素直に認めること。メディアや政治サイドの責任もありますけど、今になって振り返ると、温暖化研究では科学者として謙虚な姿勢が欠けていたんだと思います。
IPCCにも温暖化論者にも『人間が排出したCO2で地球が温暖化している』という絶対的な結論があり、懐疑論はエセ科学と断定され議論にすらならなかった。
温暖化の科学では都合の良い物理・化学現象を探して来て、モデルを組んではシミュレーションが行われています。しかし個々の過程を詳しく見てみると、ほとんどのモデルがどこかで破綻している。先に挙げた放射平衡モデルでは、
『日光で暖められた地表から赤外線が放射され(黒体放射)、それをCO2が吸収・再放出を繰り返し・・・』
と一見“科学的”に見えますが、問題点を挙げると、
・対流圏(地表から高度11kmまで)では地表からの熱は主に空気の伝導や対流で伝わるのであり、放射電熱が支配的なわけではない。
・(先のコメントでも挙げましたが)下層大気で赤外線の再放出はほとんどなく、赤外線を吸収したCO2は他の分子と衝突しエネルギーを失う(無放射緩和過程)。
物理的に破綻しているわけです。
シミュレーションでは実際の観測結果(CO2濃度と気温の相関、過去の気象変動など)とうまく合うようパラメーターを調整し辻褄合わせしますが、物理的に正しくないモデルを使っている以上そんな物は未来予測には使えないと、まともな物理屋なら考えます。
でも反論すると、懐疑派として潰される。
> 地球の自明な治療法というものがあるものなのですか?
かなり難しいです。
現在、温暖化しているのか寒冷化へ向かっているのかすら分かりませんから。最近言われているように地球が寒冷化しているのなら食糧増産など対策を考えるべきですが、過去の気温データが信用できない以上、過去と比べてどの程度の寒冷化なのか評価できません。その意味でデータを不正操作していた連中の罪は、極めて重い。
正直なところ、あまりに酷い連中が権力を握ってしまったのが地球温暖化だったと思います。
(ここではモデルが間違っていないとして話を進めます。)
気象はナビエ・ストークス方程式で記述され(数値計算にはプリミティブ方程式もよく使われます)、そういう意味では既に完成された学問だと言えます。ただ問題なのは、ナビエ・ストークス方程式は非線型方程式であり“複雑系”。気象は微分方程式として記述できるものの、具体的な解をもとめるのはとても困難です。
ナビエ・ストークス方程式をコンピューターシミュレーションで解くため、有限差分法・有限要素法・スペクトル法などの手法が生み出されましたが、コンピューターシミュレーションは局所的な天気予報など『領域モデル』ではそこそこの成功を収めているものの、グローバルな『全球モデル』の精度は散々でした。
ところで、地球温暖化で問題とされている“微量の二酸化炭素による温室効果”は昔から反論も多く、コンピューターシミュレーション以外に理論的サポートがなかったのも事実。それなのに学会やIPCCはシミュレーションの将来予測を過信し、突っ走ってしまったのが現在の悲劇に繋がったのでしょう。
物理の名誉のために言うと、温暖化予測が外れたからと言って気象学の基礎となるナビエ・ストークス方程式が間違えていたというわけではないです。気象とはシミュレーションで予測するのが難しいシステムである、ということなのでしょう。
こんにちは、はれほれです。気象庁から回答がありましたのでお知らせします。
「各国気象機関では、世界気象機関(WMO)の枠組みに従って気象観測
データを交換しています。
気象庁でもこの枠組みに従って世界にデータを発信しており、月平均気温
は53地点(昭和基地も含む)のデータを送っています。
これらの地点のデータは、年ごとに若干の増減はありますがGHCNにも
概ね収録されています。
2009年については、盛岡、長野、水戸、津、徳島の5地点がGHCNに収録
されていませんでした。」
日本の場合はドロップアウトは少なく本土に限ると47/52という結果でした。
他の46地点がどこかというのと送信した年代(いつからいつまで)を引き続き
問い合わせ中です。日本の場合は都市化の影響が大きくはずす必要がないと
いうことでしょうか?ロシアやカナダの高緯度地域のドロップアウトがデータ
が送信されているのにかかわらずなのか、単に送信されてないからなのかが
GHCNの正当性を論じるうえで重要なポイントになりそうです。D'Aleo & Wattsの
レポートではアメリカ合衆国自体のデータにおいて内部で恣意的なドロップアウト
が行われているようです。やっぱり前者の確率が高いように思いますがいかがで
しょうか?
私もNOAAのGHCN(全球気温・降水量データセット)に対し、日本の個々のステーションのデータが欲しいとメールしました。
> 気象庁でもこの枠組みに従って世界にデータを発信しており、月平均気温
> は53地点(昭和基地も含む)のデータを送っています。
気象庁はWMO(世界気象機関)を通してGHCNに観測データを提供しており、GHCNに登録されている日本のステーション数は世界で4番目に多い165基。
GHCNのデータにUSHCNが補正を加えたものはNASA・GISSで公開されていますが、日本国内では148個の観測地点のデータが公開されています(稚内から室戸岬までが日本)。
http://data.giss.nasa.gov/gistemp/station_data/station_list.txt
アジアのステーション数の変化をグラフにしたのがこちらですが、日本も含め1990年に謎の急降下。
http://82.42.138.62/GHCN/images/Raw_Asia_Stacked.png
気象庁は日本各地に1,300基のアメダスを設置していますが、WMOに送るデータの数が減ったのでしょうか?
1990年は世界中で観測ステーションが一斉に蒸発した年。時代の進歩や地球温暖化への注目と共に観測ステーションは世界的に整備されたはずなのに、変ですね。
http://82.42.138.62/GHCN/images/Raw_AllWMORegions_Stacked.png
日本に話を戻すと、NASA・GISSで現在でもデータが記録され続けているのは、38都市。
釧路、根室、網走、浦河、旭川、札幌、函館、若松、寿都、稚内、青森、東京、前橋、銚子、仙台、大島、鳥取、輪島、新潟、名古屋、御前崎、金沢、大阪、舞鶴、潮岬、高松、名古屋、高知、松山、広島、松江、福江、宮崎、大分、鹿児島、長崎、福岡、名瀬(見落としがあるかも、どなたかチェックお願いします)。
あちこちで指摘されているように、“標高が低く都市部”に集中しているように見えます。(標高300m以上の観測点のデータが落とされていることが指摘されています。)
気象庁は、以前は世界平均気温を求める際にGHCN(NCDC)のデータを使っていたようですが、NCDCのデータは月により観測地点の場所や数が凄まじく変動するため(約300〜3900地点)、2001年以降は月気候気象通報(CLIMAT報)のデータに切り替えています。観測地が先進国に集中し都市化による影響は考慮されていないですが、何をやっているのかわからないGHCNよりましとの判断でしょう。
> ロシアやカナダの高緯度地域のドロップアウト…
ロシアはデータを送ったのに、HadCRUTは都市部のデータ(全体の1/4)しか使わなかったと文句を言っていますね。本当に怪しい話ばかりです・・・