おじさんのための趣味講座

   

 

シベリアンハスキーの部屋

 シベリアンハスキーの本来の気質や性質を、ハスキーが育った環境や作られてきた経緯を交えて説明しています。
 また、それをふまえた上で私がしつけをする上で経験したことを載せています。

シベリアンハスキーについて            Siberian Huskyの友達たち へ行く

 シベリアンハスキーはご存じの通り、そりを引く使役犬(そり犬と断定しても良い)として飼われています。そのためハウンド系の犬ほど走るスピードは速くありませんが、中速度で長距離を走る持久力に優れています。
 しかも食事は、大変質素でどんな種類の食物にも適合し、食べる量も同じぐらいの体格の犬と比較して少量ですみます。
 そして、無駄ぼえをしません。吠える声を何ヶ月も聞かないことはしょっちゅうあります。
 また、大変きれい好きで猫と同じように自分の毛をなめ、清潔を保ちます。
ウォルフ


来たばかり?


7ヶ月ぐらい

 

エリー

 


4ヶ月ぐらいかな?


かじかじしてる


6歳 貫禄でたなー


年賀状用のポーズ


7歳 山中湖トレーラーズビレッジにて


山中湖畔


2001年5月 ぐでー


2005年3月

 

1.本来の気質

 シベリアンハスキーは、シベリアに住むチュクチ族が飼っていた犬が起源で、その過酷な自然状況の中で生き延びるために、人為的に交配・淘汰されてき たという歴史があります。そういう環境の中でそり犬として飼われてきた、という一点から出発します。

1.移動生活の中、広いシベリアで他の人と会うことはまれで、また人と会うことは歓迎すべきことだっ
  たため、犬たちは他人を攻撃するという本能をはぐくむ必要がなかった。

2.他の犬たちと協力し、人間と一緒に働くように淘汰されてきた。


 このような淘汰の結果、人間に対する信頼、物を引く性向が養われました。
 したがって、ハスキーは自分がしたい時に柵を越えて遊びに行くことにためらいを見せないし、道で出会う人々は犬にとって友達と言うことになります。

 

 

 





詳しく書かれています

J.バレリーノ・著 渡辺 格・訳
誠文堂新光社

2.性格と行動

 ハスキーは飼い主の言うことを聞かず「馬鹿だ」、と言うことをよく耳にします。
 確かに、非常に頑固で服従させることはほとんど不可能、飼い主の言うことに従わず、瞬時の隙をついて逃走してしまう、というところが表面上は見受けられます。
 なぜ「表面上は」と付けたか。それは、上の「本来の気質」に説明した「淘汰」に由来します。
 シベリアでそりを引くハスキーが暮らす環境は、雪原(氷原)です。
 つまり、クレバスも存在します。当然、そりを引くハスキー犬が人間(マッシャー)より前にいます。先頭にはリーダー犬がおります。ハスキーの数が多ければ、それだけリーダー犬とマッシャーの距離が離れることになります。
 雪原を走っている時、前方にクレバスを発見するのはまずリーダー犬です。しかし、マッシャーが気がつかず「前進」と命令し、リーダー犬がそれに従えば犬自身の命もそうですが、マッシャーひいてはこのチーム全員の命が失われる可能性が高くなります。
 誰も助けてくれない雪原の上で、自分を守ってくれるのは自分しかいないわけです。
 そのためハスキー犬は、犬自身の判断で危険を回避するように作られてきました。マッシャーの「前進」という命令に従わず、自分の判断でクレバスを避けるようなリーダー犬のみを残してきました。つまりそういう犬だけをリーダー犬とし、そしてそのリーダー犬だけを交配させてこの犬種を守ってきたわけです。
 この長い淘汰の結果、ハスキーは自分の判断で行動するという性格を手に入れたわけです。飼い主の言うことを聞かないのは、当然の帰結です。

3.しつけ

 前述の経緯があるため、ハスキー犬は自我が強くしつけがしづらい犬種となりました。
 しかし仕付けが全くできないわけではなく、この性格をよく理解した上で行えば人間の命令を聞く犬にすることができます。
 人間がリーダーとなれば良いわけです。
 しかしこれが一番難しく、しかも継続しなければならないことでもあります。
 犬の飼い方の本はたくさん出ています。もちろん、ハスキーに限定した本もあります。私の経験から、それを鵜呑みにしない方が良いと思います。もちろ ん従う方が多いのも事実ですが。

