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地球温暖化バブル

『季刊AT』という雑誌に、槌田敦氏の「温暖化の脅威を語る気象学者たちのこじつけ理論」という論文が出ている。著者は著名な物理学者で、この原文は今年の国際学会誌に掲載されたものであり、トンデモ論文ではない。その主要な論点は、
  • 地球温暖化は、CO2蓄積の原因であって結果ではない
  • CO2濃度の上昇の主要な原因は、気温上昇であって人間活動ではない
ということである。くわしい論証は英文論文にあるが、その意味は図1をみただけでもわかるだろう。この図は過去22万年間のCO2濃度と気温変化(ΔT)とメタン(CH4)濃度を比較したIPCCのデータだが、ほぼ完全な相関関係がみられる。絶対的な気温でみても、現代より1000年前の「中世温暖期」のほうが気温が高く、最高気温は10万年前に記録されている。この原因が人間活動でないことは明らかである。


図1 過去22万年間のCO2濃度と気温(IPCC)

この相関をCO2上昇→気温上昇という因果関係と解釈するのが大方の見方だが、相関関係が因果関係を意味しないことは、統計学の初歩である。CO2が気温を上昇させるのか、気温上昇によって生物が増え、海水温が上昇してCO2の放出量が増えるのかは自明ではない。詳細にみると図2のように、気温の変動(実線)がCO2濃度の変動(破線)に数年先行している。このデータを計測したKeelingは、気温変化がCO2濃度変化の原因だと結論している。気温変化の最大の原因は、太陽活動や対流の変化である。大気中で最大の要因は数十%も含まれる水蒸気であり、0.03%しか含まれないCO2の影響は、通常は無視できる。


図2 20世紀後半の気温とCO2濃度

同じ趣旨の槌田氏の論文は、日本物理学会誌や気象学会誌にも掲載されたので、興味のある読者はウェブサイトを参照されたい。私は気象学の専門家ではないので、彼の説が正しいのかどうかは判断できないが、この問題はまだ論争中であり、学問的な決着がついていないことは明らかだ。

CO2の増加が温暖化の原因か結果かという基本的な問題についてさえ、このように議論のわかれる状況で、「温暖化サミット」だの「排出権取引」だのと騒ぐのは、あと10年もすれば、群衆的行動によるバブルだったということになるリスクが高い。少なくとも日本政府は排出権取引を採用すべきではないし、ポスト京都議定書の制度設計も、こうした科学的な疑問が解決してからにすべきである。

追記:対流の変化で、地球が寒冷化する可能性を指摘する論文がNatureに掲載された。槌田氏も、100年スパンでは寒冷化するリスクが大きいと予測している。これは凍死など、温暖化よりはるかに大きな被害をもたらすので、温暖化対策予算の1/100ぐらい寒冷化対策に使って、ヘッジしたほうがいいのではないか。
コメント ( 81 ) | Trackback ( 13 )
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コメント
 
 
 
科学と政策と報道 (zeronemax)
2008-05-08 15:20:57
最近、科学の名を借りて政策がなされ報道が走り世論らしきものができあがる怖さを味わっています。

そういう意味で言えば武田先生は勇気ある学者だと思っていましたがあまり評価されない・・・池田先生が違う論文を出していただけたので、少し安心しました。

振り返るに4月1日のエイプリルフールの氷河期という投稿を本気で最初は読み、でもなぁと考えているとコメントで今日は4月1日だと指摘があり、やっと気がついたことがありました。

省エネを推進したい環境行政が地球温暖化のためという大義名分を得て世界的規模でダイナミックに動き出しノーベル賞まで出した温暖化協奏曲の流れがどのように収斂していくのか興味が残りました。ありがとうございます。

同じことは禁煙運動にも言えます。本当の禁煙対策は『20歳過ぎても禁煙』だけで効率的かつ効果的なのですが、それには一切触らずタバコは20歳過ぎてから・・・が野放しになっており、行われるのは非効率な喫煙者苛めがメインになっているのも不思議な現象となっています。

メタボリックシンドロームも同様です。池田先生の写真を見る限り、ウェストは確実に85cmは超えているはず。85cm程度の小太りの方が寿命が長いという統計データもあります。

政策が手段として科学を使うのを監視するのが本来はマスコミの役割ですが拡声器になっている怖さを感じています。そのためには学者が声を出して欲しいと願っている次第。
 
 
 
看板さえあればいい (就職氷河期っ子)
2008-05-08 15:54:29
zeronemaxさんの懸念に同感です。
政府は看板さえあれば中身はどうでもいいようです。
社会保険庁やこの利権がその証拠です。
いかにして国民から金を盗るかという点に着目し、官僚は国語辞書を片手に、様々な情報から看板にする単語を抜き出して金にする事に命を賭けているのでしょう。
それに騙される国民もどうかしています。
日本のお上信仰がもたらす喜劇ですね。
 
 
 
今年のエイプリルフール (雲のパン屋)
2008-05-08 16:33:47
今年のエイプリルフールに、
地球は氷河期になる
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/b66ce19df3085a4bf6ed6085b7434464
というような記事がありましたが、

エイプリールフールのネタかと思っていました
(このブログ記事のコメント欄を読んだのと、記事の年月日から)

でも、ネタではなかったんですね。
 
 
 
感激した (星と月)
2008-05-08 17:12:59
論理立ても良いが、政府への提言としてもこの記事は
素晴らしい。
我々のような一般人がまず採用すべき考え方と態度が上記の記事だ。
健全な洞察力とはこういうものだと思う。
 
 
 
環境主義者のリスク感覚 (環境研)
2008-05-08 17:21:52
池田氏も指摘されているように、相関関係を因果関係と取り違えることは、我々がしばしば陥ることで、科学の議論では絶対に避けなければならないことです。そのためには何が温暖化をもたらしているのか、本当に真剣に考え、かつマスコミももっときちんと報道すべきと思います。地球温暖化をはじめとする環境問題の議論では、この種の疑相関=因果関係という議論が多すぎます。
ついでに、最近のニュースで真剣に考えないといけないのは、排出権取引を行っている集団の温暖化ガス排出量が、実際には増えているという事実です。EUの主張する排出権取引の議論の背景には、東欧をEUに取り込む政治的経済的コストを、それらの国の非効率な工場が淘汰されたことによる排出量削減を非EUに売ることによって回収しようという狙いがあります。排出権取引によって温暖化ガスが減るという保証はありません。条件設定によっては増えます。それでも証券化できればいいと、かんがえているのかもしれませんが、それでは環境に名を借りたサブプライムローン化です。
 
 
 
ハイエクならどう言うか (宮本洋一)
2008-05-08 17:45:50
気になったので、国会図書館で「温暖化」の件数の推移を調べてみました。

〜1989 10件
1990〜1994 104件
1995〜1999 179件
2000〜2004 225件
2005〜2008 338件

一方、「寒冷化」は、全期間で5件!

なにか、1990年以降の経済統制の衰退に反して、気象統制をしたい人の方は増えているように感じます。

今日は、奇しくもハイエクの誕生日です。ハイエクは、1992年に逝去してますけど、この現状を見たらどう言うでしょうか。

私もブログで、ハイエクの謎を記述していますので、興味のある方は、ご覧ください。
 
 
 
温暖化ファッショ (フロレスタン)
2008-05-08 19:22:20
この手の議論は、温暖化懐疑論者であれば周知のことですが、偏向したメディアの報道や政府情報に皆洗脳されています。というか、最近はこいう懐疑論そのものが抹殺されるような、一種の集団ヒステリー状態、ないし全体主義的傾向になっていると思います。

(時の政府に追従した)メディアが煽る点などは、大東亜戦争の時と同様なのだろうと思われますが、当時の非戦論者が非国民呼ばわりされたの同様、現在は懐疑論者がレッテル貼りをされるような状況ではないかと思います。戦前社会の息苦しさというのがあったとすれば、こういうことなのではないか、と推測します。
 
 
 
問題点は? (北風)
2008-05-08 21:27:52
「環境問題」について、実際の脅威・問題点は何か、ということを明らかして、それに対して対策を打つべきだ、とは思います。

CO2排出と温暖化については、ここで述べられている主張は分かりやすいです。
ただ、問題は、
1.人間活動のCO2排出量によるCO2濃度変化は、温度変化によるCO2濃度変化に対してどれほどのものなのか?
2.CO2の増加が温度上昇にフィードバックしないか?(単純に水蒸気との量と温暖化係数での比較でみればCO2濃度が倍に増えても影響は少ないはずですが)
3.仮に、フィードバックがあった場合、ブレーキとなりうる現象は何か?
といったところでしょうか。

 人間活動分の上乗せ分、森林面積の変化などによる影響(温暖化か寒冷化かどちらに作用するのか分かりませんが)があるとも思えますので、それらも含めて何が問題になるのかを整理して欲しいところです。
 
 
 
警告 (池田信夫)
2008-05-08 21:51:01
「コメントにノイズが多い」という苦情が多いので、当ブログは「原則としてそのまま表示する」という方針をやめ、一定の水準以下のコメントは削除します。その基準は

