[オレ的と行く#1]アリカ三原一郎さんが語るゲーム移植のあれこれ

掲載日時:2010.01.29 21:00  

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by  jin115

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三原一郎さん。ネクタイは女子社員からプレゼントされたものだとか。

 
どうもこんにちは、オレ的ゲーム速報のJin115です。

早速ですが、第1回目はKotaku JAPANさんと一緒にゲーム会社アリカの副社長三原一郎」さんのインタビューに行って来ました。ゲーム業界の裏話や、現在修正パッチを開発中の例のシューティングゲームの真相を細かく聞いて来ましたYO!

 
■アーケード版の練習のために完璧な移植を~PS2『怒首領蜂 大往生』

―どうして『怒首領蜂 大往生』を移植しようと思ったんです?

プレイステーション2版の『怒首領蜂 大往生』を私が作ったのは約7~8年前なんですが、元々私はコンセプトってものがゲームを作る時に重要だと思ってるんです。

かつてアーケードで『怒首領蜂 大往生』がでたとき、滅茶苦茶難しいというウワサがあったんですね。

「最後のボスがむちゃくちゃひどい」とみんなから聞いていて、そしてたまたまゲームセンターで最後のボスを見たとき、あまりの弾幕に美しさを感じました。「なんてキレイな弾を撃つんだ!」と感動しました。とにかく最後のボスは美しいし強い、でもそれを見たときこれは理論上、避けられる弾だとも思いましたね。

 

 
そして、ウチの社長からこう言われたんです。

「三原くん、これを練習したい! 練習を沢山したら、この悪魔的弾幕をクリアできる人がでてくると思う。そういうゲームを作ってほしい。でもゲームセンターでクリアする為には完璧なものじゃないと許されない。1フレーム1ドットの狂いも許されない。でも丁寧にやれば99.99%は近づけるに違いない、それがアリカで出来るかどうか試したい。」

私は社長に信用されていることが大好きなので「わかりました」と返答しました。そしておそらくは完璧な『怒首領蜂 大往生』が出来たと思います。あのゲームは、ゲームセンターでプレイする人達が練習できる為のツールとして役立ったんじゃないでしょうか。

 
■ユーザーのため修正に参加~Xbox 360『怒首領蜂 大往生』
 

―Xbox 360版『怒首領蜂 大往生 ブラックレーベルEXTRA』の開発トラブル*についておうかがいしたいのですが...実際、どういう流れでトラブルが明らかになったんですか?

*開発会社がPS2版のソースコードを無許可で転用したトラブル。詳細は[公式リリース]を参照。

360版の『大往生』をプレイしたときは、完成度はそんなによくないけど基礎は良く出来てるな、凄く頑張ってるなと思いました。

実は5pb.さんが不具合で困っているとは聞いていたので、善意でリストアップをしていたんですよ。でも設計思想はよくできているのに、あまりに組み立てが下手でおかしいなと思いました。ひょっとしたら、PS2版からエミュレーションしたのかとも思いました。

ゲームのプログラムには作成者本人しか知らない部分もあります。私が意図的に、またはケイブさんから相談を受けて(プログラムを)書いた部分があるので、そこをチェックしました。そしたら『怒首領蜂 大往生』のプログラムには、私と池田恒基さん(株式会社ケイブ取締役)しか知らない部分が全部あったんです。そこで5bp.に問い合わせをして、ソースレベルで使われている事が発覚しました。すぐに5bp.の志倉社長が来られて、「本当に申し訳ない」と謝罪をしにきました。

当初はハラワタが煮えくり返り、自分の子供をボコボコにされたような気分でしたよ...。

でもウチの社長は「アリカも不利益を被ったし、5pb.も不利益を被った、でも一番被害を受けたのはユーザーさんですので今件はアリカには関係ないけれど助けてあげよう。」と言い出したんです。

ユーザーさんが嫌な思いをするのだけはなんとかしたい、ということがあって、私が元の開発会社へ修正の指示をすることになったんです。スケジュールの管理から業務報告などを何から何まで指示しました。この歳でこんな仕事をするとは思わなかったです(笑)。

私もゲーム業界での人生は長いですがここまでの事件は始めてでしたよ(笑)。

 

―なぜ、今回のような事件が起きてしまったのでしょうか?

