樹海探険記
富士の樹海・・・
一度は耳にした事があると思う。
「自殺の名所」としてあまりに有名過ぎる場所。
正式には「青木ヶ原樹海」と言う。
実際、どこにあるのか?
山梨県 富士箱根伊豆国立公園 ここである。
なぜ、樹海が自殺の名所なのか?
それは死体発見率が極めて低い事にある。
偶然を覗けば絶対に発見不可能と言われる場所さえある。
樹海での自殺方法は、首吊り等もあるようだが、主に凍死らしい。
睡眠薬を飲み、そのまま眠りに付く。睡眠の延長線上にある永遠の眠り。
凍死について、ちょっと説明しておこう。
人間の平均体温は36.8度位といわれているが、
わずか1〜2度体温がさがり35度になると「疲労感」「倦怠感」「眠気」がくる。
俗に言う「寝たら死ぬぞ」の状態とはまさにこの時を示す。
さらに34度まで下がれば、思考能力が低下し意識が朦朧としてくる。
酒に酔ったような「陶酔感」「恍惚感」になり気持ち良い状態にあると言われる。
このまま30度まで下がると眠るように意識がなくる。
25度まで下がれば、生還は不可能と言われる。
たった10度体温が下がるだけで死んでしまう。
人間にとって生きる為には、体温は絶対的に必要なものという事がわかる。
下図は、このページでの説明をわかりやすくする為のものです。
「完全自殺マニュアル」を片手に、樹海を見て回ることにした。
:アクセス:
JR東海三島駅〜富士急行バス〜富士吉田バス〜@風穴バス停orA氷穴バス停orB紅葉台バス停下車
どこのバス停で降りても良いのだが、B紅葉台で降りることにした。
富士山が真近にせまり、絶景だ。。。
そこから国道139号を西へ少し行くといきなり目に飛び込んできたのが下の看板だった。(場所:C)
青木ヶ原自然歩道(●色に塗られた道)への入り口の看板。もちろん国立公園である。
しかし、それとは裏腹に、横に立つ看板・・・
ここがどういう場所なのか、我に帰る瞬間である。
いくら国立公園でも、この看板をみたら「家族揃って楽しくハイキング」とはいかない(^^;
更に自然道を東へ歩く事300〜400M。下図の看板がある。(場所:D)
「ん? なんで違う方向に同じ場所が??」この辺りの複雑な地形を彷彿させる道しるべでる。
「自殺マニアル」を参考に、ここを左(南東)へ進む事にした。
すると、またもやあの看板が・・・
「たったひとつの命を大切に」と書いてある。
「を・・? 始めにみた看板とちょっと違うバージョンだ」等と思いつつ、更に奥へと進む。
ちょっと行くと新たな道しるべがある。そこを「山道」と書いてある方に進む。
道しるべの山側には、最初に見た看板と同じ文句の特大サイズの看板が・・・
ふと、磁石を見るとまだ大丈夫だ。ちゃんと動いている。
山道だが、道とはあまり思えない。雪に足をとられ進み難い。
ちょっと脇へそれれば、もうどっちがどっちだかわからなくなる世界。
更に進むと、なにかポストのようなものが見えた。(場所:Eあたり?)
「え? ポスト? こんな所に誰か住んでいるのか??」
違った・・ぜんぜん違う・・・(^^;
「自殺防止呼びかけ箱」・・・なんじゃこれは?
「自殺をしないように!」と一般人が投函するのか?わざわざこんな場所にまで来て・・・
それとも、自殺志願者が何か書いて入れるのか?
もし、自殺志願者が入れるとしたら「遺書」くらいだろうなぁ・・・
それでも、富士吉田警察署の雀の涙ばかりの努力が余計に寂しさを誘う(涙)
15分くらい歩いただろうか。。
ふと振り返って見ると、もう来た道すらわからない。
びびった・・マジで遭難すると思ってしまう程だ。(場所:F)
地図で説明すると、ちょうどWゾーンのちょっと南ぽい。
もちろん、この辺りも自殺死体が発見される場所でもある。
このWゾーンは、「磁性溶岩地帯」と呼ばれ、磁石が効かない場所である。
人間不思議なもので、どうしても狂った磁石を見たくなるヾ(・・;)ォィォィ
磁石と来た道を懸命に記憶しながら、北(Wゾーン)へと向かう。
ちょうど、「乾徳道場(場所:G)」あたりに来た時、それは起こった!