1.異常な長文
2.前に出た話の繰り返し
3.無礼な表現
4.事実誤認など、答える価値のない愚問
5.根拠なく「トンデモ」などと断定するもの

特に最近、目立つのが5です。批判はかまいませんが、具体的に理由を書いてください。「こんなことも知らないのか」のように根拠もなく断定するコメントは、削除します。
 
 
 
大丈夫? (中島悟)
2008-05-08 21:55:11
槌田さんは、反原発関連では有名な人ですね。玉野井芳郎なんかとつるんで「エントロピーの経済学」を唱えてた人ですが、経済学的にはトンデモ系の人だと思いますよ。労働価値説ならぬエントロピー価値説なるものを確か唱えてて、経済学もすべて物理法則に従うんだそうです。エントロピー的観点から、この人は国際貿易も分業も否定しています。
 
 
 
Unknown (SGW)
2008-05-08 22:23:10
 槌田氏の論だけが知られているというのは不幸なことです。
以前作りました紹介ですがご覧ください。
「温暖化の結果CO2増加が起こっている説」では説明できない現実その1
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/8902.html
「温暖化の結果CO2増加が起こっている説」では説明できない現実その2
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/8914.html
「温暖化の結果CO2増加が起こっている説」では説明できない現実その3
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/8941.html
「温暖化の結果CO2増加が起こっている説」では説明できない現実その4
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/8947.html
 
 
 
Re: 大丈夫? (池田信夫)
2008-05-08 22:41:22
そんなこと知ってますよ。「反原発」の立場から温暖化を否定している、といった憶測もありますが、そんな話は反論にはならない。彼の示したデータと物理学的な論理に欠陥があるというなら、具体的に示せといっているのです。

特に槌田氏の「CO2を理由にして石炭の利用をやめるべきではない」という警告は、私も賛成です。石油が枯渇(あるいは極度に不足)する事態が今世紀中にくるリスクは温暖化よりはるかに高く、そのときの代替エネルギーとしては石炭か原子力しかない。原子力は途上国には適していないので、石炭は資源として活用すべきです。
 
 
 
地球温暖化はいつのまにか宗教のように信じるものにかわっています (増田にゃんこ)
2008-05-08 22:49:35
信じているものに異論、異説を唱えると非常に激しい抵抗にあいます。自分もたびたび少なくとも「温暖化」は正しくないといっていますが、信じられているものに疑問を呈すのは気が引ける限りです。

ですが、CO2は削減しなくてもいいから、エネルギーとか資源は有効活用しようねというスローガンで地球温暖化がスローガンになるのはいいことだとおもいます。
わかりやすいじゃないですか。二酸化炭素。


この手の話題は、たびたび侃侃諤諤になるので、過去の論戦をご参考までに。
http://anond.hatelabo.jp/20071021175310
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-05-08 23:22:20
もはや本当に温暖化が起きているかとかそれが深刻な環境問題なのかということではないということのように思えます。
アメリカなど西側諸国は石油に大きく依存しており、石油の確保にたいへんな労力と金を払う一方で、アラブ諸国は石油の売人としていいように売りつける傾向がでてきて、中東でのアメリカへの不理解からアメリカでの力が弱まっているうえに、中国やインドの開発が進むつれて石油の需要が高まり、さらにアラブ諸国の力が増してゆきます。このままでは石油依存症のアメリカ(や西側諸国)はアラブ諸国にいいようにされてしまうか少なくともこれまでのような強いアメリカを維持できなくなります。これを防ぐためには、石油から脱却し、アラブ諸国に依存しないようにするしかないわけです。全部石油をやめるというわけではないにしても依存する度合いを減らすことで、アラブ諸国との関係に一定の距離を作り出し、コントロールを再び取り戻そうということのようです。
このために、石油に依存しないようにしようというプロパガンダとしてもっとも現在適切なやり方は、地球温暖化を深刻だと宣伝することです。なぜゴア元副大統領が突然環境エバンジェリストになったのかというのはこうした背景によるものではないでしょうか。とにかく、これにより大勢の意識が変わり、石油を使わないような社会基盤ができてゆくことが目標であって、本当の意味で地球温暖化が問題というわけではないようです。例えば、リサイクル等がエネルギーの浪費であったとしても、それが(アラブ諸国の)石油に依存しなくなればいいので、当初は効率が悪くてもその状況になれていけば、いずれ効率が高まり、エネルギーの浪費も減っていき、石油に依存しない社会になり、アラブ諸国の力を牽制できるようになるということです。

 
 
 
二種類の温暖化 (佐藤秀)
2008-05-09 00:06:16
・産業革命以前―太陽光の増加とそれに伴い水蒸気量の増加で温暖化、その温暖化が海中に溶けた二酸化炭素の飽和閾値が低くなり、二酸化炭素が大気中に放出される⇒ますます温暖化。
・産業革命後―地下に眠っていた炭素が二酸化炭素として大量放出されることが先行し、温暖化で水蒸気量が増えてますます温暖化し、海洋の二酸化炭素も放出される⇒ポジティブフィードバック。
・植物活動が活発化して二酸化炭素を吸収するネガティブフィードバックも働くが同時に海面上昇で陸生植物の活動域が狭められる。ジェームズ・ラブロックによれば、氷期で海面が低下していた時の方が地球全体で植物活動は活発だったという。
>0.03%しか含まれないCO2の影響は、通常は無視できる。
市場でレバレッジされた投機マネーがボラティリティを高めることを思えば、無視できるものではない。二酸化炭素はそれに滞留時間が水蒸気やメタンより長い。
 
 
 
真実はどこに (就職氷河期っ子)
2008-05-09 00:15:43
こうなってくると一番の問題は情報の信頼性ですね。地球温暖化説も氷河期説も小耳に挟んでいますが、門外漢としては何を信じていいのか分かりませんし、何を根拠に理論を構築していいのか分かりません。本来こういった問題は地球規模で取り組む問題なのにも関わらず、人間の愚かな欲によって本質が失われ、対策を練ることなく人類が滅ぶかも知れない事を憂鬱ですね・・・
とにかく、なるべく文明の利器を利用せずに(冷房暖房を我慢)、なるべくごみも出さずに日々生活すればいいのかな?
 
 
 
論文を斜め読みしただけですが・・・ (buchi)
2008-05-09 00:59:49
以下のページで著者の主張における「グラフの読み間違い」が指摘されて
いますが、同様の記述は紹介されている論文中にも見られるようです。

http://hechiko.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/co21_5a1e.html
http://hechiko.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/co22_a362.html

また私は気象学は専門ではありませんが掲載誌(http://www.ijtr.org/)の
クオリティに関しては疑問を感じました。
 
 
 
批判について (池田信夫)
2008-05-09 09:08:33
私は専門家ではありませんが、コメントでリンクを張られた「批判」が的外れであることは断言できます。彼らの批判は槌田氏の10年前の論文に対するもので、彼は今度の論文で反論しています。特に彼らの批判する図2については、データを集計しなおしてもっと明確なタイムラグ(因果関係)を示している。

しかもこうした批判は、肝心の「CO2の蓄積→気温上昇」という因果関係を証明していない。そういう効果がゼロでないことは確かですが、それが逆の効果より大きいということは、IPCCでさえ実証していないのです。Natureに出た論文のように、対流の変化だけでも人間由来の温暖化を打ち消す可能性がある。

この種の批判は、すでに物理学会でも気象学会でも出たもので、いずれも決定的な反論にはなっていない。恐るべきなのは、このように学会で論争中の問題について、行政が一方の結論にコミットして数兆ドルの予算を使うことです。
 
 
 
アクセス (池田信夫)
2008-05-09 09:18:44
このごろ急にアクセスが増え、きのうは5万PV、2.1万IPと新記録でした。この1週間(うち1日は休み)で、4回もgooブログの第1位。自分でいうのも変だけど、そんなにおもしろいかなぁ・・・

この程度の(かなり読みにくい)ブログが100万以上のブログのトップになるということは、他のブログがよっぽどおもしろくないんでしょうね。それは私も想像がつきます。
 
 
 
このブログは面白い (就職氷河期っ子)
2008-05-09 10:03:54
>この程度の(かなり読みにくい)ブログが100万以上のブログのトップになるということは、他のブログがよっぽどおもしろくないんでしょうね。それは私も想像がつきます

いえ、このブログとても面白いです。
私は職業柄一日中ITのことばかり考えているので、他の分野の情報を読むのは良いリフレッシュになります。

 
 
 
アクセス (choyorose)
2008-05-09 10:23:11
他のブログにもおもしろいのはありますが、マスメディア(寄稿者も含め)に頼ってはいけないということがこのブログほど分かりやすいものはないですね。
 
 
 
質問はコメント欄で (池田信夫)
2008-05-09 10:45:50
記事についてのコメントは、この欄に書いてください。Eメールできた質問には「スパム」のフラグをつけて、二度と受信しません。
 
 
 