今、大変な時期なので、苦し紛れに魔がさしてしまったんでしょうね。出来ない事でも出来ると言わないと仕事が取れない辛さがあったんではないでしょうか?
私もお金は欲しいけれども、やれないことをやれるとは言わないようにしています。その上で請け負った仕事は責任を持って果たします、という方針でがんばっていきたいと思いますね。
 
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三原一郎(みはら いちろう)さん
京都出身。中学生の時に「マイコン」と出会い、以後ゲーム作りの人生を歩んでいる。大学卒業後、タイトー、カプコン、スクウェアに在籍。さらにその後、株式会社アリカを現社長・西谷さんら数名と設立、現在に至る。

代表作
ストリートファイターEX2、テトリス ザ・グランドマスターシリーズ、カードキャプターさくらシリーズ、エバーブルー2、テクニクビート、フォーエバーブルーシリーズ他、ライセンス物や過去在籍社中に多数

 
以上、アリカ三原さんのインタビューをお届けしました、お忙しい中どうもありがとうございました!

 
<インタビュー後感想>
やはり今のゲームソフトの開発は開発費が高騰してる半面、売上げ的には厳しい部分もあり、色々と大変みたいですね。

三原さんはとてもユニークな方で、ご自身のブログでの発言がちょっと勘違いをされたりもしますが(笑)何よりもゲームを愛している方で、「基本的には、自分のこだわりたいものだけ作って死ねればいいと思ってます。」という技術屋魂/職人魂に溢れる方でした。

 
なお、オレ的ゲーム速報@刃にも、三原さんのインタビューが掲載されています。こちらは三原さんご本人に焦点を当てた内容ですので、興味のある方はぜひご覧ください!

最後に、オレ的ゲーム速報&Kotaku JAPANでは、お話を伺えるゲーム業界人の方を募集中です。ご興味のある方はお気軽にご連絡ください!( 問い合わせ先

 
(Jin115)

 

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怒首領蜂 大往生


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コメント(18)

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    普通によめる記事だったw
    無難なのよりもすこしトゲのある記事とjinの意見が読みたいわ、もちろん煽るようなのはナシな

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    ゲーム業界の裏側が見れて大変面白かったです。
    正直、ゲームセンターCXの最初の頃を彷彿させる内容でよかったです。

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    なんだ、良い仕事してるじゃないか。

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    オレ的はオレ的こっちはこっちでちゃんとやってくれてるなら

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    普通に書けるのならブログもこの論調でやれよ。

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    面白いな
    今後も頑張ってくれ

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    いいジャマイカ!

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    いいね。ブログと違う感じが好感を持てる。
    ブログの毒がある感じも好きだけどね

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    全然別の人が書いたとしか思えないw
    今後も期待してますので無理せず頑張ってください

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    あんだけ前の記事で叩かれていたのにこっちでは圧勝だなw
    今後も応援しています。

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    あれ?いい感じじゃない
    ちゃんと使い分けできるんだなw

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    案外まともでよかった
    でもあっちと完全に切り離して書いて欲しい

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    こんな感じで、ノリを使い分けてくれるなら応援する。

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    >やはり今のゲームソフトの開発は開発費が高騰してる半面、
    >売上げ的には厳しい部分もあり、色々と大変みたいですね。

    新聞記事みてーな面白くないが常識的なこと感想も書けるんだな。
    JINが書いてると思うとそれがネタにみえるけどな(w。
    でも、しばらくは新聞記事路線が正しいと思うし、ブログのノリをこっちにもってこないほうがいい。

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    そもそもが仕事でやりませんか?と言われたことと、個人で書いてるブログを同じ扱いするほうがおかしいと思った
    応援してます

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    個人な物とは言え色々な意味で有名なBlogのライターに記事を委託する
    という事は、そういうノリを期待しての事と思ってしまうのも無理ないかと。

    個人的にはBlogとKotakuへの記事を書くノリはきっちりと切り分けて欲しい
    と思う

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    普通すぎて逆に笑ったw
    別にJIN115じゃなくても良い記事ですね。
    早く、やるおのアスキーアートと特定陣営の煽りという鉄板スタイルに戻す事を希望します。

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    jinがちゃんと仕事してるww

    この調子で頑張れ

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