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[取材]
5日、ル・テアトル銀座にて、舞台「変身」の公開稽古がマスコミに初披露され、森山未來、穂のか、永島敏行が登場した。「変身」は、カフカの名作を舞台化したもの。主人公グレゴール・ザムザがある朝目覚めると、ベッドの中で大きな虫に変わっていたという有名な話。舞台では「虫」になってしまうグレゴールが、不条理な運命に翻弄されながらも現実と向き合っていく様が描かれる。
舞台中、「虫」役になりきった森山。虫になってみたいかと聞かれると、「『虫』という解釈は人それぞれですが、例えばゴキブリを見て虫になりたいかといったらそうではなくて。内に閉じこもることを、カフカが『虫』という形にデフォルメしたと思ってます」と原作の深い意味を自らの解釈で説明した。一方、穂のかは「虫は大キライ!」と即答して、笑いを誘った。
グレゴールの妹役に抜擢された舞台初挑戦の穂のかだが、「右も左も、何がわからないかもわからなかった」と初めての稽古に戸惑いながらも、「共演者のみなさんに優しくしてもらい、毎日が勉強だった」と答えた。すると森山が「もう台本が(書込みすぎて)文字だらけだよね」と彼女の努力をねぎらった。役者として大先輩にあたる永島は、穂のかの印象を聞かれると、「非常に素直ですね。素直に色んなことを吸収していくし、謙虚だし。素晴らしいと思う」と大絶賛。
最後に森山は、「長く語り継がれている『カフカの変身』には不変性があると思うし、現代に通じるメッセージがあると思うので色んな世代の方に観てほしいです」とアピール。永島は「親子で観て欲しいですね。実はグレゴールが虫になってしまったのには親が原因なところも大きくあって。その普遍的な親子関係を見直す上でもぜひ一緒に観て欲しいなと。凄まじいファミリードラマになってます(笑)」と締めくくった。
舞台「変身」公演は、3月6日(土)~3月22日(月・祝)ル テアトル銀座by PARCOにて、その後地方にて上演される。
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「業界通信」穂のか連載コラム
カフカの「変身」オフィシャルサイト