Re: アクセス (Sott)
2008-05-09 10:47:48
希望としては、「おもしろいと思えるようになりたい」と思って接していますが、難解なテーマが多いです。
比較対象にはなりませんが、先日の地球環境等を扱ったテレビのクイズ特番でも参加者は20万人程度でしたから、5万PVは凄いことだと思います。

私には、温暖化やCO2は難解なテーマですが、この事だけに限らずマスコミ、特にTVの影響力が大きすぎるため最近は心配な事も少なくありません。
 
 
 
真実は見えない。あるのは仮説のみ (zeronemax)
2008-05-09 10:57:20
就職氷河期っ子さん、真実がありそれに従って世界が動いているという誤解そのものが、ここでも指摘されていた集団ヒステリー状態を生み出すもとなのです。

地球温暖化の原因がCO2増加であると全ての学者間において合意形成されてもいないのに、さもそれが真実であるかのように政治も経済も企業も動き出しているのではないかという危惧があるのです。

真夏でもクーラーの設定温度を27度でガンガン使ってください。ゴミも資源ゴミならばゴミではありません。分別さえすればいいのです。

いま問題なのは真夏でもクーラーを使わず30度以上の室内で我慢することがCO2削減に協力し地球に優しい生活をしているかのような風潮です。

レジ袋だって手軽なゴミ袋になるのにエコバックを持つことが流行りになっているのが異常なのです。
 
 
 
中学生レベルの槌田氏の誤解 (佐藤秀)
2008-05-09 12:05:15
槌田さんの英文論文は変なことが書かれすぎて読みづらいが、一番分かりやすいおかしさは7ページの部分。
However, out of the 70 percent of anthropogenic CO2 remaining in the
atmosphere, 49 percent will remain in the following year. Thus, the maximum amount
of additional CO2 that would remain in the atmosphere in any one given year is as
follows:
0.7 + (0.7)2 + (0.7)3 + ⋅⋅⋅ = 0.7 /(1− 0.7) = 2.333⋅⋅⋅⋅.

70%大気中に滞留というのは海洋や陸地が吸収や排出もせず平衡と仮定して、化石燃料消費して排出された量より30%分増加量が少ないという意味。つまり海洋や陸地の植物に吸収されている。翌年人為的二酸化炭素だけが特別扱いされてさらに3割減って49%になるわけない。生態系は人為排出分だけに反応するわけじゃもちろんない。中学生レベルの誤解だ。槌田さんが温暖化先行説を取るのなら、海洋の炭素交換がプラスになって、化石燃料を全く燃やさなくても、二酸化炭素濃度は高くなるから化石燃料分が吸収されるなんて珍現象は起こりえない。ほとんどオカルト的世界だ。
 
 
 
何いってるの (池田信夫)
2008-05-09 12:55:37
槌田氏は、大気中のCO2が海などに毎年30%吸収されるというIPCCの計算にもとづいて、その残留量は毎年30%ずつ減るという当たり前のことを言っているだけ。「人為的な部分だけが特別扱いされる」なんて言ってない。「中学生レベルの誤解」をしてるのはどっちかね。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-05-09 13:56:36
当然すでにご存知だとは思いますが、
今週の週刊文春(新潮だったかも)に、
池田さんVS公文氏の
戦いの記事が載ってました。

アクセス急増は、
温暖化ではなく、
この論争のせいでは?
 
 
 
中山氏 (池田信夫)
2008-05-09 14:33:40
アクセスが1位になっているのは、先週の土曜からだから、この記事とは無関係です。

「ノーコメント」というのは、事実関係を認めたということですね。これが「私信」だと思っているとしたら大間違い。これは中山氏の「公開書簡」で、国際大学の理事にも送られたものです。中山氏のような歴史的人物の書簡は、たとえ私信だったとしても、歴史的記録として重要なので、「福沢諭吉書簡集」のように収集して公刊すべきだと思います。そのときには、公文の醜態もさらに明らかになるでしょう。私の手元にも、まだ他にあります。
 
 
 
地球寒冷化の可能性 (Ookubo)
2008-05-09 15:41:24
東京工業大学の丸山茂徳という人が地球寒冷化を予測しています。

http://www.sentaku.co.jp/contents/interview/index.php?date=200802

丸山氏も二酸化炭素原因説を否定しています。
 
 
 
IPCCという既得権 (池田信夫)
2008-05-09 16:08:47
私も、丸山氏に賛成ですね。IPCCは、もとはボランティアみたいなものだったのが、規模がふくらむにつれて国連の公式機関に「昇格」した(今でも正式機関ではない)。その結果、このプロジェクト自体が巨大な既得権になって、今さら「人為的な温暖化は大したことない」なんて言えないのです。

世界中の2500人もの科学者を巻き込むことで、正確さが増したと思われているが、実際は逆です。予測の中央値はほとんど変わらないのに、上下の幅は大きくなり、メディアがその上限値だけを報道することで、温暖化が深刻化しているような印象を与えている。そしてIPCCの表現も誇大になり、各国政府がそれをもとに巨額の予算や統制経済を実施しはじめた。こうなるとIPCCも引っ込みがつかなくなり、ますます表現が誇大になる・・・という悪循環に入っている。第4次報告書なんて、海面上昇の予測は第3次報告書より低くなっているのに、「危機は迫っている」などという言説が踊る。

しかし科学者にも気象を変えることはできない。あと10年もすれば、彼らのシミュレーションが正しいかどうか、わかるでしょう。「温暖化対策」なんて、それからでも十分です。
 
 
 
Unknown (masa)
2008-05-09 16:48:02
二酸化炭素の増加が地球温暖化の主原因なら、大気中の二酸化炭素を取り込み無害分解する、原子力発電所並みの施設を、全世界に展開したら解決しないものなのでしょうか?。
地球温暖化で、地球に住めなくなって、月にでも移住しなければならないことになるなら、直ぐにでも、大型宇宙船(つまりノアの方舟)の研究を始めなければ間に合わないのではないだろうか?。
最終を考えず、今の生活レベルを維持しながら温暖化を解決しようとしている、腰が引けた活動では到底間に合いそうもなく、二酸化炭素増加では地球温暖化など発生しないと言う、つまり無駄だから、もう考えるのを止めようよという意見の方が、ましなように思えるのですが…
 
 
 
オゾンホール騒動もあった (zeronemax)
2008-05-09 17:07:52
デジャビュ感覚・・・

あらゆるものからフロンが無くなり、フロンは空気中に拡散させないためにフロン箱に入れていた時代があった。

地球を守るためという題目で冷蔵庫もクーラーもノンフロンを選択した時代。

あのオゾンホールは地球の危機と騒がれた事件の顛末はどうなったのだろうかと、池田ブログ記事にあるウェブサイトというリンクをクリックすると、彼はやはりオゾンホール批判をしている。

どうも科学知らずの人々が勝手に集団ヒステリーを起こしているたけに過ぎないのではないだろうか?まともな学者は意外に冷静に対応しているように思えてならない。
 
 
 
微分積分 (狭間人)
2008-05-09 17:12:47
槌田氏の言ってる事を正しく理解しないで批判してるような人にかかれば、8月ではなく6月が一番暑い事になるんだろうなぁ。
 
 
 
氷河期 (狭間人)
2008-05-09 18:28:52
ボストーク湖の氷層の調査結果によると次の千年紀には間違いなく氷河期に入るようです。
 
 
 
メディア (kazuya)
2008-05-09 21:29:21
メディアの偏向について書かれている方がいらっしゃいますが
実際日本のテレビメディアで頑張ってるのは読売系の「たかじんのそこまで言って委員会」ぐらいではないだろうか?
他のメディアは全滅のような気がする。特に報道ステーション系やNHKが醜い。
新聞も温暖化一色ですが産経あたりは思い切って主張を変えてみてはどうだろうか?(笑)
 
 
 
Re;何いってるの (佐藤秀)
2008-05-09 21:55:06
前のコメントは槌田氏の間違いに付き合って書いたので、分かりにくかったのだと思います。実はIPCCは30%吸収するなんて言ってません。6ページ下部に槌田氏が以下のように書いている箇所の間違いを指摘します。
According to IPCC (2001), the annual amount of CO2 deposited to the
atmosphere attributable to human economic activity is 730Gt. Out of 730 Gt of CO2,
120Gt is exchanged with the land and 90Gt is exchanged with the ocean every year.
Namely, about 30 percent of the 730 Gt is absorbed in land or in ocean. About 70
percent is supposed to remain in the atmosphere, according to IPCC.

