歌手の近藤真彦(45)が、亡き母親への思いをテレビで初めて語ったことが4日、分かった。26日放送のTBS・MBS系「中居正広の金曜日のスマたちへ 3時間スペシャル」(後7・55)で打ち明けたもの。母・美恵子さん(享年43)の遺骨が盗難に遭って20数年たった今も行方が分かっておらず、「僕がこの仕事をしていなければ、遺骨を盗まれることなんてなかった」と決して癒えない“心の傷”に触れて、涙をこぼした。
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涙の初告白だった。普段は「全然、涙もろくないんです」と話して、コンサートなど人前では決して泣き顔を見せないマッチが、亡き母を思い出して人目をはばからず号泣した。
26日放送の「金スマ」のドキュメンタリー特集「波瀾万丈スペシャル」では、デビュー30周年を迎えたマッチの半生を3時間にわたって紹介。15歳で出演したドラマ「3年B組金八先生」や最優秀新人賞に輝いた81年の「第23回日本レコード大賞」など、懐かしい映像で華やかな芸能活動を振り返ったのに加え、天国の母についても初めて口を開いた。
マッチの母・美恵子さんは、86年に交通事故で43歳の若さで急死。翌87年の12月、美恵子さんが眠る墓から遺骨が骨つぼごと盗まれ、所属するレコード会社には「レコード大賞を辞退しろ」と脅迫電話と手紙が届いた。その後、犯人は見つからないまま20年以上の月日が過ぎた。
当時を回顧するVTRを見たマッチは、涙をこぼして「遺骨は今でも戻ってきていません。墓参りにいっても、つらい気持ちでいっぱいです」と胸中を吐露。「遺骨は盗まれましたが、僕の心から母は盗めません」と言葉に力を込めた。
30年の芸能生活を語る上で、“悲しみの過去”も包み隠さず打ち明けたマッチ。「皆さんに自分の思いを話すことができました。栄光と引き換えになくしてしまったもの、人生で何度も訪れた逆境を、こうして人に話せるようになるのに長い時間がかかってしまいました」と時の流れをかみしめていた。