平野博文官房長官は8日午前の記者会見で、政府が過去に外務省報償費(外交機密費)を首相官邸に上納する慣行があったことを認める答弁書を決定したことに関し、「上納した証拠があるか(事務方に)調べさせたが、官邸サイドに証明するものがない。(関係文書の)保存義務が(期限の5年を過ぎたため)ないということで確認するすべがない」と述べ、上納の事実や使途を官邸側からは確認できなかったと明らかにした。
政府は5日の閣議で、上納の有無を問う鈴木宗男衆院議員の質問主意書に対し、「かつて外務省の報償費が首相官邸の外交用務に使われたことがあったことが外務省において判明した」と認める答弁書を決定した。平野氏は「外務省で調べた結果としての結論で、何をもって『あった』というか私は承知してない」と述べるにとどめた。
また、岡田克也外相が「(予算の『移用』を制限する)財政法違反には当たらない」と話していることに対し、平野氏は「どういうところに使われているか分からないから、財政法違反かどうか言及するわけにはいかない」と述べた。【横田愛】
毎日新聞 2010年2月8日 13時00分(最終更新 2月8日 14時16分)