730Gtは年蓄積量としてありますが、これはIPCCが発表時点に推定した二酸化炭素の形で存在する大気中の総炭素量です。化石燃料による総排出蓄積量でもありません。この数字は地球温暖化問題かじった人なら誰でも知っています。
それから、
120Gt is exchanged with the land and 90Gt is exchanged with the ocean every year.
はおおむね正しいのですけど、文字通りexchangeであり、経済で言えば取引高のようなもので、吸収量じゃありません。その後に出て来る30%は多分、120Gtと90Gtを足して730Gtで割ったのでしょう。説明がないからそう解釈するしかありません。もちろん、これはIPCCが計算したものではなく、槌田氏がイロハのイも弁えず勘違い計算しただけです。だから、それ以下はこの時点でナンセンスなんです。他にも細かく書けば間違いはあるんですけどありすぎて書ききれませんのでこれで終了させていただきます。
 
 
 
枝葉の議論はお断り (池田信夫)
2008-05-10 01:37:38
CO2の計算がどうだろうと、槌田氏の「気温上昇がCO2蓄積の原因だ」という主張は間違いありません。他方、CO2に人間活動がいくらか寄与していることも間違いない。問題はFreeman Dysonもいうように、後者の影響が大幅に誇張され、グローバルな問題がそれしかないように思われていることなのです。

http://www.edge.org/documents/archive/edge219.html#dysonf
 
 
 
図1と図2だけで十分 (猪口冷斗)
2008-05-10 01:38:27
 なんかごちゃごちゃ言う人がいますが、図1で強い相関が説明されており、図2でタイムラグにより気温変化の後にCO2が変化しているのだから、この二つの図だけで十分すぎる説得力がありますね。
 
 
 
賛否とも極論は勘弁 (北風)
2008-05-10 07:30:40
 こうした問題については否定・肯定とも正確性を欠ける主張が出されがちですが、科学的な問題なのですから。

「主にCO2増加によって温暖化が生じている」、これを間違いない、とするのは問題がある。
一方、「CO2濃度の上昇の【主要な原因】は、気温上昇であって人間活動ではない」という主張も、これを間違いない、とするのは問題がある。
(「気温上昇によってCO2濃度が上昇する」という効果は否定しません。が、それを【】内を含めて上のように主張されれば問題)

 近年の1957-1995年で、CO2濃度増加は45ppm。
人為的CO2増加の影響を排した図2からは、温度変化0.4℃でCO2濃度変化0.8ppm。
45ppmのCO2濃度増加は温度変化がメインというのは?

>図1で強い相関が説明されており、図2でタイムラグにより気温変化の後にCO2が変化しているのだから、この二つの図だけで十分すぎる説得力がありますね。

 相関関係については十分すぎる説得力がありますね。しかし、原因・結果については別途証明がいるでしょう。経済活動でも何でもいいですが、相関関係とタイムラグの図で、原因・結果に言及する主張とはうけいれられるものなんでしょうか?

 
 
 
Unknown (じじ)
2008-05-10 08:31:18
北風さん
>相関関係とタイムラグの図で、原因・結果に言及す
>る主張とはうけいれられるものなんでしょうか?

私は門外漢ですが、このタイムラグみて「CO2の増加が温暖化の原因だと断定するのはおかしい」という主張は十分に受け入れられるものだと思います。
 
 
 
CO2に気温上昇の主因を求めるのは無理では? (cestquigucci)
2008-05-10 11:39:27
素人の疑問。
誰も人間活動による直接的な大気への廃熱や、砂漠化や都市化による大気への廃熱量の上昇を議論していないのは何でですかね? 20世紀に入ってから気温が上昇したのは、単純に人間活動が発生させる大気への流入熱量が過去のどの時代よりも高いからであって、CO2が増えたからじゃないのでは?

素人考えだと、人間が廃熱する熱量は減らしたくないから、とりあえず宇宙にじゃんじゃん熱を逃がせるように、温室効果ガスを減らせばいいじゃん、と言っているように聞こえるのですが。

それとも、熱を考えるのは大変だから、熱とCO2に相関関係があると見なして、CO2の排出削減を言っているのでしょうか?

熱と同時にCO2を排出しているのは確かであり、CO2に宇宙への放熱を妨げる温室効果があるのも確か。でも、図2のCO2の濃度変化と気温の変化を見る限り、CO2の濃度上昇は気温上昇に追従していると考える方がリーズナブル。よって、CO2の濃度上昇が気温上昇の主因とするには、寄与のレベルから考えて無理があるのでは、と思うわけです。
 
 
 
Unknown (大羽春香)
2008-05-10 12:03:28
> レジ袋だって手軽なゴミ袋になるのにエコバックを持つことが流行りになっているのが異常なのです。

確かにレジ袋はゴミ袋としての利用は可能ですが、全ての人がゴミ袋としてなどの有効な再利用をしているかと言えば、それは甚だ疑問であるように感じます。
かなりの数のレジ袋が、有効な再利用をされる事もなく、ただゴミとして捨てられているのが、日本の現状ではないかと思います。
温暖化議論からは離れますが、「ゴミの削減」という観点から、マイバッグ(エコバッグ)を持っている人も多いのではないかと思うのですが、如何でしょうか。
私自身、自宅に「ゴミ袋として使い切れないほどのレジ袋」が増える事に辟易し、些少ながら「人間が排出するゴミの削減」という理由で、マイバッグを使用しています。

こういう考え方があったとしても
「エコバックを持つことが流行りになっているのが異常」
と仰るのでしょうか。
 
 
 
「二酸化炭素が原因」説は破綻している。 (Ookubo)
2008-05-10 14:07:09
IPCCがよりどころしているコンピュータ・シミュレーションでは、北極と南極は二酸化炭素の増加に比例して温暖化しなければいけません。

けれど20世紀中の南極の気温変化は横ばいでした。北極は20世紀前半の方が、後半よりも温暖化しました。20世紀の真ん中は、二酸化炭素が増加しているにも拘わらず、寒冷化しました。
 
 
 
東北大・明日香氏を中心とする指摘 (きすぎじねん)
2008-05-10 15:58:05
図2に関する解釈上の問題点については、東北大の明日香氏を中心とするコメントのp19-p20に詳しい解説があります。

http://www.cir.tohoku.ac.jp/~asuka/

http://www.cir.tohoku.ac.jp/~asuka/地球温暖化問題懐疑論へのコメント21.pdf

http://www.cir.tohoku.ac.jp/omura-p/omuraCDM/asuka/comment%20of%20global%20warming.htm
===以下、上記URLからの引用

このグラフは、Keeling自身が、二酸化炭素濃度の長期的な上昇傾向(≒人間活動の影響[5])を除いた場合の気温上昇と二酸化炭素濃度上昇との関係を明らかにする目的で作成したグラフであり、それ以上でもそれ以下でもないからである。言い換えれば、この図は、ある特殊な条件のもとでの気温上昇と大気中の二酸化炭素濃度上昇との相関関係を示しているにすぎず、グラフでは温度上昇が二酸化炭素の濃度上昇に先行しているように見える理由としてKeeling自身が「エルニーニョによる二酸化炭素濃度上昇を示していると考えられる」とはっきり明言している[6]。
 
 
 
ごめんなさい (zeronemax)
2008-05-10 21:29:37
大羽春香さん、ごめんなさい。

確かにレジ袋を全部貰うとコンビニのは小さくてゴミ袋への転用は実質無理で結果的にゴミになりますね。

ただ、ジャスコなどのレジ袋は市指定の可燃ゴミ袋をレジ袋としており、そのまま利用できます。わざわざ有料で1袋10円の可燃ゴミ袋を買う必要性が見えません。

そのジャスコの買い物でさえ、エコ袋を持っていき、スタンプなどを貰ってスタンプ1個1円相当で満足し、地球環境保護の一助になっているという幻想を抱いているオバサンを見ていると、ちょっとその異常さはないだろうと感じただけです。

もちろん、私はコンビニで牛乳を買うときなどは手で持って帰ります。袋に入れるまでもありませんからね・・・

私が言いたかったのは、何らかの世論操作により、集団ヒステリーにされているのではないかと指摘しただけです。

同じことが、禁煙運動、ノンフロン、CO2削減にもありそうで、それがどうも・・・何か巨大な意志によってなされているようで怖くなっているだけです。

同じことが鳥インフルエンザ報道にも伺えることです。これも未だ見ぬ想像の世界のウィルスを恐怖のネタにしているマスコミがどうも・・・

たとえば、実際、フロンのオゾンホールを指摘したのは代替フロン技術を既に持っていた松下所属の研究者だったのです。そして今では世界一のシェアになっています。

そして、CO2削減で何が起きたかはバイオエネルギーと原発化容認への世論の流れです。
 
 
 
Re: 東北大・明日香氏を中心とする指摘 (池田信夫)
2008-05-10 21:41:52
もとの論文ぐらいちゃんと読んでください。そんなことは書いてあります。海水温の上昇→エルニーニョ→CO2なんだから、気温上昇→CO2でしょ。

Keeling also reported the fact that El Niño preceded CO2 concentration increase by about one year (Keeling, 1995, Fig.1c). So, if we imagine that CO2 was emitted from the ocean around the area where El Niño’s impact is considerable, the phenomenon is easily understandable. That is, the surface temperature increase is the cause, and CO2 concentration increase is the result.

