美輪さんの本より、引用です(*^^*ゞ
17「他人とは腹六分で付き合いましょう」
『君子の交わりは、淡きこと水の如し』という言葉があります。
人との付き合いは、淡白にさらっとしていたほうが良い、という中国古来の教えです。べたべたこってりした付き合いは、必要ありません。ちょっと物足りない程度が、ちょうど良いのです。

その人の心がキレイかどうかが目安です
あなたは初対面の人と出会ったとき、どこでその人を判断しますか? まず目に入るのは、容姿・容貌・年齢・性別など外見のイメージ。そして国籍や出身地、職種や肩書きなどおおまかな情報がわかると、まるでその人のすべてがわかったような気になってしまうものです。
ところが、外見は不細工でも、すごい才能の持ち主がいます。高齢者でも精神年齢は低い、赤ん坊以下の人間もいます。社会的地位は高くても良識の欠如した、人格が最低な人もいます。外見や一般的な情報などは、実はそれほど大きな意味を持ちません。
しかもたいていの人は、自分を基準にものを考えがちです。相手の出身地や年齢、学歴などが気になるのは、自分と比べるためです。出身地は近いだろうか? どちらが年上だろう? どちらが優秀か? 収入が多いのはどちらだ? などなど、自分との優劣を比較しながら、相手を判断しようとしているのです。
差別は、このような人間の自己中心主義から生まれます。人種差別や性差別など、大きなスケールの差別だけが問題なのではありません。同じ日本国内だって、関東と関西は相容れず、関西の中でも大阪と京都は反目し合います。家庭の中でさえ、妹ばかりかわいがられる、と、姉はひがんだり。複数の人間が集まるとそこには必ず競争が生まれ、差別が始まり、対立します。
まずはあなたから、すべてのこだわりを捨てませほう。容姿容貌年齢性別国籍肩書き、それらをすべて忘れる、のです。
そのうえで、相手をひとりの人間として見つめる訓練をしましょう。そうすれば、差別なんてものはこの世からなくなります。
そうなると一番大事なのは、心だとわかってきます。
その人の心がキレイかどうか。
これが人を見る目安になります。はじめは難しくても、あなたが素直な気持ちで向かい合えば、相手の心のありようが、だんだん見えてくるはずです。年齢も性別も肩書きも関係ない、とびきり素敵なお友だちが見つかるかもしれません。

親友という”ゴミ箱”に愚痴を捨てていませんか?
友だちになったら、その人と何をしたいですか? 感動した本について語り合ったり、お芝居や映画を観に行ったり。趣味が合うようなら、一緒に習い事をしたり、旅に出るのも良いでしょう。
でも親しくなったからといって、プライベートなことをべらべらしゃべるのは、およしあそばせ。当たり障りのない話題を選び、爽やかで礼儀正しい”お友だち”でいることです。
何もかも話せない友だちなんて、友だちじゃない。そう思う方もいるでしょう。親しくなると何もかもさらけ出さないと気がすまない人は、多いようです。友だちなのだから聞いてちょうだい、とばかりに、恋愛の悩みから家族の問題、過去の秘密や将来への不安など、なんでもかんでも話さなくては気がすまない方々ばかり。
でも、あなたが恋愛も仕事も順調で幸せいっぱい、という話をすると、どんなに親しい間柄でも相手は、あなたを妬んでしまうものです。かといって失恋や失敗の話ばかりしていると、暗くてみじめな人間として疎まれてしまいます。逆の立場になれば、あなたにもわかるはずです。他人の自慢話や愚痴は、聞いても楽しくないでしょう?
しょせん人間は、ひとりで生きていかねばならない生き物です。何があっても、自分の落とし前は、自分でつけなくてはいけません。にもかかわらず、誰かに話を聞いてほしいというのは、冷たいことを言うようですが、親友という”ゴミ箱”に、心の憂さを捨ててしまいたいだけなのです。相手には相手の世界があるのに、愚痴や不満をぶちまけてしまうのは、あなたの荷物を相手に背負わせること。心配させ、迷惑をかけるだけの、実はとてもわがままな行為、です。相手に失礼ですし、気の毒だとは思いませんか?
また相手の事情を根掘り葉掘り聞き出し、無責任に口出しするのも、いけません。相談に乗ってほしいと頼まれたときだけ、親身になって話を聞いてあげればいい。余計な口出しする必要もありません。

もたれ合うような関係は長続きしません
日光・東照宮にある目と耳と口を隠す三匹の子猿の彫刻「見猿・聞か猿・言わ猿」をご存知ですね? 悪いこと、イヤなこと、禍々しい(まがまがしい)ことは、見ない、聞かない、口にしないほうが平和に生きていけるという人生訓が込められています。
この教えは人間関係にも当てはまります。他人のイヤなところや欠点も、我関せずで、知らなければ仏のような穏やかな気持ちでいられます。「知らぬが仏」です。
良い人間関係を築くためには、相手のプライバシーに、自分から一切口を出さないこと。そして自分のプライバシーもむやみにさらけ出さないこと。それが鉄則です。
何もかも見せ合い、もたれ合うような関係は、絶対に長続きしません。”腹六分目”がちょうど良いのです。
以上です。
人との付き合い方も、だんだん・・腹六分に近くなってきたところです(笑)