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今夏参院選 自民「潮目変わった」 攻勢強める
「政治とカネ」の問題などで民主党に逆風が吹く中、今夏の参院選に向けて自民党鳥取県連(山口享会長)が攻勢を強めている。鳥取選挙区(改選数1)に党公認で出馬する浜田和幸氏(56)は、ほかの立候候補予定者に比べて出遅れたが、選対の布陣も固まり、6、7の両日には県内党員に選挙協力を求める。組織固めを急ぐ一方で、共に戦ってきた公明党と足並みがそろうかは不透明だ。
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自民党県連の常任総務会で出馬への決意を語る浜田氏=1月29日、鳥取市の県連事務所 |
自民党県連の山根英明幹事長は「潮目が変わった」と強調する。民主党の「政治とカネ」問題や党幹部の不適切発言に加え、労働組合との不透明な関係を追及していくという。
県連は昨年から混迷が続いていた。現職の田村耕太郎氏(46)の公認を決めたが、田村氏が昨年12月に離党したことを受け、急きょ新たな候補者を模索。民主党県連が昨年7月に坂野真理氏(32)の擁立を決めたのに対し、浜田氏の擁立を決めたのはことし1月末だ。
「大きく出遅れたのは否めない」と浜田氏。国際政治経済学者として東京を拠点に活動してきたが、2月下旬から生活を米子市に移した。「1日300人」を目標に県議らとあいさつ回りをこなし、4日も鳥取市や智頭町などで二十数社をめぐった。
浜田氏は「じっくり足で回って声を聞き、党の枠にとらわれず県民と一緒にマニフェストをつくっていきたい」と力を込める。
選挙態勢も整いつつある。県連は選対本部の構成員を決め、本部長に山口会長が就任。6、7の両日に鳥取、米子両市で「党地域支部長・幹事長、職域支部長会」を開いて説明し、山口会長が「短期決戦」を呼び掛ける。
坂野氏のポスターがあちこちにお目見えする中、浜田氏のポスターもようやく完成し、週明けから党員による街頭への張り付け作業を本格化させる構えだ。
しかし、鳥取市選対本部長の鉄永幸紀県議は「一番の問題は知名度不足」と顔を曇らせる。「どぶ板選挙」に徹したいが、出遅れた分だけ時間的な余裕はなく「どれだけ効率よく顔を売り込めるか」と思案する。
また、党組織の弱体化も進む。昨年の衆院選以降、県内党員が千人近く減り、高齢化が目立つ。集票の鍵を握る自民系の市町村議員も減った。
一方、昨年の衆院選で自民党候補を推薦した公明党県本部の銀杏泰利代表は、鳥取選挙区での協力態勢について「今回はフリーハンドであり、いまは白紙の状態」と説明。「2大政党の公認候補が決まったので、両氏(坂野氏、浜田氏)の政策を聞いてから党としての対応を判断したい」と話している。
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