東北大の「反論」については、彼らが経済学をまったく理解していないことがよくわかっておもしろい:

<“Global Crises, Global Solutions”の最後にある8人の気候変動に関するコメントなどを見ると、費用便益分析云々以前に、温暖化問題に対する知見を持っているかどうか疑問である。例えば、「我々よりも確実にrichである将来世代のために、なぜ現代に住む私たちが費用を払わなければならないのか」(Thomas Schelling)といった、サイエンスの面からも倫理的な面からも疑義があるコメントがなされている>

このようにコストと便益を時間選好率で割り引くのを費用便益分析というんですよ。他の学問分野の概念を批判するなら、せめてそれを理解してからにしてよ。ちなみに、ここで槍玉に上がっているSchellingもVernon Smithもノーベル賞受賞者だから、「トンデモ」ではありません。

「気候変動が最下位になったからといって何も対策を取らなくても良いということではなく、『何もしなくてもよい』と解釈することは、ただの問題先延ばしであり・・・」などと書いてあるけど、いったい“Global Crises, Global Solutions”のどこに「何もしなくてよい」と書いてあるんですかね。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/e6e557dde1be1fd7f620253287073655

この本は、IPCCの結論を認めるという保守的な前提で書かれているので、この反論の結論部分がナンセンスだということは、その前の科学的な反論の価値もゼロだということです。そもそも、このようにありもしない記述をでっち上げて「批判」するような人々の語る「サイエンス」なんて信用できない。
 
 
 
そうはいっても (takajos)
2008-05-10 22:29:59
温暖化人為説は科学者の間では世界的に合意が得られているわけですから、行政がある程度動くのはやむを得ないでしょう。金額が大きすぎるということをおっしゃっているのかもしれませんが。
仮に温暖化に関してはコンセンサスが間違いであったとしても、一般論としては、科学者の合意に基づく警鐘を軽視するほうが問題が大きいと思います。

池田さんも槌田さんも丸山さんも、IPCCが故意に誤った情報を流していると主張していらっしゃいます。
これが事実であれば、問題の本質はこちらではないでしょうか。
どうして、専門家集団が間違った情報を流すことにいたり、同じことを繰り返さないためにはどうすればよいのかをもう一度整理する必要があると思います。
 
 
 
なぜ槌田さんばかりがフューチャーされるのか (にゃんこ)
2008-05-10 23:55:27
「温暖化」については疑問の声をあげるひとは多いのにインターネットでこの手の議論になると槌田氏がらみでなんだという人が多いのはなぜでしょうか。

二酸化炭素の削減などという効果もしれないものに税金を投じたり課したりするのはいかがなものか?と疑問を感じるひとはすくないと思います。自分も疑問を覚えます。

知ってる範囲で言えば、東大の渡辺正さんとかも表にでて現在の風潮に対しては疑問の声をあげていますよね。
 
 
 
明日香グループの反論 (猪口冷斗)
2008-05-11 01:44:18
 図2のタイムラグがエルニーニョだとしたら、毎年規則的にエルニーニョが発生しているということになりますね。
 Keelingは自分の主張に反するデータを公表してしまったと考えられ、同様に自分の主張に反するリンクを張ってしまった「まぬけ」を思い出してしまった。
 リンクだけなら間抜けで済むが、自身で公表したのだから「大間抜け」ってことになるのかな。
 それより公表データを自分なりに分析とか理解する事無しに、公表者がこう言っているのでそれが正しい的な論調は科学者のすることなんですかね?
 
 
 
経済学者の多数意見 (池田信夫)
2008-05-11 10:03:19
東北大グループの反論(Ver.2.31)を読んでみましたが、素人の私が読んでも穴だらけですね。彼らは、自説が「世界の科学者の多数意見」であり、相手は「トンデモ」だというんだから、よほど決定的な事実誤認でもあるのかと思えば、公平にみていい勝負です。

たとえば問題になっているKeelingの図にしても、彼らがそれを修正して長期的トレンドを描いた図6では、CO2濃度は単調に増えているのに、海水温は変動している。これは「CO2が原因で気温が上昇している」という彼らの結論を自己否定しています。さすがに彼らもそれに気づいて、「長期的には海水温も上昇している」と書いているが、その差は50年間で0.15℃。しかも90年代後半には0.3℃も下がっている。

多くの気象学者は、大気中のCO2濃度が上がっている(その一因が人間活動である)ことを強調するが、それは槌田氏もLomborgも否定していません。問題は、それが地球温暖化の最大の原因かどうかであり、それについては、図6にも見られるように長期的な変動の中では誤差の範囲に入るランダムな動きでしかなく、CO2との相関もまったくない。

この程度のあやふやな長期的問題が、世界で毎年1000万人以上が感染症で死亡している問題や、10億人以上が飢えている(これは食糧価格の上昇で深刻化している)問題よりも重要であるはずがない。この点はさすがの東北大グループも認めているが、「何もしなくてよいわけではない」云々と話をごまかしている。

世界の経済学者の中では「グローバルな経済問題としては、被害の規模においても緊急度においても、最大の問題は感染症と食糧危機であり、地球温暖化の優先順位は低い」という意見が多数派です。科学者の「多数派」であるIPCCの結論を認めたうえでも、それは課税で解決できる通常の経済問題の一つにすぎない。

http://gregmankiw.blogspot.com/2006/09/rogoff-joins-pigou-club.html
 
 
 
議論の範囲を狭めないほうがよいかと (たらみ)
2008-05-11 12:00:23
「温暖化現象への疑問」という点ばかりをやっきになって攻撃してくる人は、
「経済政策上の優先順位」
という観点を無視して「温暖化対策是か非か」という議論のみに固執しているような印象を受けます。結論ありきで言えばこの問題は「是か否かは、今のところは正直わからない」が結論のはずです。なのに、それよりもはるかに具体的に優先すべき問題が山積みなはずなのに、もしかしてそれを無視して一部の利権集団の仕掛けた社会的集団ヒステリーのもと結論があやふやな事案に巨費が投じられているのでは?という私の疑問に誰か答えてください。(少なくともこのブログの読者には、私以外にもこういう疑問を抱いている人が多々いるはず)。
 
 
 
まっとうな疑問 (豆ゴハン)
2008-05-11 15:06:09
槌田さんの論は、方向性はいいと思うんですが、細かいところで正統派(?)のツッコミを許してしまう脇の甘さは確かにあると思います。私の見たとことでは老人性の頑固さも手伝って単独での論争はキツイ局面も多い様です

SGWさんの上げてくれたリンク先の記事での「ぬり」さんなる方の疑問が私的には至極真っ当なセンスだと思います。

CO2に温室効果があることは、子供の頃の科学雑誌でさえ当然のこととして書かれていましたが、当時はそれが全地球的気候変動のリスクになるなど誰も言及していませんでした。なんでここ10年でそんなレガシーなメカニズムが急に脚光を浴び始めたのか?当時と比べて最も大きな進歩があったのは、計算機能力ですが、それでシミュレーションという予測手法自体の信頼性が上がったからという理由ならかなりの眉唾感ですね。
 
 
 
気象学や海洋学は科学ではない (i004099)
2008-05-11 20:52:27
気象学者や海洋学者にとって、地球温暖化説は研究費獲得のために有利に働くということは間違いないでしょう。
たとえば、地球シミュレーターなどには巨額の科学予算が計上されるでしょうし。


物理学は実験室内である制御された条件下で実験が行われるので、結果が100%予測できます(再現性あり)。
一方、気象学や海洋学は明日の天気でさえ100%は予測できません。

物理学者である槌田氏が気象学者や海洋学者の唱える地球温暖化説を批判するのは、そもそも気象学や海洋学は科学ではないという本質的な問いかけからなのでしょう。
 
 
 
参考までに (佐藤秀)
2008-05-11 22:02:11
>対流の変化で、地球が寒冷化する可能性を指摘する論文がNatureに掲載された。

これ、ニュース扱いされてますが、2002年にはまとめ報告が出てるくらいおなじみの仮説で、今回のはその研究の一環です。
http://www.wunderground.com/education/abruptclimate.asp
NHKスペシャルでもこれをネタにして5年ほど前やっていました。そして、10年後というのは人為的温暖化を前提にしていて、
it would be wise to stop pouring so much carbon dioxide into the air. A nasty surprise might be lurking just around the corner. In the words of Dr. Wally Broecker, "the climate system is an angry beast, and we are poking it."
と結論しています。
 
 
 
気温変動がCO2変動に先行=CO2変化は温暖化の結果? (MANTA)
2008-05-11 22:28:10
図2にKeelingのグラフがなかなか理解できなかったのですが、先生の記事や皆さんのコメントをみて、すこし分かった気がします。結論を最初に書きますと、気温変動がCO2変動に先行するとしても(Keelingのグラフ:図2)、CO2変化は温暖化の「結果」とは結論づけられないのではないでしょうか?
以下、素人の考えですが箇条書きで失礼します。間違っているかもしれません…