事例1 トイレの仕付け

 子供の時に自宅にきた時は、ある程度仕付けができていても予期せぬ場所で排泄することがあります。我が家でも畳の上にしたこともあります。
 ふつう見つけた時にはすぐに(本にも書いてあり、正しいと思います)、「いけない」と叱り鼻を床にこする、といわれます。しかし、この「鼻を床にこする」は必要ないのではないか、と私は考えます。私も一時期はこのようなことも確かにしました。しかしあまり効果はなかったと記憶しています。
 自分の印象的な出来事を紹介すると、何度も畳の上で排泄していると、その子が排泄をしたい時の動作がわかってきます。私の場合は、排泄前を見計らって「トイレはここだよ」と教えたところ、その場所へ移動し排泄しました。その排泄直後に、思いっきりほめてかわいがってやったところ、次からは言わなくてもトイレで行うようになりました。この時は、叱るよりもほめる方が効果がありました。

事例2 呼びの仕付け

 「ハスキーは呼んでも来ない」と良く耳にします。他の命令についても飼い主の言うことを聞かないために、一時期のブームで多数飼われましたが、飼いきれずに捨てられてしまったという、不幸な過去がありました。
 しかし、「呼び」に従うハスキーが実際にいるのも事実です。確かに「本来の気質」や「性格と行動」で記述したように、犬自身の判断を重視して作られてきた犬種のため、人間の命令に従いづらい面はあります。
 うちのエリーに「呼び」が効くようになったのは、ある日の散歩の時の出来事がきっかけでした。その日の前から、空き地で「呼び」の練習をしていましたが、なかなか従ってくれませんでした。そういうことを、まだ数回しか行っていない時の出来事でした。
 散歩に出てすぐ、まだ家の近くにいる時です。犬のいく方向ではなく「こっちに行こう」とリードを何回か引いた時、そちらに行きたくないためにエリーが後ずさりしたら、首輪が緩かったため、首から抜けてしまいました。
 最初本人も状況がわからず、きょとんとしていました。しかし、自分が自由になっていると悟ると、いつもの散歩コースへ行こうと歩き出しました。
 「まずい」と思い「おいで」と何度も言うと、エリーはこちらを見るなど反応はしましたが、でも来ませんでした。しまいには「来い」と多少怒って何度も強く言ったところ、やっと来てくれました。
 その時に私がしたことは、「事例1」と同じように思いっきりほめたことです。つまり、多少命令に従うまでに時間がかかっていたとしても、人間が命令したことに犬は従ったわけですから、ここで「なぜ早く言うことを効かなかったのか」と怒ってしまうと、犬は言われたことに従うと怒られると考えるようになるわけです(本にも書いてあります)。
 ですから、命令通りにしたのですから、ここは褒めてあげるわけです。
 この出来事がきっかけで、エリーは「呼び」が効くようになりました。もっとも、「来い」と言ってその指示に一応従うという、つまり人間への依頼心が他のハスキー犬より強い、言うなれば多少ハスキーらしくないというエリーの性格があったかもしれません。犬によっては、あまり呼びが聞かない個体がいるかもしれません。うちはラッキーだったといえます。エリーは、ハスキー本来の性格が薄かったのでしょう。
 ちなみに、この時エリーが私の足下まで戻ってきた時、「何をされるのか」と思っているようなそぶりでした。そして、かわいがってやるため、しゃがんだ時もビクッとしていました。しかし、思いっきり褒めてやると、嬉しそうな表情となり、はずれた首輪を付けるために「待て」と指示するとそれにも従っていました。

 

