政府は3日、高速道路料金の割引などに充ててきた資金を高速道路会社の道路建設にも使えるようにする法改正案を、通常国会に提出する方針を固めた。4日の国交省政策会議に改正案を示し、3月中旬の閣議決定を目指す。道路会社の建設費は料金収入で賄うのが大原則だが、夏の参院選をにらみ、「高速道路整備の推進」を掲げる民主党の小沢一郎幹事長の要望に応じた。国の支援を受けて採算度外視の建設を続けた、旧道路公団方式への「先祖返り」との批判を受けそうだ。
政府が提出するのは、道路整備事業財政特別措置法の改正案。同法は、道路会社による料金割引とスマートインターチェンジ(高速道に簡単な料金所を付けた出入り口)設置の二つを「利便増進事業」として、財政支援の対象に定めているが、改正案では、対象を新規建設にも広げる。
同事業の09、10年度分は各5000億円で、大半が普通車の「休日上限1000円」などに使われる。政府は10年度に現在の割引制度を全面的に見直し、「上限2000円」制度を導入することなどを検討しているが、現在の割引財源が建設費に転用された場合、新たな割引制度の規模が縮小される可能性もある。【大場伸也】
毎日新聞 2010年3月4日 東京朝刊