・図2は気温・CO2とも大きな長期トレンド(単調増加的)を
 取り除いた短期変化である。
・長期トレンドと短期変化を作る要因が異なる場合を考える。
・例えば人為的なCO2濃度が一定の増加率で増加すると仮定
 →その温室効果により気温は増加するが、他の要因も重なり
  気温はふらつきながら上昇
 →気温の短期変化により、海水中から大気へのCO2放出が変化
 →その結果、CO2変動は人為的な長期トレンドと、気温変化に
  追随する短期変化からなる。図2のグラフは人為的なCO2増加
  の影響が取り除かれたグラフとなる。
・以上の単純な温暖化モデルが成立している保証はない。
 しかし図2に基づいて「CO2の増加が温暖化の結果である」
 とする結論に対する反例にはなる。
・つまり図2は、ある周期では気温変化はCO2変化に先行すること
 を示しているだけであり、CO2変化が温暖化の原因か結果かを
 物語るわけではない。
 
 
 
因果関係にも両方向があるわけです (SGW)
2008-05-11 23:26:48
 氷期−間氷期のデジタル化された発振回路のような気温変動の動きは、相関関係だけじゃなくて因果関係があることを推定させるものになっています。

 つまり、ミランコビッチサイクルという天体の動きに関わる要因は数万年単位の正弦波的な変動にすぎないわけですがその変動を2つのモード間の遷移が続くようにしている増幅要因があると見て取れるわけです。

 海水温→CO2濃度、あるいはその逆、のどちらか一方向だけの因果関係ではなくて、両方向の因果関係がある、つまり正のフィードバック(増幅要因)となっているのだ、というのがIPCCに集まる科学者の認識だと考えています。

 その一方の因果関係の元となるのは二酸化炭素に温室効果があることそのものであり、このことに挑戦している懐疑派は事実上いません。

 一方向に因果関係が観測されるから、反対側の因果関係はないはずだ、というのが思い込みなわけです。
 
 
 
原因と結果。。。 (Tatsuro Satoh)
2008-05-12 10:12:10
温暖化議論について、原因、結果論についての論議が盛んに行われています。
しかし、「原因が断定できていないから温暖化問題に手を打つ必要はない、立ち向かうのは時期尚早」でいいのかなと疑問を感じます。

他方で、地球規模の気候変動は現実に発生しており、地域によっては、人類、動植物が生存権(海水面の上昇等々)を脅かされる状況が発生しています。
政策が実行に移される場合に、そのために「国家予算が使われていく」ことになりますが、それも状況により必要なのではないかとも感じます。もちろん、「無駄だからやめろ」との考え方もあるとは思います。
しかし、温暖化論議の他方の産物として、自然エネルギーへの回帰の取組み(風力発電事業・太陽光発電事業等)や、CO2排出に依存しないエネルギー源(水素自動車開発等)の開発にもインパクトを与えているようにも感じます。。。

また、庶民感覚で、ガソリンがここまで値上がりしてくると、水素自動車等のガソリン代替交通手段の開発、一般普及が早まるのを期待したいところです。
By T.S. on 12th May, 2008
 
 
 
知識人とは何か? (tanaka)
2008-05-12 11:57:44
「政治と経済」の時代から「科学と精神」の時代へ移行するためにどうすればいいのか、それを知識人は考えなければならないのに逆に知識人ほど完全に「政治」と「既得権」に絡みとられて身動きできないようです。
一番ひどいのがメディア関係者です。北極の氷が溶け海面が上昇して太平洋の島々が水没すると騒いでいますが彼らはアルキメデスの原理も知らないのでしょうか?
 
 
 
政策的にはもっとヤバい (豆ゴハン)
2008-05-12 13:28:01
科学的知見には不確実性があるが、最悪のシナリオを念頭に置いてなんらかの対処はあるべき、との考えは全否定はしませんが、保険という意味なら掛金に適正な額というのがあるはずです。もともと不確実性故の"No Regret"が原則だった筈ですが、年間1兆円以上の温暖化対策費とか、毎年全世界のGDP5%とか、明らかに"No Regret"の範疇を越えてませんか。

そもそも、洞爺湖サミットで「イニシアチブ」とやらを取ってどうするんですかね。世界各国に日本に都合のいい排出権取引のしくみやら削減スキームを呑ませられるんですかね。どう転んでも欧州や中国が日本の言うことなんか聞く訳ないでしょう。だったら、4.5%相当の排出寄与相当の立ち位置で傍観していればいいんですよ。米中がやらないならうちらがやる謂れはないよ、とね。
 
 
 
今頃やっとか… (元大学教員)
2008-05-12 14:17:20
私も二酸化炭素分離に関わる研究をしてました。
自分の先生は世界的に有名な先生でした。

当時、「二酸化炭素は地球温暖化の原因ではない」という言葉を目にし、それに対して批判しようといろいろ調べました。ところが、調べれば調べるほど、関係はなさそうだという結論…。二酸化炭素地球温暖化説の元になったNASAの研究員の論文をみてビックリしました。小学生レベルの内容に…。日本だとまず審査で通らない論文です。

更に調べると、このNASAの研究員はNASAの中でも問題児で、根拠のないことを勝手にマスコミにいうなと注意されるような人物です。しかも、注意された事を、NASAによって、政治的抑圧を受けているとまでいって、マスコミをにぎわしました。元々、地球温暖化は、アメリカの政治で民主党が共和党に対抗しようとして、政治的ネタで面白そうなこの問題に多額のお金を投資したのがきっかけです。地球温暖化は正しいかどうかではなく、最初から政治の道具だったのです。

さて、日本はどうか…。当時、二酸化炭素をメインで研究していた私でさえ、「二酸化炭素で地球は温暖化している」ということを当たり前のように考えていました。日本には、地球温暖化対策の研究をしている機関がたくさんあります。それは全て「地球温暖化は二酸化炭素が原因である」という幻想の中になりたっているのです。

研究者のステータスとは、どれだけ国から補助金をとれるかで決まります。地球温暖化対策は、国から最も補助金をもらいやすい研究材料の一つなのです。だから、「地球温暖化対策」関連の研究をしている所はいくらでもありますが、「地球温暖化の原因」を調査しているところは数えるほどしかありません。

それでは、今後どうすればよいのか。私は悩みました。こんなくだらないウソを証明する研究を人生に費やすのか?ウソを分かっていて研究を続けるか?
ウソを証明した所で誰か徳をするのか?

はっきりいって、地球温暖化はもう産業の一部になっています。これを否定したら、どれだけの人達が生活に困る事になるでしょう?石油を大事に使用する事は悪いことではありません。ということで、ウソを証明するのに人生を費やすのは止めました。

今は、自分の能力を信じて全く違う分野で働いています。しかし、「地球温暖化」の研究をしてきた多くの人達は、そこからもう抜け出す事が出来ないのです。

むしろ、この問題は加害者も被害者なのです。加害者を助けてあげるような気持ちがなければ、この問題は解決しないと思います。

 
 
 
先週開催された「地球温暖化」シンポジウムについて (Ookubo)
2008-05-12 17:33:59
先週開催された「地球温暖化」シンポジウムについて、明日氏がこちらの掲示板で懐疑派と議論しています。

http://otd12.jbbs.livedoor.jp/323440/bbs_index
 
 
 
問題は温暖化ではなく新エネ (Chic Stone)
2008-05-12 20:15:54
僕は温暖化にこだわるのは賢明ではないと思います。
未来は分からない…霧が濃いなら救命ボートを整備すべきです。
最悪の事態でも文明崩壊がないよう、さらに文明崩壊が避けられなくても人類滅亡・文化の後退を避けられるよう準備しておけばよいのです。

槌田氏ら、日本人著者の反温暖化本(サイト)には、温暖化やリサイクル以上に重要な主張があります。
それは「代替エネルギーはない、太陽光・風力発電その他は全て石油の代替として近代文明を支えることは出来ず、石油の無駄遣いに過ぎない」です。
こちらのほうが、人類の未来を見通すためには重要ではないでしょうか。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-05-12 23:08:05
>この問題はまだ論争中であり、学問的な決着がついていないことは明らかだ。

ひょっとして…
日本政府は独自に、客観的に信頼するに足る科学者とか科学者集団に"事の真偽"の判断を仰いだことはなかったのですか?
もし、そうだとすると、日本国民に対してあまりに無責任すぎるのではないでしょうか?
 
 
 
質問の答え (元大学教員)
2008-05-13 04:15:08
>日本政府は独自に、客観的に信頼するに足る科学者とか科学者集団に"事の真偽"の判断を仰いだことはなかったのですか?

