「・・・約一年半振りやなぁ」

 ボソリとトウジが呟いたが、その声は誰にも届かずに空間に呑まれていった。

 「そうだな・・・」

 ケンスケが、ケンスケだけがそれに呼応したが、やはりその声も闇に吸い込まれていった。

 「まぁ、実際に思いついたのは春頃だったらしいから、実質的には10ヶ月ってトコだけどね」

 ケンスケが肩をすくめつつ付け加えた。

 「今さら復活したって誰も憶えてへんのやないか?」

 「向こうも半年近く放置しているしねぇ・・・」



 ハァ・・・



 どちらからともなく溜息が漏れた。

 「まぁ、それよりも、や」

 トウジがパァンっと膝を叩きつつ語りだす。

 「見てみぃ、このタイトル? どーするつもりや!? どーするつもりだったんや! と問いたい。問い詰めたい。小一時間問い詰めたい」

 一頻り捲くし立ててから再度溜息を吐く。

 「・・・まさかねぇ・・・」

 ケンスケが悲しげに頭を振りつつ続ける。

 「コッチコレの方が面白いとはねぇ・・・」

 「二番煎じのデッドコピーも良いトコやないか・・・狭いパイ食い合ってどうするつもりだったんや・・・」

 トウジが涙混じりに呟く。

 その嗚咽が薄暗い部屋に響き、やがてケンスケのそれも混じって陰々鬱々とした空気が重く肩に圧し掛かる。

 「ねぇ、二人とも何話しているの?」

 シンジが部屋のドアを開けて現れる。

 表の真白き光が射し込み、陰鬱な空気を払おうとばかりに二人を照らすが、それによって影が一層に濃くなる。

 「・・・あー、何やっけか?」

 トウジが涙の跡を残したまま呟く。

 「何か・・・とても悲しい事があった様な気がするんだけど・・・」

 ケンスケも目を腫らしたまま呆然と呟く。

 「変な二人だなぁ。それよりも次の授業理科室だよ、早く行こうよ」

 シンジが二人を急かし、部屋から連れ出す。

 「おお、せやったな。スマンスマン」

 頭を掻きつつトウジが廊下を歩みだす。

 「早く早く!」

 シンジはもう既に随分先に行ってしまっている。早く追いつかなければ。

 そう思ったケンスケの脳裏に一つの疑問が芽生えた。



 あの部屋は一体何の部屋だったんだ?



 しかし、ケンスケが振り返るよりも早くシンジからの声がかかり、その疑問は結局払拭する事は適わなかった。

 なお、その部屋には・・・










楽屋





 と、表札がかかっていた。


私家版・新世紀エヴァンゲリオン
POCKETFUL of RAINBOW

遅れて来た10000HIT感謝記念地獄短編
ミサっちんとリッコちんのサルでも書けるエヴァ小説教室
改め、
爆笑! エヴァ小噺集


WRITEN by:MIYASOH



Case:1

綾波レイの場合

 レイ「お父さん、パンツが破れた」

 狩野「またかい?」






Case:2

惣流=アスカ=ラングレーの場合

 アスカ「加持さん、日本って遠いの?」

 加持「黙って泳ぎなさい」






Case:3

碇シンジの場合

 シンジ「父さん、パンツがy・・・」

 ゲンドウ「問題ない」

 シンジ「父さん、アメリカってt・・・」

 ゲンドウ「問題ない」

 シンジ「父さn・・・」

 ゲンドウ「問題ない」

 シンジ「ボクはいらない子なんだーーーッ!!!」






Case:4

もしも、葛城ミサトがMr.ジャイアンツだったら?

 ミサト「使徒がグワァーっと来たらドカァーって殴って、

     ゴバァーって来たらドドドーって撃って、

     もけけぴろぴろ〜って来たらちんぴょろスポーンって倒すの。分かった?」






Case:5

もしもゲンドウが立川談志だったら?

冬月を電車のホームから突き落としておいて、「シャレだよ」の一言で済ます。






Case:6

懲罰

 あるネルフ職員がジオフロントで「司令のバカヤローッ」と叫んで保安部から33日間の懲罰房禁固を申し渡された。

 内訳は、司令侮辱罪が3日、機密漏洩罪が30日である。






Case:7

レストラン

 ある日、ネルフの諜報部員と内閣調査室の調査員とゼーレの秘密工作員がレストランに入った。

 内閣調査室の調査員は3人分の勘定を持ったらいくらになるか考え、

 ゼーレの工作員はワリカンで払ったらいくらになるか考え、

 ネルフの諜報部員は奢ってくれた二人にどんなお礼を述べようか考えた。






Case:8

レストラン2

 ある日、ネルフの諜報部員と内閣調査室の調査員とゼーレの秘密工作員がレストランに入った。

 店員「いらっしゃいませ、お客様何名ですか?」

 加持「一人です」






Case:9

家事

 ヒカリ「ねぇアスカ、あなた料理も片付けも洗濯も全部碇君に任せているってホント?」

 アスカ「そんなワケないでしょ! 料理も片付けも洗濯も全部アタシが担当しているわよっ!






指揮官として」   






Case:10

信用

 ある日、ネルフ司令碇ゲンドウは自分が一般職員にどれだけ支持されているか気になり、変装して探ってみる事にした。

 そして食堂である男に「なぁ、司令ってどう思う?」と聞いてみた。

 するとその男は真っ青になり、ゲンドウを連れて食堂を出て、人気のない更衣室に入って言った。

 「ここだけの話だが・・・





 実はオレ・・・司令を支持しているんだ」





 そーゆーワケで今回は小ネタ・小噺集でした。

 えーと、あー、楽しんでいただけましたでしょうか? あー、前回からメチャメチャ時間空いてるんですが、それはそれ、短編ですから問題なしって事で。ええ、お願いします。





 前振りの方が長いとか言うなァァァァァァァァァァァァァッ!!!

 大変なんだ! 小ネタたくさん考えるのって大変なんだ!!

 ストーリーないしさぁ! 制約ないしさぁ! 量必要だしさぁ!!!

 コレで精一杯なんだ! イッパイイッパイなんだ!!

 ほっといてくれ!!





 追伸:『ザザーン シンジくん』は面白いのでオススメです。



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