うぉぉぉ! 磁石がクルクルくるくる!・・・というのは、
ちょっと大袈裟だが、針がブレて正確な方向はわかり難い。
見渡せば、そこは密林のジャングルを思わせる原生林。
「これ以上はヤバイ」本能でそう思った(^^;
慌てて引き返した。
殆ど興味本位で行った、この樹海探険。
だが、いろんな事も考える事ができた。
もう一度、樹海周辺地図を見ながら感想を交え説明していこう。
上図で、説明できてない所を説明しておこう。
:Wゾーン:
磁石が狂う「磁性溶岩地帯」である。
この辺りでの自殺者もいる。
だが、死体発見率は極めて高いゾーンである。
乾徳道場(場所:G)が近くにある事もそうだが、
自衛隊が一列縦隊で密林の中の歩行訓練を行う。
この時、死体を発見する事が多いと言われている。
:Xゾーン:
地元の人も入らない場所で、地元の人すら「一番死体の見つかり難い所」と言う場所
E辺りから少し南東へ進むとすぐにFのような場所になってしまう。
後は赴くままに進めば脱出は不可能に等しい。
:Yゾーン:
ここも、Xゾーンと同じような場所。
H赤池バス停で下車し、樹海を南に100M進むだけでこの場所にたどり着く。
しかも、この辺りは観光客が来る様な場所ではない。
うろつくと自殺志願者に思われること120%だろう。
:Zゾーン:
この辺りは比較的観光する場所や、遊歩道(●色の道)があるので人を見かける。
しかし、龍宮洞穴から北に進むと他の2ゾーンと変わらない。
あえて違いを言うなら、毎年大捜索を行うゾーンという事。
毎年10月に地元の消防団、警察ら総勢600人を動員し死体探しの大捜索がある。
B紅葉台バス停下車した時、ふと考えた。
自殺志願者はこの時点ではどんな気持ちなのか・・
「やっと死ねる ヤッター!」と思うのか・・?
イヤ、たぶん違うだろう。
きっと、「あぁ。。ここに来てしまった」と思うのだろう。
自然に足がここへと進んだのだろう。
Cの場所にある看板をしばらく見つめていたら、地元の人に声をかけられた。
「お一人ですか?」 私の事を自殺志願者と思ったようだ(^^;
こんな時、本当の自殺志願者はどういう態度をとるのだろう?
やるせない想いを抱え、その場を静々と去るのだろう。
そして、あの看板の文句を考えながら、樹海奥へと進むのであろう。
実際、私は自殺するつもりで行った訳ではないが、自殺するがごとくいろいろな事を考えてしまった。
家族の事、友達の事、仕事の事、今までの人生の事・・・・・
E辺りまで進むのに、バス停から数十分だが、この時間が大切な時間帯とも思えた。
もう一度やり直せるか、それとも「死」を選ぶか・・・
よほどの決心がない限り、この辺りで引き返すだろうと思う。
この孤独感と「絶対の死」を身近に感じたら大抵の人は怖くなる。
それでも、死を選ぶ人達は私達には考えられない想いと事情があるのだろう。
その人が自己で命を絶つという最大にして最終の手段「自殺」
生きているのが苦痛ならいっそ死んだ方が良いと思う事は本当に悪いのか?
一般常識的にみれば、それは「悪」とされる。
しかし、それは価値観の問題で、他人である私達が安易に決めてはならないのでは?
普段考える事の少ない「命」について考えさせられた探険であった。
このHPを見てくれた皆さんも今一度「命」について考えてみませんか?
もし、身近でそういう人がいるとするなら、このHPを教えてあげてください。
死ぬ事はいつでもできます。しかし生きる事は今しかできないのです。。。。
参考文献:完全自殺マニュアル(鶴見 済:著)
※JINが語る完全自殺マニュアルを見る