私は、大学生の時、自分の先生のメールを整理していました。その中に、環○省からのメールで、これだけの予算を地球温暖化対策に関わる研究機関に割り振りたいのだが、その審査をして欲しいというのがありました。

審査員は、その道の権威5人。要は、政治家は政治のネタになればなんでも良く、予算を決めたら、それ以外は専門家に丸投げです。

そして、「科学のエキスパート」な人達でも「二酸化炭素が地球温暖化の原因」だという事を疑うことなく、当たり前のように信じていたのです。「二酸化炭素は地球温暖化の原因である」という所から研究が始まるのですから。

二酸化炭素地球温暖化説を賛否している人の、一体どれだけの人が二酸化炭素地球温暖化説の親であるジェームズ・ハンセン氏の論文を読んだことでしょう?地球温暖化に関する論文の元ネタをたどっていくと、全て彼の論文にたどり着きます。そして、二酸化炭素は地球温暖化の原因である根拠は何も書かれていないのです。彼の論文を簡単にまとめると、以下の通りです。

1.地球が暖かくなってきた。
2.二酸化炭素が増えた。
3.だから、二酸化炭素は地球温暖化の原因なんだ。

では、一流の研究者は彼の論文を読まなかったのか?恐らく、読まなかったのだと思います。研究者が論文を書くとき、自分と似た研究をしている人の論文を参考にします。その参考にした論文に書かれている全ての論文を集めて全て読んでいれば、一流の科学者です。孫文献まで集めていれば超一流です。

では、自分の先生は論文を読まなかったのか?自分の先生は孫文献まで集めなさいといつも言っていましたし、先生自身、亡くなる直前まで勉強してました。でも、分野がちょっと違うだけで、読まない論文というのは無数にあるのです。地球温暖化対策の権威の先生達でも、最初から地球温暖化の研究をしていたわけではないのです。時代の流れに乗って、自分の研究分野に、地球温暖化対策の研究をとりいれようとして取り入れた先生がほとんどなのです。

そして、研究を始める時というのは、みんな素人なのです。私は、専門に研究してたから、ジェームズ・ハンセン氏のデタラメな論文を読みましたが、もしかしたら、槌田さんですら元文献を読んでないかもしれませんね。
 
 
 
民主党も同じ (U.Tak)
2008-05-13 05:33:02
いい加減に政権交代の実現性がなかった頃のものの見方は改めた方が良いでしょう。民主党や小沢氏のホームページを見てきてください。地球温暖化対策を強調しているのは明らかです。一例ですが・・・
http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=13067
温暖化に対して懐疑的なものの見方は、レベルの高低はあれそう特殊ではないですから、野党であるからという言い訳は通じません。政権交代をしたところで、懐疑派にとって少なくともこの問題に関して好転する見込みは現状ないということです。また、日本政府があまりに無責任であるとするなら、ヨーロッパの無責任はどう表現していいか分からないくらい果てしない無責任と言えます。

現状を注視しましょう。楽観できませんが、良い兆しもあります。
http://www.asahi.com/politics/update/0512/TKY200805120267.html

懐疑派の人は、温暖化対策を強調する政治家の評価を下げて判断した方が良いとは思います。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-05-13 13:36:52
一般家庭の主婦だって、家計からの支出にはもっと懐疑的な態度でのぞむでしょうに…。
それとも、
予算や自らの権益の拡大につながりそうな事例に対しては懐疑的思考が停止するのでしょうか?
その背景にあるのは"ウソかもしれないけど、ウソでもかまわない"とする「未必の故意」でしょうか?
日本の"the Best and the Brightest"がそんなコトで良いのでしょうか?
ま、
"ウソかもしれないけど、ウソでもかまわない"とする「未必の故意」によって戦争をおっ始められるよりはぜんぜんマシですけど。

(ノイズなコメントに分類されて、削除されるかもしれませが、べつに気にしません。)
 
 
 
Re:因果関係にも両方向があるわけです (SGW)
2008-05-14 04:43:43
 リンクを張っておきますがhechikoさんの
槌田敦「CO2温暖化説は間違っている」を読む(2)
http://hechiko.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/co22_a362.html
の記事で、元のキーリングのデータの意味を紹介しています。

 どうして、懐疑派のみなさんは有名でないほうのキーリングのグラフを見て必ず、海洋が「排出源」として大気中のCO2濃度を増加させているという思い込みをするんでしょうね。どうして海水温の増加の影響で海洋の「吸収」量が少々減少し、その時間遅れを受けて大気中のCO2濃度が微小に変動している可能性を想像できないんでしょう。

 IPCCの科学者たちの主張を解説すれば、キーリングがそのグラフを作るに当たって加工して「除外した」長期的なCO2濃度の上昇傾向こそが化石燃料からの人為的なCO2の排出によるものだと言っているわけです。
ですから、その主張の文脈に従えば、海洋の吸収量が気温上昇の結果微小に減る影響を受け、そちらのフィードバックからある程度の時間遅れで大気中のCO2濃度が微小に増えるというストーリーを主張しているとみなすべきでしょう。

 では海洋が年平均でCO2を排出しているのか、それとも吸収しているのかという二つのうちのどちらが現実に起こっているのかを確かめるデータは、実際の海洋についての「炭素サイクル」の定量的研究のはずです。そこを調べないままなら二つのどちらなのかだという論争は決着が付くはずもありません。

 んで、炭素サイクルの実測の年々のCO2濃度の増加率と比較してみると、
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/11122.html
の説明がなりたちます。
(実際の海洋観測によればエルニーニョ期には海洋の吸収量は「増加」しているので、陸域の吸収源の減少がこの微小なCO2濃度の増加の真の原因なのですが。)

 キーリングは大気中のCO2濃度の継続的な上昇を世界で始めて実測したことで有名な研究者でした(05年?に亡くなったんですね)ので、ベースのCO2の大気中濃度の上昇が化石燃料増加によるものだというのは自明なこととしてその影響を除外したグラフを加工したわけです、微細な変動つまり反対方向の因果関係「も」起こっているのかどうかを見るためにね。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-05-15 12:18:39
都市化と温度上昇の比較
http://gristmill.grist.org/story/2006/10/26/224634/48

ヒートアイランドの効果は100年で0.05度
http://www.realclimate.org/index.php?p=43
 
 
 
残された時間が。。。 (institutional_investor)
2008-05-15 22:03:28
明日香壽川氏は所詮、環境省の御用学者ですから。
http://www.cneas.tohoku.ac.jp/staff/zhang/zhang.htm
さらに環境経済・政策学会って、池田先生が経済学者とも見なしておられない佐和先生が長らく会長だった環境利権の巣窟じゃないですか。
で、久しぶりにコメント欄開けたら、エントリーの主旨を無視した重箱の隅突付き合戦で、開けたことを後悔しました。。。
こんなことだから「Scientificにはまだいろいろと議論はあるようだが、Politicalには決着がついた問題ですから。。。」(明日香氏と同じ国内排出権取引検討会メンバーの某会合での発言)と、外野なんか無視してどんどん話が進められる。「欧米に外堀埋められてるのに、いつまでも不毛な論争してるんだから、放っておけばいいだろ」と言いたいのでしょうか。
本件に限っては経済産業省が比較的マトモですから(動機は外資排除規制と同次元で、省益考えたら当然でしょうから、積極的な評価には値しないかも知れませんが)、課税路線をまだ諦めていないことを祈るばかり。そういえば、上記環境省の検討会にも東証の京クレ研究会にも、マトモな経済学者は入っていません。経済政策論をすっ飛ばしてすでに利権調整の段階だから、当たり前か。
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/det/seido_conf/index.html
http://www.tse.or.jp/news/200804/080428_a.pdf
こういう現状を見るにつけ、マヌケな方々からCarbon Tradingでボッてやろうと悪魔に魂売っている人たちに付いて行ったほうが良いのかなと。。。近頃急に強力になったフォースの暗黒面に引きずり込まれそうで困ります(笑)。
 
 
 
科学とは政治マター (江戸川アダモ)
2008-05-18 00:51:36
一般の人にとっては、科学者と言う人種は
浮世のゴタゴタに目もくれず、日々空想と実験データのみに向き合っていると写るかも知れません。しかし実際には、権威や人気と言った極めて政治的要素で動いている社会のようです。歴史的に見ても、科学という分野は教会や国家の権威を高める為に利用されてきましたし。

昨今、地球の気候などという壮大な複雑系のなかで、CO2の排出を少し抑えて90年後の平均気温を何度か下げる、なんてことを本気で信じている研究者がいるとしたら驚きです。

しかし、現実には「100年後の地球気候なんてよく判らない」という正直な態度では、おそらく研究予算は下りないのでしょう。そこで「このまま放置すれば、そのうち農地は砂漠化し都市は水没、何億人が餓死する。」と大風呂敷を広げたらメディアも取り上げるし、政治家も政府も乗っかってくる。予算も獲得できて権威も上昇、老後も安泰と(^^;

こうした既得権が出来上がってしまうと、それに異を唱えるような事をすれば「皆で決めたことを今さら…」となって、トンでも学者の烙印を押されることになる。それこそ「気象読むより、空気嫁!」ってなもんです。

大手メディアだって「地球温暖化を阻止しよう」キャンペーンを張ってしまった手前、今さら「あの理論は実は怪しかった」なんて報道できません。また、カルト化した環境保護団体は勿論、家庭の主婦に至るまで「自分の行動で地球を救うぞ!」と意気込んじゃってるので、それに水を注すようなことをしたら猛反発をくらいます。

サイエンスやテクノロジーは反証可能性のおかげで多くの成果をあげてきました。しかし、何でも都合良く解釈できる人間社会は、宗教が支配する中世から殆ど進化していないのかも知れませんね。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-05-21 22:19:25
> では海洋が年平均でCO2を排出しているのか、それとも吸収しているのかという二つのうちのどちらが現実に起こっているのかを確かめるデータは、実際の海洋についての「炭素サイクル」の定量的研究のはずです。そこを調べないままなら二つのどちらなのかだという論争は決着が付くはずもありません

炭素サイクルの定量的研究は少なくとも10年前段階ではまだ首尾一貫性のある結果は出せていなかったかと。

そんな状態で地球温暖化を主張する連中、その尻馬にのって潤沢な予算を食いつぶす連中には付いていけなくて、俺は足洗ったけどね。
 
 
 
Unknownさんへ (SGW)
2008-05-22 05:51:50
 現在のGlobal Carbon Projectの見解のまとめは
「Global Carbon Projectからのオーマイガッな観測」
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/11482.html
にあります。
 またIPCCの報告書では第二次レポートの時点でミッシング・シンク問題は解決されたとしていますよ。
 海洋がCO2のソース(排出源)となっている、なんてデータが(槌田氏の主張以外に)あったら見せてもらいたいもんです。10年以上前だって、どうして観測系の研究者はミッシング・シンクはどれだという議論ばかりをしているのに、槌田氏は海洋がソースに違いない、なんてことを考えちゃったんでしょう?
 
