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運転士求む ただし訓練費700万円負担を いすみ鉄道

2010年3月4日23時52分

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写真:いすみ鉄道の列車の運転席=千葉県大多喜町いすみ鉄道の列車の運転席=千葉県大多喜町

 経営再建中の第三セクターいすみ鉄道(本社・千葉県大多喜町)が4日、訓練費として700万円を自己負担して同社で訓練を受け、国土交通省の列車の運転免許を取得するという社会人対象の運転士の養成プランを発表した。資格取得後、嘱託の運転士として週1日以上、運転するという計画だ。

 いすみ鉄道はJRからの出向と同OBら40代〜60代の運転士11人がいる。ベテランの引退時期が迫る一方、新卒の正社員を採用する財政的余裕がなく、このような事業を打ち出した。関東運輸局によると、費用を自己負担して訓練を受ける形態は、全国の鉄道会社で初めてという。鳥塚亮社長は「会社再生の一助になり、運転士になりたいという方の夢をかなえる事業」と説明する。

 同社によると、今月下旬に大多喜町で説明会を開き、4月に学科試験、面接、身体検査などで選考し、5月に数人を嘱託社員として採用する。運転士試験の条件が鉄道会社勤務となっているためで、動力車操縦者運転免許の学科試験や実技試験に合格できるように週1回講義を受け、その後週数回、乗務訓練をする。

 実技試験に合格すれば、半年ほどベテラン運転士と同乗して習熟度を上げた後、嘱託乗務員(運転士)となる。週末を中心に週1回以上は勤務する予定という。訓練期間は1年半ほどを見込んでいる。

 訓練期間中を含めて有給で、乗務員として採用後は社内規定の給与が払われる。嘱託で週2回勤務の場合、月収は10万円弱で、同社は「経済的・時間的に余裕がある人や、厳しい待遇でもぜひ運転したいという人を希望します」という。

 応募資格は訓練や勤務をこなせる地域に住み、50歳代を上限とするが、性別は問わない。説明会は参加費5千円で、申し込みや問い合わせは同社のホームページへ。

 運転士の養成で、JR各社や大手私鉄は、大臣指定を受けた自前の養成所に社員を泊まり込ませるなどして、資格を取らせている。(高木和男)

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