プレスリリース
インテル プレスリリース
インテル コーポレーションと科学研究団体
癌研究のための貢献活動プログラムを発表

〜 高性能パソコンとピア・ツー・ピア・コンピューティング技術をベースに
世界最高の“仮想スーパーコンピュータ”を実現し、医療研究に利用 〜

2001 年 4 月 4 日


<ご参考資料>
* 2001 年 4 月 3 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です。

インテル コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)と欧米の科学研究団体は、数百万台のパソコンを結び、世界最大規模の強力なコンピューティング資源を活用し、生命を脅かす病気に対する医療研究に役立てる新しい取り組み「インテル(R) フィランソロピック・ピア・ツー・ピア・プログラム」(Intel(R) Philanthropic Peer-to-Peer Program)を発表しました。このプログラムには、全米癌学会(American Cancer Society)、米国立癌研究財団(National Foundation for Cancer Research)、英オックスフォード大学、ユナイテッド・デバイセズ社が参加しています。

この貢献活動は、インターネットに接続されたパソコンとピア・ツー・ピア技術を応用し、パソコンのハードディスクや演算処理能力といったコンピューティング資源を共有して利用する環境を整え、研究者が医療研究に利用できるコンピューティング能力を飛躍的に向上します。

パソコンのユーザは、インターネットから各自のパソコンにプログラムをダウンロードすることでユーザのコンピューティング資源を提供し、癌やその他の病気への対処法や治療法の研究プログラムを実行させることができます。この“仮想スーパーコンピュータ”は、最終的には、数百万人のユーザが参加し、現在の最高性能スーパーコンピュータより 10 倍優れた 50 テラフロップ(1 秒間に 1 兆回の演算処理を行う単位)のコンピューティング処理性能を実現すると予測されています。

インテル コーポレーション 社長 兼 CEO(最高経営責任者)のクレイグ・バレットは、「インテルと科学研究団体は、パソコンとピア・ツー・ピア技術を合わせ、医療研究のあり方を根本から変革します。インターネット接続されたパソコンを取り込むことで、バイオロジ用途としては過去最高とも言えるコンピューティング能力を実現し、研究が困難といわれている科学的な諸問題の解決に役立てます」と述べています。

このピア・ツー・ピア・プログラムの最初のアプリケーションは、白血病治療薬の最適化研究に関するものです。このアプリケーションは、全米癌研究財団とオックスフォード大学の協力のもとユナイテッド・デバイセズ社により開発され、http://www.intel.com/cure からダウンロードできます。

この研究プログラムへの参加は、http://www.intel.com/cure からアプリケーションをダウンロードすることで行えます。各自のパソコンにアプリケーションがインストールされ、パソコンに演算余力があれば、研究用のアプリケーションが実行されます。これは、“スクリーン・セーバ”に似ており、ユーザが介在することなく、自動的に実行されます。パソコン上でコンピューティング処理が行われると、通常翌日には、ユナイテッド・デバイセズ社のデータ・センタにその処理結果が転送され、同時にそのパソコン・ユーザが次回、インターネットに接続する際に受け取る新しいデータのリクエストが送られます。このアプリケーションは、ユーザのプライバシを保護するセキュリティならびにプライバシ機能も備えています。

小児死亡原因の第 1 位である白血病の新薬や治療法の研究では、癌に耐性があるとされる数億種類におよぶ分子を検証する必要があります。国立癌研究財団では、この作業に最低、2,400 万時間かかると推定しています。今回の治療薬最適化アプリケーションでは 4 種類の蛋白質について評価します。このうち 1 つの蛋白質は、白血病の進行を促進することが確認されています。この蛋白質を破壊できれば治療に役立つ可能性があります。

インテルは、ピア・ツー・ピア・コンピューティングの有効活用に積極的に取り組んでいます。ピア・ツー・ピア技術を長年にわたり社内のコンピューティングに利用してきた実績があります。また 2000 年 8 月には、ピア・ツー・ピア・コンピューティングの標準技術ならびにプロトコルの策定を目的とした業界ワーキング・グループの設立を発表しました。

世界最大の半導体メーカであるインテル コーポレーションは、パソコン・ネットワーク / コミュニケーション製品の世界的なメーカでもあります。インテルの情報は、http://www.intel.com で入手できます。

以上

* 記載されている製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です。