オオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン





 吼えていた。





 空が、





 海が、





 山が、





 そして魂が。





 少女は確かにそのを聞いた。空間を揺さぶり脳に、いや魂に直接振動を与えるを。

 「何だっていうのよ・・・・・・・・・。」





 「何だっていうのよ・・・・・・・・・。」少女は呟いた。

 ベッドから起き出し辺りを見回す。何の変哲も無いいつも通りの彼女の部屋だ。





 「何だっていうのよ・・・・・・・・・。」少女は再度呟き自らを抱きしめた。





 まるで、の元に駆け出したくなる自分を抑え込むかのように。





 赤みがかった金髪の少女は一晩中そう過ごした。


私家版・新世紀エヴァンゲリオン
Japanese Gentleman Stand Up Please!

ACT.02=A
見知らぬ天井
あるいは
なんだかよくわからないけどともかく勝った


writen by:MIYASOH



 オオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン



 「ついに彼が目覚めたわね・・・・・・・・・」リツコが呟いた。

 「勝ったな・・・・・」冬月も呟いた。





 発令所のメインモニターには半壊しながら吼えているEVA初号機―いや、シンジの姿が映っていた。





 「『巨凶』六分儀ゲンドウと『戦闘氏族』碇家の禁断の融合か・・・・・・・・」狩野が呟いた。顔が青ざめている。










 時間は少し遡る。

 シンジはエントリープラグの中にいた。

 「何で人がいるんですか?」

 初号機エントリープラグ内に関してはワタクシ、ナレーター3号受け持ちますので。

 どうぞ、よろしく。

 「あ、はい。こちらこそ・・・・・・・」シンジは釈然としない顔で礼をした。

 「シンジクン、気にしなくていいから」ミサトがエントリープラグ内のシンジに向かって声をかける。

 (そんな事いわれたってなぁ)

 シンジのそんな思いとは関係なく着々と進む発信準備。

 「冷却終了!!ケイジ内全てドッキング位置」

 「パイロット・・・エントリープラグ内コックピット位置に着きました!!」

 「了解!!エントリープラグ挿入!!」技術局の連中が叫んでいる。

 「ヨーソロー!!面舵いっぱい!!」1人船と勘違いしている奴がいる。

 勘違い野郎は保安部に連れて行かれた。

 「プラグ固定完了!第一次接続開始!!」発令所の女性オペレーター、伊吹マヤが告げる。

 「エントリープラグ注水!!」










 注水!?

 「うわぁ!ナニ?ナニ?ナニ?」エントリープラグ内にオレンジ色の液体が浸入してきた。

 ああ、もう肩まで浸かってる・・・・・・・ゴパッ!

 「うっぷ。おぼ・・・・・・ゴボッ」シンジも・・・・・・・ゲフッゲフッ。溺れそうだ・・・・・・。

 「心配しないで。肺がLCLで満たされれば直接酸素を取り込んでくれるわ」





 ブハァッ





 「ぼ、ボクはなんとか平気ですけど3号さんが!」

 「チッ!手間取らせるわね」



 カチリ



 ・・・・・・・・・・後で聞いた所によるとリツコが怪しげなスイッチを押した瞬間ワタクシの体が大きく痙攣したらしい。

 何はともあれEVA初号機出撃である。















 ガゴン



 無人の第3新東京市に初号機が地表からせり出してくる。





 運悪く使徒の真ん前。





 間違いない。これは陰謀だ!!誰かが陥れようとしているんだぁぁぁ!!!

 「シンジ!避けろ!!」狩野が叫ぶ。

 使徒が初号機の右腕を押さえようとしていた。

 「うわ!」シンジが慌ててレバーを引く。

 後ろによろめく初号機。幸いな事につかまれる事はなかった。

 「よく聞いて!EVAはアナタが考えた通りに動くわ!」リツコが指示を出す。





 なんとかバランスを立て直す初号機。





 今度は頭部を狙って右手を突き出す使徒。





 ヘッドスリップしてかわす初号機。ちょうどこめかみにあたる部分の装甲が削り取られる。





 右手が戻るよりも早く使徒は左手を胸部に向けて突き刺そうとする。

 「フェイント!?」ミサトの声。





 なんとか振り払う初号機。使徒の手から伸びた光の槍は初号機の脇腹をえぐって横のビルに突き刺さる。

 「よし!!」狩野が叫ぶ。





 しかし、初号機を見据える使徒の虚ろな眼窩が――――





 光





 圧力





 衝撃





 痛み





 圧倒的な痛み。










 メインモニターに映るのは頭部装甲を破壊され、素体表面を焼け爛れさせてビルにもたれかかる初号機。

 「なんてこった・・・・・」床にへたり込む狩野とミサト。

 「まだよ。見てなさいEVAの真の力を」自信ありげに言うリツコ。

 その自信を1%でもいいから分けて欲しい。





 ゆっくりと起き上がる初号機。





 オオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン



 「ついに彼が目覚めたわね・・・・・・・・・」リツコが呟いた。

 「勝ったな・・・・・」冬月も呟いた。





 発令所のメインモニターには半壊しながら吼えているEVA初号機―いや、シンジの姿が映っていた。





 「『巨凶』六分儀ゲンドウと『戦闘氏族』碇家の禁断の融合か・・・・・・・・」狩野が呟いた。顔が青ざめている。

 「まさかさっきの!?」ミサトが叫んだ。脳裏に先程の内なる野獣を解き放ったシンジの姿が浮かぶ。

 うなずく狩野。










 再度その虚ろな眼窩から光線を放つ使徒。





 初号機に命中・・・・・・・違う。残像である。





 大きく跳躍する初号機。高い―――高すぎる。





 次の瞬間、





 使徒のコア(胸の光球)から初号機の右手が生えていた。

 使徒の後ろに着地した初号機が振り向きざまに抜き手で使徒を刺し貫いたのである。





 沈黙する使徒。





 光。





 暗転。





 ホームページ開設からはじめての「J.G.S.U.P」更新ですね。

 ちなみに今回からシンジのセリフに色がつきました。

 理由は簡単、初号機に乗る決意をしたから。だから紫色なんです。

 逆に降りると決意すると普通のテキスト色になったりするんでしょーね。先の事はあまり決めていないんでなんとも言えないんですけど。

 次回「The Beast or I won,but I don't know anything」でお会いしましょう!

 ちなみに作者は英語力がないんで英語版サブタイトルの文法があってるかどうか分かりません。

 今回のメッセージは葛城ミサト女史からです。
 「なんかさぁ、出番少なくない?」

 善処します。



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