 
 
インチキデータ (元大学教員)
2008-05-22 07:13:45
私は、二酸化炭素地球温暖化説否定派ですが、同じ否定派の人達でも、いい加減な事を言ってる人がほとんどです。

まず、データは再現性がないと、信頼性はゼロです。

>海洋がCO2のソース(排出源)となっている、なんてデータが(槌田氏の主張以外に)あったら見せてもらいたいもんです。

私は、海洋がCO2のソース(排出源)となっているとは思いますが、このデータにどれだけ信頼性があるかというと、あまりないとも思います。再現できないデータなのだから。

また、地球へ届く太陽エネルギーはほとんど誤差がない事が分っています。太陽黒点は、地球へ届く太陽エネルギーに微々たる誤差を与えるわけですが、定数として扱われてしまうくらい影響度は低いのです。

太陽黒点はもしかしたら、地球温暖化に影響があるかもしれないが、化学的根拠は二酸化炭素が地球温暖化をさせているといってるのと同じくらい根拠がないのです。

池田先生は、政府の陰謀は明らかだから、早急に解決したいと思うかもしれませんが、否定派の先生も、いい加減な理論が多すぎて、危険なのです。石油を大切に扱う事そのものは悪いことではないので、急ぐ必要もないと個人的には思います。
 
 
 
海洋での「放出」の意味 (TSUNE)
2008-06-26 15:00:58
海洋をCO2の放出源とするのはおかしいとか、吸収源のはずだとか、いった議論は奇妙に思います。

海洋では、CO2の吸収と放出が同時に起こっています。ですから、その収支がどうなるか、言い換えれば、CO2交換の平衡がどう変化するか、という視点で捉えなければなりません。

大気中CO2分圧が一定条件で、海水面の温度が上昇した場合、溶解度は低くなる方へ移動しますので、CO2収支は放出側へ移動するはずです。つまり放出が増加します。しかし、これは「正味として放出となる」ということを意味しません。放出が増加してもなお正味としては吸収側にある場合も、もちろんあるわけです。ですから、この場合「放出源」という言い方は誤解を招きやすいです。

海洋が「正味として吸収」にあっても、収支が放出側に移動すれば、大気のCO2濃度に影響を与えます。
 
 
 
太陽定数 (bobby)
2008-06-27 15:34:06
元大学教授さん

wikiによれば、「太陽定数とは、地球の大気表面に垂直に入射する単位面積当たりの太陽放射の量である。これは可視光線だけではなく、あらゆる波長の電磁波を全て含めた値である。人工衛星の測定によれば、太陽定数は1平方メートルあたり約1366Wである[1] 。この値は、数年~数十年の長期的な周期で多少変動しているほか、約27日周期の太陽黒点の活動によっても変化する。この変化は、長期的な地球の気候変動に影響を与えていると考えられている。」とあります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E6%94%BE%E5%B0%84
 
 
 
re:海洋での「放出」の意味 (bobby)
2008-06-27 15:38:40
TSUNEさんの仰るように、「海洋のCO2収支」が実際にどうなっているのか、その原因は何かをきちんと調べる事が大事ですね。地球規模で同時に海洋のCO2収支を、自動計測して統計資料まで作成できるようなシステムがほしいものです。
 
 
 
re:re:海洋での「放出」の意味 (TSUNE)
2008-06-28 02:45:19
「海洋での「放出」の意味」で僕が書かせていただいたのは、海洋でのCO2交換とは、同一海面で、同時刻に、CO2の吸収と放出が両方起こっている。例えば、入ってくるお金が100円で、出て行くお金が95円のとき、正味としては5円の収入となる、というようなことです。平衡状態で安定するほうへ変化するので、正味として吸収になるか放出になるかは、平衡点がどこになるかで決まります。じっさいには海域や季節によって海流や温度変化の影響を受けるので、放出源となったり吸収源となったりするのですが、現在の海洋が全体として正味として吸収側にあるのは、大気のCO2分圧が上昇して海表面のCO2分圧よりも高くなっているためです。
 
 
 
太陽定数と太陽黒点について (TSUNE)
2008-06-28 21:14:03
太陽定数は、1980年のWMO(世界気象機関)の会議で、1367±7(W/m^2)とされました。±7とあるように定数とはいえ幅があります。太陽放射の測定は1837年から長いこと試みられましたが、正確な測定ができるようになったのは衛星による観測が可能になってからです。

太陽は極大期と極小期で約1(W/m^2)の変動があることが分かっていますが、衛星による観測が可能になってまだ30年ほどで3周期しか観測されていません。そのため、数百年スパンの変動については、太陽黒点数の変化や、樹木の年輪の炭素14から推定されています。

炭素14から、この100年ほどの間に、11年周期の変動幅の約2倍の長期変動があったらしいことが分かってきました。これは、太陽定数の0.1%ほどに過ぎませんが、これにより0.3℃ぐらいの気温上昇の見積もりになるとのことです。

太陽黒点数というのは、太陽活動を推し量るたんなる指標、目安に過ぎません。地球に影響を与えるのは、放射や太陽風(プラズマ)であり、太陽黒点そのものが地球に影響を与えているわけではないです。

科学技術庁科学技術政策研究所の柳原さんという方が、1991年に書いた論文があるのですが、この中で彼は、太陽黒点の背景に長期の変動があり、それが地磁気に現れるという説を唱えました。

太陽活動と地球温暖化--地磁気活動を指標として---
http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/mat009j/idx009j.html

1991年に書かれたこの論文は、1997年にスベンスマルクが太陽風の影響を受ける宇宙線の変化で雲量が変化するとした論文よりも、6年も先んじています。
 
 
 
Unknown (イチ科学者)
2008-07-09 04:16:18
>との論文ぐらいちゃんと読んでください。そんなことは書いてあります。海水温の上昇→エルニーニョ→CO2なんだから、気温上昇→CO2でしょ。

違います。池田先生、大元のKeelingの論文をお読みでないとはがっかりです。
Keeling et al., 1995(Nature)のabstractは下記で読めます。
http://www.nature.com/nature/journal/v375/n6533/abs/375666a0.html
気温上昇→CO2ですが、その影響は石油起源のCO2のトレンドを部分的にマスクしたり誇張したりといった程度です、とKeeling自身言っています。槌田氏はその記述を飛ばして彼の業績を都合良く紹介しています。
 
 
 
温暖化 (ぱんぴー)
2008-08-24 16:17:49
地球温暖化を声高に叫ぶことでエネルギー消費を抑制すること、仕組まれた先物による原油価格の高騰、全てオイルピークを少しでも後ろへずらすため、代替エネルギー開発までの時間稼ぎをするためなのだ。

何かシンボルがないとそのような方向に進んでいかない。それだけ。
 
 
 
もっと単純に考えてはどうですか (ヒラマサ)
2008-09-01 21:12:36
ぱんぴーさん、わたしの考えはもっと単純です。
石油大手が一番、地球温暖化&CO2削減への急激な傾斜を好まないのだと思います。
非石油エネルギーへのなだれ的傾斜による石油販売量の落ち込みが懸念されるのが第一です。(非常に単純ですが明快でもあります)
しかし、地球温暖化は事実ですから反論できない、せめて石油消費を中心とする温暖化ガスが原因である説をモグラ叩きのようにたたいておきたい。
石油高騰は、石油大手にとって戦略的に不都合な出来事だったでしょう。
なぜなら石油高騰が進むと、世の中が代替エネルギーや節約へ傾く圧力が高くなります。環境保護ではなく純粋に経済的理由で石油離れが起こるのです。
この傾向は、今回の石油高騰で現れました。
オイルピークは既に来ているとの見方に賛成します。
しかし、まだまだ生産量を維持することは可能なので、石油高騰による石油離れは避けたいところでしょう。
 
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