事例3 待ての指示

 ハスキーは、動いたり、はねたりする他の動物を獲物と見ます。ですから、猫は格好の獲物です。普段吠えないエリーも、猫を見るとこれが同じ犬かと思うぐらい吠えます。
 散歩の途中で、広い田んぼがあるところを歩きます。春先、まだ水を張る前は格好の遊び場となります。そこでリードをはずし、自由に歩かせています。しかしここは、猫の散歩場所でもあります。ある時、見回して猫がいないのでリードをはずしました。しかし、猫が隠れておりエリーがそれを見つけ追いかけようとしましたが、「待て」と大声で言うとその場に留まり猫を凝視していました。「おいで」と言いましたが、神経が猫の方に行っているこの状況ではさすがに聞き入れませんでした(実際は聞こえないのかもしれません)。
 いつ追いかけるかわからない状態なので、この時ばかりは私がエリーのところまで行き、リードを付けて褒め・かわいがってやりました。その時も神経はまだ猫の方を向いておりましたが、リードを引っ張り散歩を続けるとすぐにいつもの状態に戻りました。
 これらの事例を考えると、仕付けは怒るのではなく、思い切り褒めてあげる方が効果がある、と私は思います。
 ハスキー犬は、扱いづらいかもしれませんが、その歴史(性格)を理解し、褒めることにより、シベリアや山の中ではない、人がたくさんいる都会でも共に生活できる犬に育てることが可能であると思います。
 またハスキーは中型犬で、部屋では飼えないと思っている方がいると思いますが、無駄吠えがない、自分で毛をなめて清潔を保つ(猫のようになめるのはハスキーのみ)、食事の量が同じサイズの犬に比べて少ない、フレンドリーである(とにかく人間が好きです)などの理由で、私は逆に部屋飼いに向いていると確信しています。
 ただし、抜け毛の量は半端ではありません。というのも、寒い土地の犬のためダブルコートと言って、外見として見える毛の下に非常に細い防寒用の毛があります。そのため一年中、少しは抜けているようで部屋の床に落ちており、これが換毛期には固まりとなっています。
 ちなみにうちのエリーは、ブラッシングとシャワーが嫌いです。他のハスキーでも同じ意見の方が大勢います。子供の時はきれいなため、両方ともしなかったせいではないかと思います。子供のうちに慣れさせれば問題はないのではないかと考えています。
 現在あまりハスキーを見なくなり、寂しいと思っています。しかし、皆さんもそれぞれ好みがあります。その好きな犬種(犬種ばかりではなく、その個体についても)の性格を良く理解した上で、その子にあった仕付けをすれば長く一緒にいられる家族にすることができると思います。
 捨て犬という不幸な経験をする子がいない、そして、もし捨てられても処分されずに第2の生活が送れる社会システムができることを希望します。

 

平成17年7月27日午前7時 エリーは旅立ちました

(平成17年7月28日アップ)

平成17年7月3日撮影(最後の写真です)
散歩の後、気持ちよさそうに寝ています

 エリーは平成5年8月22日に生まれ、平成17年7月27日午前7時に永眠しました。
 11歳11ヶ月5日の生涯でした。ここ1年半から2年ぐらいで急に足腰も弱くなり、昨年の夏は2ヶ月間ぐらい下痢をして激やせしていました。今年も暑くなってから体調を崩すようになり、この写真を撮影した少し後に、一週間ぐらい食べずにおり、食べても吐いてしまっていたそうです。しかし、その後は多少なりとも食べていたようです。ただ、たまに吐いてしまっていました。

 散歩は大好きで、よほど体調が悪くなければ行っていました。「エリー、散歩に行く?」と言うと、喜んで立ち上がっていたそうです。そして、死ぬ2日前の7月25日にも1時間以上散歩をしておりました。

 26日は台風の影響で散歩はできず、その夜寝た後に苦しいのか「ひーん、ひーん」と言うような声がするので、母親が背中を撫でたりすると安心するのか、鳴かなくなっていたそうです。

 そして27日の朝、やはり「ひーん、ひーん」と鳴くので背中を撫で落ち着いた後、「かち、かち」と歯が当たる音がして、それがだんだん小さくなり息を引き取ったそうです。

 そのすぐ後、母親は私に電話をくれました。仕事の都合ですぐ行けず、夕方急いで実家に行きました。
 エリーはまるで寝ているようでした。いつものように手足を投げ出し、顔も写真のように気持ち良さそうな表情でした。呼べばむくっと起きそうな感じです。
 しかしエリーはもう起きません。
 でも、ウォルフやオヤジと楽しく散歩しているんでしょう。

 エリー、約12年の間、楽しい思い出をたくさんありがとう。
 良い旅をしてください。

 享年11歳11ヶ月5日

 


 エリーは亡くなってしまいました。
 しかし、このページはこれからも更新し続けたいと思っています。ハスキーの誤解を解いたり、ためになる情報やかわいい写真を紹介していくのが、エリーへの供養になると思うからです。
 そして何よりも、私がシベリアンハスキーが好きだからです。

 

シベリアンハスキー写真集

かわいいハスキーパピーがいっぱいです

新美 恵子・撮影
誠文堂新光社

新倉 万造・撮影
白泉社

 カナダに住んでいるワンコ達が載っています。

 


 

このページの上に戻ります

 

TOP HOME INDEX PC自作 ガーデニング Siberian husky 個人輸入 銀河英雄伝説

ホームページ作成日記 Link集 時計     BBS ブログ