弟子とともにまわしをしめて、けいこ後に黙想する片男波親方(右)=大東市内の片男波部屋
「大相撲春場所」(14日初日、大阪府立体育会館)
若き新師匠がノーモア朝青龍を誓った。今年2月に先代(元関脇玉ノ富士)から部屋を継いだ片男波親方(38)=元関脇玉春日=が3日、師匠として迎える初の本場所への意気込みを語った。
もし、弟子の中に朝青龍のような“やんちゃな”力士が出てきたらどうするか。意地悪な問い掛けに親方はやや困った表情を見せた後「礼儀、土俵上での作法、服装。すべてで目につけばすぐに注意して直させます」と言い切った。
弟子育成の理想を「最強ではなく、最高の力士をつくりたい」と掲げる。強さはもちろん、マナー面を重くみる親方は、毎日のけいこ後、「我々は力士の本分である礼儀を重んじます」などの道場訓を、弟子と一緒に読み上げている。心技体の「心」の教育に人一倍力を注いでいる。
38歳は師匠としては5番目の若さ。関取と同じ白まわしを締め、体当たりで指導をしている。「できる限り土俵に立ちたい」と元気をアピールした片男波親方。角界を背負う人材は、若手親方の地道な努力から生まれるかもしれない。
(2010年3月3日)